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これからはカメラマンもAIを「使う」時代。
これからは、AIを「使う」時代。 これはカメラマンの仕事が奪われる、という話ではありません。 むしろ逆で、「表現の幅が、もう一段階広がった」という感覚に近いです。 私自身、フードカメラマンとして日々撮影をしていますが、 現場でよく思うのは「ここに、あと一要素だけ入れられたら、 もっと伝わるのに」という瞬間が本当に多いということ。 物理的に難しいことは、実はたくさんあります。 たとえば、バレンタイン用のケーキの撮影。 世界観としては、 ・赤いマニキュアを塗った ・華奢な女性の手が ・ゴールドのスプーンを持ち ・ケーキにそっと差し込まれている そんな一瞬を画角に入れたい。 理由はシンプルで、「甘さ」「ときめき」「女性目線のご褒美感」が、一気に伝わるからです。 でも、現実はどうかというと・・・・。 私の手は、正直、華奢ではありません(笑)。 モデルを手配するほどのカットでもない。 でも、この“手”が入るか入らないかで、写真の印象はまるで変わる。 こういう時に、AIはとても頼れる存在になります。 撮影のベースは、あくまで自分で撮った写真。...
笙子 太田
2025年12月22日読了時間: 3分


高級チョコレートを安っぽく見せない構図
高級チョコレートの撮影で、 私が一番怖いと思っていること。 それは 「素材は一流なのに、写真で台無しになること」 です。 実際、チョコレート商品撮影のご相談で 「味も原材料も価格帯も高級なのに、写真がどうも安く見える」 というお悩みはとても多いです。 原因の多くは、 カメラやレンズではありません。 構図です。 まず大前提として知っておいてほしいのは、 高級チョコレートは 「全部を見せようとした瞬間に安っぽくなる」ということ。 料理撮影や食品撮影では、 つい ・全体がわかる ・形がきれいに見える ・情報量を増やしたい と思いがちですが、 高価格帯の商品撮影では、これは逆効果になることが多いです。 高級感とは、 「説明しすぎないこと」。 構図の中に あえて“見えない部分”や“余白”を残すことで、 見る側が「想像」できる余地が生まれます。 この余白こそが、 価格を支える空気感になります。 次に意識しているのが、 「チョコレートを画面の中央に置きすぎない」 こと。 真ん中ど真ん中に商品を置くと、 カタログ的・量販的な印象になりやすい。 特にECや海外向け
笙子 太田
2025年12月21日読了時間: 3分


ケーキ撮影について、現場で本当に大事なこと
ケーキ撮影について、現場で本当に大事なことをまとめてみます。 私自身、これまでに料理撮影・食品撮影・商品撮影として、 ケーキ、焼き菓子、冷凍スイーツ、EC用の商品撮影まで、かなりの数を撮ってきました。 その中で毎回思うのが、「ケーキ撮影は、見た目以上にシビア」ということです。 特にインバウンド向け、海外向け、EC向けのケーキ撮影ではちょっとした判断ミスが、そのまま“売れない写真”につながります。 今日は、フードカメラマンとしての実体験をベースに、ケーキ撮影で必ず押さえておきたいポイントをお話しします。 まず、ケーキは「中身を見せる写真」が圧倒的に強い、ということ。 断面が見える写真は、 ・層の美しさ ・クリーム量 ・スポンジのきめ細かさ ・フルーツやフィリングの存在 これらを一瞬で伝えてくれます。 実際、海外向けECやSNSでは 「中身が見える=安心感・価値が伝わる」 という傾向が強く、 2023年以降のEC関連調査でも食品カテゴリでは“断面・内部構造がわかる写真”が購入判断に影響する割合が高いことが示されています。 (出典:Shopify「Fu
笙子 太田
2025年12月20日読了時間: 3分


