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和菓子は"正面"を間違えると伝わらない
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 「和菓子に正面なんてあるの?」 そう思った方も多いのではないでしょうか? 私もフード撮影の仕事を始めるまでは、そこまで深く意識したことはありませんでした。 先日、和菓子の撮影をしていたときのことです。 お皿の向きや懐紙の折り方を確認しながら準備を進めていると、「この和菓子は、こちらが正面です」と教えていただきました。 その瞬間、改めて感じたのです。 和菓子は「食べ物」である前に、「作品」でもあるのだと。 そして、その作品を写真に残すのであれば、作り手が見せたい姿を理解して撮ることがとても大切なのだと実感しました。 ■ 和菓子には「見せたい向き」がある 洋菓子は360度どこから見ても美しく見えるように作られることが多いですが、和菓子には正面が意識されているものが少なくありません。 例えば、桜を表現した練り切りなら花びらが一番美しく見える向きがあります。 紅葉を表現したものなら、葉脈の流れや色の重なりが最も映える角度があります。 羊羹や上生菓子でも、職人さんは「お客様が最初に
笙子 太田
7 日前読了時間: 4分


【公式ECサイトオープン】料理を主役にする器。「映え皿」のオンラインショップがオープンしました!
こんにちは。株式会社Light&Green代表・インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 いつも株式会社Light&Greenを応援いただき、本当にありがとうございます。 昨日、プレスリリース配信のお知らせをしましたが。。。 このたび、かねてより準備を進めておりました公式ECサイトが、本日ついにオープンいたしました! これまで私はフードカメラマンとして、1,000件を超える料理・食品撮影に携わってきました。 撮影現場では、料理をどうライティングするか、どの角度から撮るか、どんな背景を選ぶかなど、さまざまな工夫を重ねています。 でも、その中で何度も感じてきたことがあります。 それは、「料理の印象を最も大きく左右するのは器かもしれない」ということです。 同じ料理でも、器が変わるだけで高級感が生まれたり、温かみを感じたり、思わず「美味しそう」と感じる一皿になったりします。 逆に、どれだけ美味しい料理でも、器との相性が合っていないだけで、その魅力が十分に伝わらないこともあります。 だからこそ、このショップでは「美しい器」を集めるのでは
笙子 太田
8月1日読了時間: 3分


【プレスリリース配信】止まらない原材料高騰。価格ではなく「料理の価値」を伝える“器”の販売を開始しました
こんにちは。株式会社Light&Green代表・インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 このたび、弊社の新しい取り組みについて、PR TIMESよりプレスリリースを配信いたしました。 今回発表したのは、「料理を美しく見せる器」をセレクト・販売する新しいプロジェクトです。 「なぜフードカメラマンが器を販売するの?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。 実は、この取り組みは私がこれまで1,000件以上の料理・食品撮影に携わる中で、ずっと感じ続けてきたことから生まれました。 同じ料理なのに、器が変わるだけで「高級そう」「食べてみたい」「このお店に行ってみたい」という印象が驚くほど変わる。 撮影現場では何度もそんな瞬間を目の当たりにしてきました。 料理写真を撮る仕事をしていると、ライティングや構図以上に、「どんな器に盛り付けるか」が料理全体の印象を左右する場面が数多くあります。 つまり、料理の価値を最も引き出しているのは、実はカメラではなく器なのではないか。 そんな思いが年々強くなっていきました。 今、飲食業界や食品業界では
笙子 太田
7月31日読了時間: 3分


