ヨーロッパは“伝統”を重視。木のテーブルや自然素材の小物が刺さる理由
- 笙子 太田
- 2025年12月7日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年12月10日
ヨーロッパのお客様向けにフード写真を撮るとき、必ず意識しておきたいキーワードのひとつが「伝統」です。
同じインバウンド写真でも、アメリカやアジア向けとは少し違って、「歴史」「手仕事」「受け継がれてきた暮らし」の空気が写真の中にあるかどうかが、ヨーロッパではとても大事になってきます。
その“伝統らしさ”をわかりやすく表現してくれるのが、木のテーブルや自然素材の小物です。
なぜヨーロッパは「伝統」に弱いのか
ヨーロッパには、何百年も続く老舗レストランや、家族経営の小さなビストロ、ワイナリー、パン屋さんが当たり前のように存在します。
彼らにとって「長く続いていること」「手作業で丁寧に作られていること」は、それだけで価値であり、“安心感”そのものです。
だからこそ、写真の中にも次のような空気があると、ヨーロッパの方の心に届きやすくなります。
時間をかけて育てられた木のテーブルの質感
使い込まれたカトラリーや器の「味」
亜麻(リネン)のランチョンマットや麻布のさりげないシワ
籐(ラタン)や竹、陶器などの自然素材
こういった要素は、「大量生産のチェーン店」ではなく、「歴史ある良い店」に見えるための大事なピースになります。
木のテーブルが“伝統”を語ってくれる
テーブルの素材は、写真全体の世界観を決める「ステージ」です。インバウンド向けの撮影でも、ヨーロッパを意識するなら、ツルツルの樹脂テーブルや無機質な白い板よりも、木目の見えるテーブルがおすすめです。
木のテーブルが与えてくれる印象はこんな感じです。
経年変化のある木目 → 「歴史」「職人の手仕事」を感じる
少し濃いめのブラウン → 赤ワインや煮込み料理との相性が良く、しっとりした雰囲気になる
北欧っぽい明るい木目 → 自然光と合わせると、清潔感と温かさが同時に出せる
もちろん、お店のブランドイメージにもよりますが、「和食をヨーロッパ富裕層に見せたい」「醤油や味噌、発酵食の“伝統”を伝えたい」といった場合には、木のテーブルはほぼ鉄板の選択肢です。
自然素材の小物が“物語”を足してくれる
テーブルだけでなく、小物選びもヨーロッパ向けではとても重要です。
おすすめは、次のような「自然素材」たちです。
リネンやコットンのナプキン
木製のカトラリー、カッティングボード
陶器やストーンウェアの器
籠(パンバスケット)、藁や麻ひものラッピング
鉄鍋や銅鍋など、使い込まれた調理器具
たとえば、日本の味噌汁を撮るときでも、
・光沢の強いステンレスのトレイ+白プラ椀よりも・木のトレイ+漆器+リネンのランナー
のほうが、ヨーロッパの人には「伝統的な一杯」に見えます。
小物ひとつで、「安価なファストフード」か「歴史ある一膳」かが変わってしまうのは、フードフォトの面白くも怖いところです。
地域別の“伝統らしさ”の違いを意識する
ヨーロッパと一口に言っても、国ごとに好みのテイストは少し違います。
フランス・ベルギーあたり
ビストロのような木のテーブル+リネンのクロス
少し彩度を落とした落ち着いたトーン
イタリア・スペイン
素焼きの器、オレンジや赤ワイン色のあたたかいトーン
にぎやかさよりも「家族で囲む温かさ」を感じるスタイリング
北欧
明るい木目+白い器+グレーや薄いブルー
「静けさ」「光」「余白」がキーワード
日本の料理を撮るときも、「どの国の人に特に響かせたいか」で、小物の素材や色を少し変えてあげると、伝わり方がぐっと良くなります。
「伝統」だけに寄せすぎないバランスも大事
とはいえ、「伝統」を意識しすぎると、・なんだか古くさく見える・高級感よりも“田舎感”が強く出てしまう
という落とし穴もあります。
バランスを取るポイントは、
木のテーブルでも、汚れはしっかり拭き取る(汚れと“味”は別物)
小物を盛り込みすぎず、「余白」を残す
古道具だけでなく、少しだけモダンな要素(真っ白な器やガラス)を混ぜる
ライティングは暗くしすぎず、「今の時代の写真」に見える明るさをキープする
このあたりを意識すると、「クラシックだけど古くない」「今の時代にアップデートされた伝統」の雰囲気になります。
インバウンド集客を狙うなら「テーブルから設計する」
私はフードカメラマンとして、インバウンド向け・海外向けの撮影を数多く担当してきましたが、ヨーロッパのお客様に刺さった事例の多くは、料理そのもの以上に「テーブルの世界観」が強く作用していました。
同じ料理でも、木のテーブルに変えた途端に予約数が増えたレストラン
自然素材の小物を足しただけで、「日本の“クラフト感”が伝わる」と海外バイヤーから評価が上がった食品メーカー
写真は、料理の“味”そのものは伝えられません。
その代わりに、「どんな歴史を持った一皿なのか」「どんな人が丁寧に作っているのか」というストーリーを、テーブル全体で見せることができます。
ヨーロッパ向けの写真を考えるときは、まずは料理ではなく「テーブルと小物」から設計してみてください。
どんな木のテーブルが合うだろう?
どんな自然素材なら、ブランドの世界観と相性が良いだろう?
どの国の人に一番響かせたいだろう?
このあたりを整理しておくだけで、撮影の仕上がりと反応が大きく変わってきます。
まとめ:ヨーロッパのお客様に届く“日本の伝統”を一緒に形に
太田笙子(フードカメラマン/株式会社Light&Green)として、「日本の食を、世界にきちんと届く形で見せたい」という想いで、インバウンド向けのフード撮影やセミナーを行っています。
ヨーロッパの富裕層に響く和食写真を撮りたい
自社商品の“伝統”や“物語”を、自然素材を使った写真で表現したい
海外バイヤー向けの資料やECサイトのビジュアルを整えたい
そんなご相談があれば、ぜひ一度お話ししましょう。
お問い合わせはこちらhttps://www.foodphoto-shoko.com/contact






コメント