実は繊細なチョコレート撮影
チョコレートの撮影は、正直に言うと 「甘くて可愛い世界」だけではありません。 むしろ、料理撮影や食品撮影の中でも かなり神経を使うジャンルのひとつです。 今日は、チョコレート商品撮影の現場で 私が必ず気をつけているポイントをお話しします。 これからチョコレートの撮影を依頼しようとしている方や、 自社で撮ろうとしている方にも、ぜひ知っておいてほしい内容です。 まず最初にお伝えしたいのが、 チョコレート撮影で一番大切なのは「部屋の温度管理」 だということ。 チョコレートはとにかく温度に敏感です。 室温が少し高いだけで、表面がやわらかくなり、 ツヤが失われたり、形が崩れたりします。 逆に、急激な温度差があると 表面にうっすらと白い粉のようなものが浮き出ることがあります。 これは「ブルーム現象」と呼ばれるもので、 食べても問題はありませんが、 写真にすると一気に「古い」「品質が落ちている」印象になってしまう。 そのため、チョコレート商品撮影の現場では ・室温を一定に保つ ・照明の熱が直接当たらないようにする ・撮影前後の温度差をできるだけ作らない こうし
笙子 太田
2025年12月19日読了時間: 3分


国によって“写真の信頼度”が違うそのワケ
国によって“写真の信頼度”が違う。だから、盛り具合を変えるだけで売上は変わります。 食の世界ほど“写真の文化差”がハッキリ出るジャンルはありません。 私自身、食品商社で商品企画・営業を10年間経験し、撮影現場でも海外向け案件を数多く担当してきましたが、同じ写真でも「国によって信頼度がまったく違う」という事実に何度も驚かされました。 今日は、その“盛り具合”の違いを軸に、国別でどこまで盛って良いのか? そして、どう調整すれば売れやすくなるのか?を読み解いていきます。 ■ アメリカ:誇張OK。「美味しそう=大げさ」が正解 アメリカは広告文化そのものが“ポジティブ強調”の国。 Statista(2023)の調査でも「食品広告における強いコントラスト・誇張演出は許容範囲」と回答した人が多数派です。 だから、 ・肉のテカリ強め ・チーズの伸びすぎくらいがちょうどいい ・“BIG”“JUICY”を感じる寄りの構図これくらいでようやく「美味しそう!」と受け取られます。 私の撮影現場でも、アメリカ向けだけ湯気・オイルのシズルを1.2倍ほど強めています。...
笙子 太田
2025年12月18日読了時間: 3分


日本フードフォトグラファー協会の正会員に登録されています
私、太田笙子は、日本フードフォトグラファー協会の正会員として活動しています。 「フードカメラマン」として仕事をしていると、 「どんな基準でカメラマンを選べばいいのかわからない」 「肩書きの違いがよく分からない」 そんな声をいただくことがあります。 だからこそ今日は、 日本フードフォトグラファー協会とは何か 、 そして私・太田笙子がどんな分野を得意としているのかを、 少し丁寧にお話ししたいと思います。 日本フードフォトグラファー協会は、 「食を専門に撮影するプロフェッショナル」のための団体です。 料理・食品・商品・広告・出版・ECなど、 食に関わる撮影を専門分野としているカメラマン のみが所属し、 一定の実務経験・技術・倫理基準を満たした者が正会員として認定されます。 単に「写真が撮れる」だけではなく、 ・食材や料理への理解 ・食品表示や広告表現への配慮 ・実物と乖離しない誠実なビジュアル表現といった、 食の写真ならではの専門性 が求められるのが特徴です。 私はその日本フードフォトグラファー協会の正会員として、 日々フード撮影の現場に立っています。
笙子 太田
2025年12月18日読了時間: 3分


色温度が変わるだけで“味のイメージ”は変わる。
色温度が変わるだけで、“味のイメージ”は変わる。 これは、私自身がフード撮影の現場で何度も体感してきたことです。 そして近年は、海外マーケット向けの撮影依頼が増えるにつれて、「同じ料理でも、日本と海外では“好まれる色温度”がまったく違う」という事実をより強く感じるようになりました。 今日は、その違いと、輸出向けビジュアルで気をつけたいポイントについてお話します。 ◻︎日本は“寒色寄りでも上品”、海外は“暖色=美味しさ” 2023年に発表された食品写真の国際研究では、 暖色系(約3000〜4500K)は「香り・温かさ・濃厚さ」を連想させ、食欲を増進させる というデータが示されています(International Journal of Gastronomy and Food Science, 2023)。 一方で日本市場では、 少し寒色寄り(4500〜5200K)でも「清潔・上品・整っている」と評価されやすい という傾向があります。 これは文化的背景が大きく、日本では「白・淡い色・余白=美」という価値観が強く、料理写真にもそれが反映されます。..
笙子 太田
2025年12月17日読了時間: 4分