懐紙の折り方一つで慶事と弔事が変わる〜フードカメラマンが撮影現場で学んだ日本文化〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 撮影では構図ばかり気にしてしまいがちですが、日本文化には「知らなかった」では済まされないルールがあります。 先日、和菓子の撮影をしていたときのことです。 お皿やお菓子の向きはもちろんですが、添える懐紙(かいし)の折り方について改めて確認していました。 すると、「懐紙って折り方にルールがあるんですか?」と驚かれたんです。 実は、懐紙はただの白い紙ではありません。 折り方一つで、お祝いの席なのか、お悔やみの席なのかという意味まで変わってしまうことがあります。 私はフードカメラマンとして和菓子や和食の撮影をする機会も多いのですが、日本文化を正しく理解して撮影することも、大切な仕事の一つだと感じています。 懐紙の折り方で意味が変わる 懐紙は茶道や和菓子の世界で古くから使われてきた紙です。 料理やお菓子を置いたり、取り皿代わりにしたり、口元を拭いたりと、用途はさまざまです。 一見するとどれも同じ白い紙に見えますが、実は折り方には意味があります。 一般的には、上側が手前に重なる折り方
笙子 太田
7月29日読了時間: 4分


なぜシズル写真を見るとお腹が空くのか?〜「美味しそう」は、料理ではなく脳が作っている〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 夜中にスマートフォンでSNSを見ていたら、ラーメンの写真が流れてきて急にお腹が空すいた。 テレビで焼肉のCMを見たら、「今日は焼肉にしよう」と思った。 そんな経験はありませんか? 実はその時、あなたは料理を食べていません。 それなのに、お腹が空いています。 この現象こそが、シズル写真(動画)の力です。 私はフードカメラマンとして数多くの料理写真を撮影していますが、「美味しそう」という感情は、料理そのものではなく、脳が作り出しているものだと日々感じています。 「シズル」とは何か? 「シズル(Sizzle)」という言葉は、もともと肉を焼いたときの「ジュージュー」という音を表す英語です。 マーケティングの世界では、その言葉が転じて、「食欲をかき立てる演出」全般を意味するようになりました。(私も最初は「しずる」って何者?!よくわからん!と思っていました) つまりシズル写真とは、単に料理を記録した写真ではありません。 見た人が思わず、 「食べたい」「美味しそう」「今すぐ行きたい
笙子 太田
7月23日読了時間: 4分


世界から見ると日本人は食に熱狂する民族
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、テレビ番組で海外の方々が日本の食文化について語っている場面を見ました。 その中でとても印象的だったのが、 「日本人ほど食べ物に詳しい国民を見たことがない」 という言葉でした。 たしかに言われてみると、日本人は食べ物について驚くほど細かく語ります。 牛肉ひとつとってもそうです。 ロース、サーロイン、リブロース、肩ロース、イチボ、ランプ、ミスジ、カイノミ。 焼肉屋さんで当たり前のように部位を指定して注文します。(トルコでは牛肉は「牛肉」だけで部位に分けて認識しないようです) さらに寿司屋では、 「今日は中トロより赤身が美味しいね」 という会話まで飛び交います。 もちろん海外にも肉の部位の分類はあります。 しかし、日本のように一般消費者レベルまで浸透している国は決して多くありません。 海外から見ると、日本人はかなり特殊なほど食べ物に興味を持つ民族に映るようです。 「2時間待ちだけど食べたい」が成立する国 日本を訪れた外国人が驚くことのひとつに、行列文化があります。...
笙子 太田
7月8日読了時間: 5分


なぜ海外で発酵食品が人気なのか?麹甘酒が世界で注目される理由
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影を担当させていただきました。 撮影中にクライアントの方から興味深いお話を聞いたんです。 「海外では発酵食品がブームなんですよ。コンブチャを毎日飲んでいる人も多いんです。」 私は海外向けの食品撮影に携わる機会が多いので、発酵食品への関心が高まっていることは何となく感じていました。 でも改めて考えてみると、とても面白い現象です。 なぜ今、世界中の人たちが発酵食品に注目しているのでしょうか。 実はそこには、日本人が見落としがちな大きな価値が隠れていました。 コストコ時代に求められていた「クリーンラベル」 実は私、フードカメラマンになる前は食品メーカーで営業をしていました。 担当していた取引先のひとつがコストコのデリカ部門です。 商品提案をする際によく求められたのが、「クリーンラベル」であることでした。 クリーンラベルとは、保存料や着色料などの添加物をできるだけ使用せず、消費者が理解しやすいシンプルな原材料で作られた食品のことです。 当時は正直、「そこまで気にする
笙子 太田
7月6日読了時間: 5分


