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チョコが白くならない撮影方法|温度管理の裏側

  • 執筆者の写真: 笙子 太田
    笙子 太田
  • 7月1日
  • 読了時間: 5分

高級チョコレートの価値を守る、フードカメラマンの現場ノウハウとは

こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。

高級チョコレートの撮影現場で、クライアントからよくいただくご相談があります。


「撮影しているうちにチョコが白っぽくなってしまいました。」


せっかく美しい艶があったのに、撮影が終わる頃には表面が白く曇ってしまう。

そんな経験はありませんか?


実はこれは、撮影技術ではなく温度管理が大きく関係しています。

高級チョコレートほど繊細だからこそ、撮影前の準備や撮影中の環境づくりが、商品の印象を大きく左右します。

今回は、フードカメラマンが現場で実践している「チョコが白くならない撮影方法」をご紹介します。



白くなる原因は「カメラ」ではなく「温度」

チョコレートの表面が白く見える現象は、一般的に「ブルーム現象」と呼ばれます。

代表的なものには、カカオバターが表面に浮き出るファットブルームと、水分が関係するシュガーブルームがあります。

急激な温度変化や湿度の影響によって起こることが多く、味や安全性に大きな問題はないものの、高級チョコレートでは見た目の品質が大きく損なわれてしまいます。


ECサイトでは、お客様はまず写真を見て商品を判断します。

本来は艶やかなチョコレートなのに、写真では白っぽく見えてしまえば、

「古い商品なのかな」「保管状態が悪かったのかな」と誤解される可能性もあります。

つまり、撮影時の温度管理はブランド価値そのものを守る仕事なのです。



撮影現場では「出しっぱなし」にしない

撮影の担当になりたての方が驚かれることの一つが、「商品をずっと机の上に置いて撮影することはほとんどない」ということです。

私は撮影現場でチョコレートを撮るとき、必要な分だけを取り出し、それ以外は適切な環境で保管します。

ライティングを調整している間や構図を考えている時間も、商品をそのまま放置することはありません。

照明には熱を持つ機材もありますし、室温が少し上がるだけでもチョコレートには大きな負担になります。

撮影の段取りを先に決めておくことで、商品が室温にさらされる時間をできるだけ短くするよう心掛けています。

これは撮影時間を短縮するためではなく、「商品の品質を守るため」の工程です。



指紋もブランドイメージを左右する

チョコレートは温度だけでなく、人の体温にも非常に敏感です。

素手で持つだけでも表面がわずかに溶け、指紋が残ってしまうことがあります。

肉眼では気付かなくても、高解像度で撮影すると意外なほどはっきり写ってしまいます。

そのため撮影現場では、商品の持ち方や並べ方にも細心の注意を払います。

「あとで画像加工すれば大丈夫」と思われることもありますが、指紋やブルームをすべて修正するには時間もコストもかかります。

撮影時にきれいな状態を保つことが、結果的には最も効率的なのです。



ECサイトでは「美味しそう」が何より重要

ECサイトでは、お客様は実際の商品を手に取ることができません。

だからこそ、写真が商品の第一印象になります。

艶やかなチョコレートを見ると、「パリッとした食感なのかな」「口どけが良さそう」と自然に想像できます。


一方で表面が白く曇っていると、それだけで鮮度や品質に対する印象が変わってしまうことがあります。

もちろん商品自体は問題なくても、写真から受ける印象だけで購入を見送られてしまう可能性もあります。

私は撮影の仕事を「料理や食品をきれいに撮ること」ではなく、「商品の価値を正しく伝えること」だと考えています。

チョコレートの艶を守ることも、その大切な仕事の一つです。



撮影はシャッターを押す前から始まっている

フード撮影というと、ライティングやカメラ設定ばかりに目が向きがちです。

しかし実際には、商品の温度管理、撮影順、照明の熱、スタイリングの時間配分など、シャッターを押す前の準備が写真の完成度を大きく左右します。

私はこれまで数多くの食品やスイーツを撮影してきましたが、「美味しそうな写真」は偶然生まれるものではありません。

商品の特性を理解し、その魅力が最も伝わる瞬間を逃さないよう準備を重ねることで、一枚の写真が完成します。

高級チョコレートは、職人の技術と想いが詰まった繊細な商品です。

だからこそ、その価値を写真でも損なわないことが大切だと考えています。

海外展開やインバウンド向けの販売では、言葉よりも先に写真がブランドの第一印象になります。

だからこそ、商品の魅力を最大限に引き出すためには、カメラの技術だけでなく、食品への理解と温度管理まで含めた撮影設計が欠かせません。

もし「ブランドの価値が伝わるチョコレート写真」をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。




参考資料

・一般社団法人 日本チョコレート

・ココア協会「チョコレートのブルーム現象について」

・株式会社明治「チョコレートのブルーム現象に関する解説」

・農林水産省「食品ロス削減・食品表示等に関する情報(2023年以降公開資料)」

※本記事は、フードカメラマンとしての撮影現場での実務経験と、上記公開資料をもとに執筆しています。

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