文化的にNGな食材の写り込みに注意! インバウンド写真で絶対に外せない“宗教・文化への配慮”
海外向けの写真を撮るとき、じつは真っ先に確認するべきなのが 「食材の文化的NG」 です。これは“美味しさ”とは別の次元で、写真の印象や売上に直結します。 フードカメラマンとして日々いろいろな案件を撮影していますが、「この写真、実はターゲットによってはマズいかも…」と感じる瞬間は想像以上に多いんです。 特に注意が必要なのが、宗教的なタブーに関係する食材。 ● 豚肉 → ムスリム圏では完全NG イスラム教徒の方々は宗教上の理由で豚肉を口にしません。2023年以降、東南アジアからの訪日客が急増し(JNTOデータ)、ムスリム比率の高い国からの旅行者が増えているため、写真の中に豚肉が“意図せず写っている”だけでも不信感につながるケースがあります。 ハラール対応をしていない店舗でも、 「混在が写っていないこと」 は最低限のマナー。 特に麺類・スープ類の背景に“実は豚肉”が置いてあった…というのはよくある落とし穴です。 ● 牛肉 → インド市場では配慮が必須 インドでは宗教観から牛肉を避ける方が多く、海外展開やインド系顧客向けの広告の場合、牛肉の写り込みは
笙子 太田
2025年12月16日読了時間: 6分


英語圏のユーザーは「Before / After」の写真が好き!ギャップが“理解スピード”を上げてくれる理由
海外向けの撮影をしていると、よく感じることがあります。 それは、 英語圏のユーザーは「Before → After」の視覚的変化が大好き だということ。 日本では、完成した一枚の“美しい写真”だけでも伝わる場面が多いですよね。 ところがアメリカ・カナダ・イギリスなど英語圏では、完成写真単体よりも、 ・何からどう変化したのか ・何をするとこうなるのか という “プロセスの理解” に価値を感じる傾向があります。 実際、米NPDグループ(2023年)の調査でも、 食品購入時に「中身がどれだけ分かるか」を重視する割合は70%超 と報告されています。 ビジュアルに「ストーリー」があるほど安心し、購入判断がしやすくなるというわけです。 私は食品商社で約10年、商品企画・開発・営業を担当していました。 当時から「海外バイヤーは“ギャップの見える資料”を好む」と強く感じていました。 乾麺なら 乾麺 → 調理例 、粉なら 粉 → 完成系 。たったこれだけで、理解度が一気に変わります。 ここからは、なぜ英語圏ではここまで“Before / After”が響くの
笙子 太田
2025年12月15日読了時間: 2分


海外は“パッケージの裏面”が最も見られる。食品商社で10年働いた私が痛感した、購入判断のリアル
フードカメラマンになる前、私は食品商社で10年間、 商品企画・商品開発・営業 を担当していました。 当時は国内向けだけでなく、海外志向のバイヤーと一緒に商品を作る仕事も多く、“どういう情報で買う・買わないが決まるのか”という現場の空気を、肌で感じ続けていました。 そこで強烈に学んだのが、 海外では「裏面こそが主役」になる という事実です。 商品そのものより先に、裏面をじっくり読み込む。原材料・栄養成分・添加物の種類・製造国…とにかく細部を徹底して確認する。 これは、私が商社時代に何百回と目撃してきたリアルな光景です。 ■裏面を見るのは“クセ”ではなく“文化” 2023年の McKinsey Consumer Packaging Insights では、欧米で「食品購入時に最も信頼する情報源は?」という質問に対し、 72%が“原材料・栄養成分表示” と回答しています。 さらに NielsenIQ Label Transparency Report 2024 では、 67%が「裏面の情報に不信感を持ったら即購入しない」 と明言しています。.
笙子 太田
2025年12月14日読了時間: 4分