冷蔵庫から出したチョコレートは、すぐ撮影してはいけない理由〜プロのフードカメラマンが最初に行う「温度を待つ」という仕事〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 チョコレートの撮影現場で、初めて立ち会われたお客様から聞かれる言葉があります。 「冷蔵庫から出したので、すぐ撮影できますよ。」 一見すると、とても自然な流れに思えます。 でも実は、私はその場ですぐにシャッターを切ることはほとんどありません。 むしろ、少し待つことがあります。 「せっかく早く準備したのに、なぜ?」 そう思われるかもしれません。 実は、この数分の待ち時間が、高級チョコレートの見た目を大きく左右することがあるのです。 冷たいチョコレートには「結露」が起こる 夏に冷たい飲み物をテーブルへ置くと、グラスの表面に水滴が付きますよね。 チョコレートも同じです。 冷蔵庫から出したばかりのチョコレートは表面温度が低いため、暖かく湿った空気に触れると空気中の水分が表面に付着します。 これが「結露」です。 肉眼ではほとんど分からないほど小さな水滴でも、高画質で撮影すると光を乱反射させ、チョコレート本来の美しい艶を失わせてしまいます。 さらに、この水分は撮影後にも影響を及ぼします。
笙子 太田
7月3日読了時間: 4分


チョコが白くならない撮影方法|温度管理の裏側
高級チョコレートの価値を守る、フードカメラマンの現場ノウハウとは こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 高級チョコレートの撮影現場で、クライアントからよくいただくご相談があります。 「撮影しているうちにチョコが白っぽくなってしまいました。」 せっかく美しい艶があったのに、撮影が終わる頃には表面が白く曇ってしまう。 そんな経験はありませんか? 実はこれは、撮影技術ではなく温度管理が大きく関係しています。 高級チョコレートほど繊細だからこそ、撮影前の準備や撮影中の環境づくりが、商品の印象を大きく左右します。 今回は、フードカメラマンが現場で実践している「チョコが白くならない撮影方法」をご紹介します。 白くなる原因は「カメラ」ではなく「温度」 チョコレートの表面が白く見える現象は、一般的に「ブルーム現象」と呼ばれます。 代表的なものには、カカオバターが表面に浮き出るファットブルームと、水分が関係するシュガーブルームがあります。 急激な温度変化や湿度の影響によって起こることが多く、味や安全性に大きな問題はないものの、高
笙子 太田
7月1日読了時間: 5分


なぜ人は成分ではなく物語で食べ物を選ぶのか
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影をしていた時のことです。 商品の開発背景を伺っていると、こんなお話を聞きました。 「もともと甘いものが止まらなかったんです。」 クッキーやチョコレートを毎日のように食べていた女性が、ある日甘酒に出会った。 そして少しずつ生活が変わっていった。 私はその話を聞いた瞬間に思いました。 人は商品を買っているようで、実は物語を買っているのではないか、と。 もしこれが、 「米麹100%です」「砂糖不使用です」 という説明だけだったらどうでしょう。 もちろん商品の魅力は伝わります。 でも正直なところ、記憶には残りにくいかもしれません。 一方で、 「甘いものがやめられなかった女性が出会った甘酒」 と言われると、少し気になりませんか。 そこには人の人生があるからです。 私たちは成分表で商品に惹かれない 考えてみると不思議な話です。 スーパーには似たような商品が並んでいます。 同じような原材料。 同じような価格帯。 同じようなパッケージ。 それでも売れる商品とそうでない商品
笙子 太田
6月30日読了時間: 5分