日本の器(小鉢・豆皿)は海外では「小さすぎる」。海外向け写真は“皿サイズの調整”が売上を左右する理由
日本の食卓って、本当に繊細ですよね。豆皿ひとつ取っても、色や形に意味があって、ちょこんと置くだけで世界観が整う。 でも、この“日本ならではの美学”が、海外の消費者にはそのまま伝わらないことがあります。 私がインバウンド・海外展開向けの撮影をしていると、 「器が小さすぎて、料理の量がわからない」 というリアルな声にしばしば出会います。 ● なぜ“器の小ささ”が海外で誤解を生むのか? 2023年以降の海外購買行動調査(※Visit Japan Lab 2023/観光庁 2024)でも明らかですが、 海外の消費者は「写真で量感を判断する」傾向が非常に強い ことが分かっています。 特に欧米圏では「料理は大きく、豪快に見えること」が安心感につながります。 ここで問題になるのが、日本の小鉢・豆皿文化。 私たちにとっては“上品な一品盛り”。 でも海外の方には、 「サンプルサイズ?」「子ども用?」「値段に対して量が少ない?」 とネガティブに解釈されてしまうことがあるのです。 実際、私が撮影支援した海外向けECで、皿サイズを変えたところ 商品ページのクリック率が
笙子 太田
2025年12月13日読了時間: 3分


海外は“食べ物のサイズ”を大きく見せないと買われない ?小さすぎると「物足りない」に直結。
「えっ…これだけ?」 海外のお客様向けのメニュー写真を撮っていると、この“ひと言イメージ”とよく戦うことになります。 今日は、海外・インバウンド向け写真では 『食べ物のサイズを「大きく」「たっぷり」に見せないとそもそも買ってもらえない』 というお話を、フードカメラマン太田笙子の視点でまとめます。 ● なぜ海外では「小さく見える=物足りない」になるのか 日本の外食って、実は世界的に見ると「適量〜少なめ」です。一方で欧米やアジアの多くの国では、「たっぷり盛られた料理」が標準サイズとして認識されています。 最近の研究では、各国で「普通だと思うポーションサイズ」と「適切だと思うポーションサイズ」にズレがあることが指摘されています。 多くの人は「適切だと思う量」よりも、実際には多めの量を“普通”だと感じている、という結果も出ています。 さらに、2024年に発表された研究では、お皿のサイズや形で、人が感じる「量感」や「見た目のボリューム」「期待価格」が大きく変わることも示されています。 つまり海外のお客様は、・写真の中の「お皿の大きさ」・料理がどれだけお皿を
笙子 太田
2025年12月12日読了時間: 5分


フェラーリはステータスを売っている。飲食店や商品も「ステータス」を売るべき理由
「フェラーリって、移動手段として買う人はほとんどいないですよね?」 そう話すと、多くの経営者さんが笑いながらうなずきます。フェラーリが売っているのは、速さや乗り心地だけではなく 自分の生き方 自分の価値観 自分の“格” といった「ステータスそのもの」です。 実は、飲食店や食品・商品もまったく同じ。お客様は「お腹を満たすため」「モノそのもの」が欲しいだけではなく、 「その店・その商品を選んだ自分でありたい」 という‘ステータス’を買っている場合があります。 今日はフードフォトグラファー太田笙子として、飲食店や商品が「ステータス」を売るべき理由を、写真の話も交えながらまとめてみます。 ◻︎ステータス=「私はこういう人です」という自己紹介ツール ステータスというと、「成金っぽくなるのでは」「自慢っぽくて嫌だ」と感じる方もいるかもしれません。 ここでいうステータスは、もっとおだやかな意味です。 どんな価値観を大切にしているか どんな時間を過ごしたいか どんな仲間といたいのか を、さりげなく表す「自己紹介ツール」のようなもの。 フェラーリを選ぶ人は、「速い
笙子 太田
2025年12月11日読了時間: 6分