フードカメラマンに必要なのは、カメラより食体験かもしれない
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 タイトルをみて、「え?!そんなわけある??!」と思ったかもしれません。 ちょっと言い過ぎ感もありますが、そう思わされる出来事がありました。 先日、少し変わった撮影のご依頼がありました。 撮影するのは料理そのものではなく、カクテルシェイカーやカクテルグラス。 バーやカクテル文化に関わるビジュアル制作のお仕事でした。 撮影前の打ち合わせでクライアントの方がこんなことをおっしゃったんです。 「普段ビールしか飲まないので、カクテルのことがよく分からなくて……。太田さんがお酒好きで良かったです。」 その言葉を聞いたとき、ふと思いました。 もしかするとフードカメラマンに必要なのは、カメラの知識だけではないのかもしれない、と。 カクテルを知らなければ、カクテルは撮れない 例えばカクテルグラスを撮るとき。 マティーニとモヒートでは、求められる空気感がまったく違います。 マティーニなら静かで洗練された大人の世界。 モヒートなら爽快感や開放感。 同じグラスの写真でも、「どんな場面で飲まれるもの
笙子 太田
6月29日読了時間: 5分


料理は音でも美味しくなる〜なぜポテトチップスの「パリッ」は食欲を刺激するのか〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 突然ですが、想像してみてください・・・ ポテトチップスを一枚口に入れます。 「パリッ」 という音が聞こえます。 次に、しけってしまったポテトチップスを食べます。 「ふにゃっ」 どうですか? 同じ味がしますか・・・? ちなみに私はしないです・・・。 実際、ポテトチップスそのものの原料や味付けはほとんど変わっていない場合でも、私たちは音によって美味しさを判断しています。 つまり、人は舌だけで食べているのではありません。 耳でも食べているのです。 美味しさは五感で作られている 以前このブログで、 目隠しをすると味が感じにくくなる話。 高級レストランが照明を暗くする理由。 器の色によって味の感じ方が変わる話。 などをご紹介してきました。 実は音も同じです。 人間の脳は、 味覚、視覚、嗅覚、触覚、聴覚 をまとめて処理し、「美味しい」という体験を作っています。 だから料理そのものが同じでも、聞こえる音が違うだけで評価が変わることがあるのです。 なぜ揚げたての
笙子 太田
6月23日読了時間: 4分


クッキーがやめられなかった女性が、甘酒に出会った話
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影をさせていただきました。 撮影のために商品のことを伺っていると、クライアントの女性がこんなお話をしてくださいました。 「もともと私、甘いものが止まらなかったんです。」 クッキー。 チョコレート。 ケーキ。 仕事のストレスでつい手が伸びてしまう。 食べている瞬間は幸せだけれど、あとで少し罪悪感もある。 体重も増えてしまうし、お肌も荒れてきてしまう・・・ そんな毎日を過ごしていたそうです。 その時の私は思わず頷いてしまいました。 というのも、私自身も甘いものがやめられない時期がありました。 ストレスがたまると甘いものが欲しくてたまらなくなる。。。女性に多いのではないでしょうか? 「甘いものがやめられない」という感覚は決して特別なことではないと感じています。 出会いは、一杯の甘酒だった そんなある日、その方は麹甘酒に出会ったそうです。 最初は健康のためだったのかもしれません。 あるいは誰かに勧められたのかもしれません。 でも飲み続けるうちに、不思議な変化が起きま
笙子 太田
6月22日読了時間: 3分


美味しい料理と、美味しそうな料理は違う
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日の撮影で、ラーメンに使う「テボ(麺を茹でたり湯切りをしたりする道具)」の撮影がありました。 湯切りをするシーンも撮影する予定だったのですが、その動作を弟子でもあるフードカメラマンにお願いしました。 すると、さすが撮影者。 湯切りをする角度。 お湯が飛ぶ方向。 飛沫が光を受けて綺麗に見える立ち位置。 すべてが絶妙だったのです。 その様子を見ながら、改めて思いました。 「美味しい料理」と「美味しそうな料理」は、実は少し違うのだと。 美味しいだけでは伝わらない もちろん料理そのものが美味しいことは大前提です。 でも、写真や動画では味を伝えることができません。 伝えられるのは視覚だけです。 例えばラーメン屋さんで見かける豪快な湯切り。 実際には湯切りの一瞬ですが、写真ではその飛び散る飛沫が躍動感を生みます。 湯気が立ち上がる様子は熱々感を伝えます。 麺が持ち上がる角度ひとつでコシがありそうに見えたり、柔らかそうに見えたりします。 味は変わっていません。 変わるのは見え方です。.
笙子 太田
6月19日読了時間: 3分


AIで画像加工できる時代に、カメラマンは何を売るのか
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、お客様との打ち合わせや撮影現場でこんなご相談をいただくことが増えました。 「この商品の色だけ変えられますか?」 「背景を合成できますか?」 「あとで別の商品を追加できますか?」 数年前であれば、こうしたご要望はPhotoshopで一つひとつ丁寧に作業する必要がありました。 ところが今は違います。 先日も撮影後に画像加工の依頼をいただいたのですが、試しに生成AIのGeminiを使ってみたところ、驚くほど短時間で作業が完了しました。 以前なら30分〜1時間かかっていた作業が数十秒。 正直、「これはすごい時代になったな」と思いました。 では、AIがここまで進化した今、カメラマンの仕事はなくなるのでしょうか。 私はむしろ逆だと思っています。 AIは画像を作れる。でも「正解」は教えてくれない 生成AIは非常に優秀です。 背景を変えることもできます。 商品の色を変えることもできます。 不要なものを消すこともできます。 ただし、AIは「何を作るべきか」は決めてくれません。 例えば海
笙子 太田
6月17日読了時間: 4分


売れる食品には必ず「主人公」がいる
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 これまで数え切れないほどの食品や料理を撮影してきました。 高級レストランのコース料理。 地方の特産品。 老舗の和菓子。 新しく立ち上がった食品ブランド。 その中で気づいたことがあります。 売れる食品には、必ず「主人公」がいる。 ということです。 もちろんここでいう主人公とは、商品のことではありません。 実は、商品そのものが主人公になっているケースは意外と少ないのです。 商品は脇役かもしれない 食品の紹介というと、私たちはつい商品の特徴を説明しがちです。 糖度が高い。 無添加である。 有機栽培である。 栄養価が高い。 もちろん、それらは大切な情報です。 でも、それだけで人の心が動くとは限りません。 例えば、同じ傷のついたりんごがあったとします。 「規格外のりんごです」 と言われると、少し価値が下がったように感じるかもしれません。 でも、 「去年の猛暑の中、農家さんが必死に守り抜いたりんごです」 と言われたらどうでしょう? 急に見え方が変わりませんか。 応援したくなる人もいると
笙子 太田
6月15日読了時間: 5分


クリスマスケーキ撮影は夏から始まる。12月の商品なのに、なぜ8月に撮るの?
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、ある撮影現場でお客様と雑談をしていた時のことです。 「この時期になると毎年いちごを探しているんですよね。」 何気なくそうお話ししたところ、お客様がとても驚いた表情でこうおっしゃいました。 「え?いちごですか?今6月ですよね?」 たしかに普通に考えればそうです。 スーパーにいちごが並ぶのは冬から春にかけて。6月にいちごを探していると言われても、不思議に思うのは当然です。 でも、フードカメラマンの世界では実は珍しい話ではありません。 なぜなら、クリスマスケーキの撮影は夏から始まるからです。 今日は、あまり知られていないクリスマス商戦の裏側についてお話ししたいと思います。 お客様がクリスマスを意識する頃には、すでに準備は終盤 一般のお客様がクリスマスケーキを意識し始めるのは10月から11月頃ではないでしょうか。 街にイルミネーションが増え始め、百貨店やホテルのクリスマスケーキ予約が始まる頃です。 しかし、その頃に撮影をしていては間に合いません。 クリスマスケーキの写真は、撮
笙子 太田
6月14日読了時間: 5分