英語圏のSNSでは「余白少なめ」が伸びる理由― ド迫力・寄り多め・コントラスト強めのすすめ ―
英語圏向けのアカウントを見ていると、日本のフード写真とは「伸びる条件」がだいぶ違うな、と日々感じます。 同じ料理でも、 ・余白たっぷりで、落ち着いたトーンの写真よりも ・お皿からはみ出しそうなくらい寄っていて ・色もコントラストもパキッと強めに出ている写真 の方が、明らかに「滞在時間」が伸びることが多いです。 今日は、インバウンド集客や海外向けECを考えている方向けに、「英語圏SNSで伸びやすいフード写真の撮り方」を、フードカメラマン太田笙子の視点でまとめてみます。 ◻︎日本の「余白の美」と、英語圏の「情報密度」の違い 日本のフード写真文化は、やはり「余白」がキーワードです。器と料理のバランス、背景との距離感、置き方の美しさ…。 少し引き気味で、全体の調和を見せるカットが好まれます。 一方で、英語圏のSNS(特にアメリカ・カナダ・オーストラリアあたり)を眺めていると、 ・画面いっぱいに料理が埋まっている ・ソースがとろりと手前に流れ出している ・チーズや油のツヤがはっきり見える ・背景はほぼ見えないくらい寄っている こんな「情報ぎゅっと詰め込み型
笙子 太田
2025年12月10日読了時間: 5分


海外ECは「手の出演」で売上が変わる人の手・人の動きが入った写真が“リアル感”をつくる理由
海外向けにECをされているお客様と打ち合わせをしていると、よくこんなご相談をいただきます。 「商品写真はちゃんと撮っているのに、海外のお客様の反応がいまひとつなんです」 そのとき、私が必ずチェックするのが「人の手」や「人の動き」が写っている写真が、どれくらいあるか。 海外ECでは、商品だけをきれいに撮った写真よりも、人の手がそっと入っていたり、実際に使っている様子がわかる写真の方が、売上に直結しやすい傾向があります。 今日は、なぜ「手の出演」が海外ECで効くのか、フードカメラマンとしての経験からお話しします。 なぜ「手の出演」が海外ECに効くのか 海外のお客様にとって、日本から届く商品は「遠くの国から来る未知のもの」です。 ・本当に写真どおりのサイズ感なのか・自分の生活に馴染むのか・難しそうな商品ではないか そういった不安を、写真の中の「人の気配」が和らげてくれます。 人の手が少し入るだけで、こんな情報が一瞬で伝わります。 ・手との対比で「サイズ感」がわかる ・持ち方・使い方のイメージが湧く ・“誰かが実際に使っている”という安心感が生まれる..
笙子 太田
2025年12月9日読了時間: 5分


商品写真にも “安心感” を出す構図が必要
アレルゲン表示・原材料の透明性が必須と言われるようになって久しいですが、その流れはもちろん「写真」にも静かに波及しています。 「おいしそう」に見せるだけでは足りなくて、「この商品、本当に安心して食べられるのかな?」という不安を、写真の中で少しでも和らげてあげる必要がある。 最近のインバウンド案件を撮影していると、ひしひしとそう感じます。 ◻︎アレルギー時代の“おいしそう”は「安心」とセット 海外のお客様ほど、アレルギーや宗教的な制約を抱えていることが多いです。 ・ナッツアレルギーの子どもを持つご家族・グルテンを避けている方・ハラール対応かどうかを気にするムスリムのお客様 こういった方たちは、メニューの文字情報だけでなく「写真」からも、実はかなり情報を読み取ろうとします。 ・何が入っていそうか・どこまで加工食品か、生素材か・油っぽすぎないか、清潔に扱われていそうか つまり、アレルゲン表示や原材料の透明性が大切な時代では、商品写真にも「安心感」を出す構図が必須条件になってきている、ということです。 ◻︎安心感のある写真に共通する3つの要素...
笙子 太田
2025年12月8日読了時間: 5分


ヨーロッパは“伝統”を重視。木のテーブルや自然素材の小物が刺さる理由
ヨーロッパのお客様向けにフード写真を撮るとき、必ず意識しておきたいキーワードのひとつが「伝統」です。 同じインバウンド写真でも、アメリカやアジア向けとは少し違って、「歴史」「手仕事」「受け継がれてきた暮らし」の空気が写真の中にあるかどうかが、ヨーロッパではとても大事になってきます。 その“伝統らしさ”をわかりやすく表現してくれるのが、木のテーブルや自然素材の小物です。 なぜヨーロッパは「伝統」に弱いのか ヨーロッパには、何百年も続く老舗レストランや、家族経営の小さなビストロ、ワイナリー、パン屋さんが当たり前のように存在します。 彼らにとって「長く続いていること」「手作業で丁寧に作られていること」は、それだけで価値であり、“安心感”そのものです。 だからこそ、写真の中にも次のような空気があると、ヨーロッパの方の心に届きやすくなります。 時間をかけて育てられた木のテーブルの質感 使い込まれたカトラリーや器の「味」 亜麻(リネン)のランチョンマットや麻布のさりげないシワ 籐(ラタン)や竹、陶器などの自然素材 こういった要素は、「大量生産のチェーン店」で
笙子 太田
2025年12月7日読了時間: 5分