海外では"黒い食べ物"が売れにくいって本当?フードカメラマン・太田笙子が考える「色と文化の翻訳」
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、海外向け商品撮影の打ち合わせでこんな相談を受けました。 「黒ごまの商品なんですが、海外でもこのまま売れるでしょうか?」 海外展開を考える食品メーカーさんからよくいただく質問です。 答えは「商品次第ではなく、見せ方次第」なのですが、その話をする前に、まず知っておいてほしい前提があります。 日本では日常的に食べられている黒い食べ物(黒ごま、ひじき、海苔、イカ墨、竹炭スイーツなど)が、海外では必ずしも同じように受け入れられるとは限らない、ということです。 日本人にとって「黒」は美しさの色 まず日本人の感覚から整理してみます。 日本において黒は、ネガティブな色ではありません。 黒塗りの漆器には高級感があり、高級和食店でも黒い器はよく使われています。海苔や黒ごまは日常の食卓に当たり前のように並んでいます。 上質、洗練、職人技、和の美しさ・・・日本人にとって黒はそういったイメージと結びついています。 私自身、料理撮影で黒い背景や黒い器をよく使うのも、料理が引き締まって見えるし、和
笙子 太田
6月12日読了時間: 4分


白い皿の方がデザートは甘く感じる?黒いお皿だと・・・?
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、お客様との打ち合わせで器の話になりました。 「料理の味は同じなのに、お皿を変えたら美味しそうに見えたんです」 思わず「そうなんですよ!」とテンション上がってしまいました。 面白いことに、お皿を変えると見た目だけではなく、味の感じ方まで変わることがあります。 今日はそんな「器の色と味覚」の不思議なお話です。 同じケーキなのに甘さが変わる? 同じショートケーキを、白い皿と黒い皿にそれぞれのせたとします。 料理は何ひとつ変えていない。変わるのは皿の色だけ。 それなのに、受け取る印象はまったく違います。 これは感覚的な話ではなく、研究でも報告されていることです。 近畿大学農学部の冨田圭子准教授らは、「背景色とおいしさ」の関係を「喫食環境とおいしさの科学」として体系的にまとめており、2025年6月の第56回日本色彩学会全国大会では、皿のリムの色や太さが料理の量感に影響を与えることも発表されています。 (出典:近畿大学農学部 教員業績管理システム) つまり私たちは、器の色から「
笙子 太田
6月11日読了時間: 5分


私が全国に100名あまりのフードカメラマンチームを作った理由
(カメラマンの働き方改革と、女性の出産育児を支えたいという想い) フードフォトグラファーとして活動していると、撮影の方法や技術の話をされることが多いのですが、私が本気で大切にしているテーマはもうひとつあります。 それは 「カメラマンが無理なく、続けられる働き方をつくること」 です。 いま、私の会社・株式会社Light&Green では、全国に約100名ほどのフードカメラマンが在籍し、撮影チームとして動いています。 これは、事業拡大のためだけではなく、むしろ “どうすればカメラマンが健康に、長く、誇りを持って働けるか” を考え続けて辿り着いた形です。 今日は、その背景について、少し個人的なことも交えながら書いてみようと思います。 ■ カメラマンの仕事は「好きなだけ」では続かない カメラマンの世界は魅力にあふれています。 光を読み、食材が一番美しく見える瞬間を探し、お客様と一緒に「売れる写真」を作る。 私自身、この仕事が心から好きです。 しかしその一方で、 「長時間労働」 「スケジュールの読みにくさ」 「収入の安定しづらさ」 といった課題を抱える人も
笙子 太田
2025年11月30日読了時間: 4分
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