AI時代にも「フードカメラマン」が必要な理由
結論: 食の専門性と“目利き”は、AIでは置き換えられない AIで写真が作れてしまう時代になり、 「もうカメラマンはいらないのでは?」 そんな声を耳にすることが増えました。 ただ、私はむしろ逆だと感じています。 “ただ撮るだけのカメラマンは淘汰される” けれど、 “食の専門性を持ったフードカメラマンはますます必要になる” というのが、フード撮影の現場で日々仕事をしている私の実感です。 ここでは、なぜ今の時代にこそプロのフードカメラマンが必要なのかを、現場の視点からお伝えしたいと思います。 ■ 1. 「撮るだけ」の仕事は、真っ先にAIが代替する AIは、均一でミスの少ない“正しい画像”をつくるのが得意です。 もし「白背景で商品を撮ってほしい」だけなら、AIで十分に対応できる時代が来るでしょう。 だからこそ、これからのカメラマンに求められるのは、 「構図」+「光」+「色」+「文化的背景」の理解 商品の“魅力の翻訳” 店舗・ブランドの世界観づくり ターゲット国によって異なる色彩心理の調整 といった “解釈と編集” という専門性です。 AIは便利な道具で
笙子 太田
2025年12月6日読了時間: 4分


シンガポールは「清潔感」が最優先。背景を白くすると、なぜこんなに評価が上がるのか
シンガポール向けのメニュー写真や広告写真を撮るとき、いちばん意識したいキーワードは「清潔感」です。 同じ料理でも、 ・少し暗めの木目テーブル+小物たくさんの写真と、 ・白っぽい背景にすっきり置いた写真 このふたつを見比べると、シンガポールのお客様は、ほぼ確実に「白背景で、すっきりしたほう」を選びます。 今日は、インバウンド向けフードカメラマンの太田笙子として、シンガポール市場を意識したときに「なぜ白背景が強いのか」「どんな撮り方が響きやすいのか」を、できるだけ実践的にまとめてみます。 ◻︎シンガポールで「清潔感」が最優先される理由 シンガポールと聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのが「街のキレイさ」ではないでしょうか。ごみひとつ落ちていない街並み、徹底されたルール、衛生状態への強いこだわり。 この「清潔であること」は、実は食の写真にもそのまま持ち込まれます。 ・衛生的に感じるか・安全そうに見えるか・信頼できる店かどうか シンガポールのお客様は、これらをかなりシビアに写真から判断します。どれだけ料理がおいしくても、写真から少しでも「汚れ」「雑さ」「
笙子 太田
2025年12月5日読了時間: 6分


アメリカは「シズル感」がすべて。湯気・油のテカリ・盛りすぎくらいでちょうどいい理由
インバウンド向けのメニュー写真を撮っていると、「日本人向けに撮った写真」と「アメリカのお客様向けに刺さる写真」が、驚くほど違うなと日々感じます。 結論から言うと、アメリカ市場では 湯気 油のテカリ ちょっと“盛りすぎ”なくらいのボリューム感 この3つがそろってはじめて、「This looks so good!(これ、めちゃくちゃ美味しそう!)」と解釈されやすい、という感覚があります。日本の「上品で控えめな美味しさ」とは、まったく別の軸なんですよね。 ここでは、「日本の食を世界に届けるフードカメラマン」として、アメリカ向けに写真を作るときに、どんな“シズル感”を意識しているかをまとめてみます。 ■ なぜアメリカは「シズル感」が最重要なのか アメリカのフード広告やメニュー写真を見ていると、共通しているのは「静かな美しさ」よりも、「勢い」と「ボリューム」の伝わりやすさです。 コントラスト強めの色 大きく・近く・迫ってくる構図 目で見て温度や匂いを想像できるシズル この3つが、安心感や“お得感”と直結しています。日本の感覚だと「ちょっと脂っこそう」「派手
笙子 太田
2025年12月4日読了時間: 6分
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