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クッキーがやめられなかった女性が、甘酒に出会った話
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影をさせていただきました。 撮影のために商品のことを伺っていると、クライアントの女性がこんなお話をしてくださいました。 「もともと私、甘いものが止まらなかったんです。」 クッキー。 チョコレート。 ケーキ。 仕事のストレスでつい手が伸びてしまう。 食べている瞬間は幸せだけれど、あとで少し罪悪感もある。 体重も増えてしまうし、お肌も荒れてきてしまう・・・ そんな毎日を過ごしていたそうです。 その時の私は思わず頷いてしまいました。 というのも、私自身も甘いものがやめられない時期がありました。 ストレスがたまると甘いものが欲しくてたまらなくなる。。。女性に多いのではないでしょうか? 「甘いものがやめられない」という感覚は決して特別なことではないと感じています。 出会いは、一杯の甘酒だった そんなある日、その方は麹甘酒に出会ったそうです。 最初は健康のためだったのかもしれません。 あるいは誰かに勧められたのかもしれません。 でも飲み続けるうちに、不思議な変化が起きま
笙子 太田
2 日前読了時間: 3分


売れる食品には必ず「主人公」がいる
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 これまで数え切れないほどの食品や料理を撮影してきました。 高級レストランのコース料理。 地方の特産品。 老舗の和菓子。 新しく立ち上がった食品ブランド。 その中で気づいたことがあります。 売れる食品には、必ず「主人公」がいる。 ということです。 もちろんここでいう主人公とは、商品のことではありません。 実は、商品そのものが主人公になっているケースは意外と少ないのです。 商品は脇役かもしれない 食品の紹介というと、私たちはつい商品の特徴を説明しがちです。 糖度が高い。 無添加である。 有機栽培である。 栄養価が高い。 もちろん、それらは大切な情報です。 でも、それだけで人の心が動くとは限りません。 例えば、同じ傷のついたりんごがあったとします。 「規格外のりんごです」 と言われると、少し価値が下がったように感じるかもしれません。 でも、 「去年の猛暑の中、農家さんが必死に守り抜いたりんごです」 と言われたらどうでしょう? 急に見え方が変わりませんか。 応援したくなる人もいると
笙子 太田
6月15日読了時間: 5分


クリスマスケーキ撮影は夏から始まる。12月の商品なのに、なぜ8月に撮るの?
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、ある撮影現場でお客様と雑談をしていた時のことです。 「この時期になると毎年いちごを探しているんですよね。」 何気なくそうお話ししたところ、お客様がとても驚いた表情でこうおっしゃいました。 「え?いちごですか?今6月ですよね?」 たしかに普通に考えればそうです。 スーパーにいちごが並ぶのは冬から春にかけて。6月にいちごを探していると言われても、不思議に思うのは当然です。 でも、フードカメラマンの世界では実は珍しい話ではありません。 なぜなら、クリスマスケーキの撮影は夏から始まるからです。 今日は、あまり知られていないクリスマス商戦の裏側についてお話ししたいと思います。 お客様がクリスマスを意識する頃には、すでに準備は終盤 一般のお客様がクリスマスケーキを意識し始めるのは10月から11月頃ではないでしょうか。 街にイルミネーションが増え始め、百貨店やホテルのクリスマスケーキ予約が始まる頃です。 しかし、その頃に撮影をしていては間に合いません。 クリスマスケーキの写真は、撮
笙子 太田
6月14日読了時間: 5分


海外では"黒い食べ物"が売れにくいって本当?フードカメラマン・太田笙子が考える「色と文化の翻訳」
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、海外向け商品撮影の打ち合わせでこんな相談を受けました。 「黒ごまの商品なんですが、海外でもこのまま売れるでしょうか?」 海外展開を考える食品メーカーさんからよくいただく質問です。 答えは「商品次第ではなく、見せ方次第」なのですが、その話をする前に、まず知っておいてほしい前提があります。 日本では日常的に食べられている黒い食べ物(黒ごま、ひじき、海苔、イカ墨、竹炭スイーツなど)が、海外では必ずしも同じように受け入れられるとは限らない、ということです。 日本人にとって「黒」は美しさの色 まず日本人の感覚から整理してみます。 日本において黒は、ネガティブな色ではありません。 黒塗りの漆器には高級感があり、高級和食店でも黒い器はよく使われています。海苔や黒ごまは日常の食卓に当たり前のように並んでいます。 上質、洗練、職人技、和の美しさ・・・日本人にとって黒はそういったイメージと結びついています。 私自身、料理撮影で黒い背景や黒い器をよく使うのも、料理が引き締まって見えるし、和
笙子 太田
6月12日読了時間: 4分


白い皿の方がデザートは甘く感じる?黒いお皿だと・・・?
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、お客様との打ち合わせで器の話になりました。 「料理の味は同じなのに、お皿を変えたら美味しそうに見えたんです」 思わず「そうなんですよ!」とテンション上がってしまいました。 面白いことに、お皿を変えると見た目だけではなく、味の感じ方まで変わることがあります。 今日はそんな「器の色と味覚」の不思議なお話です。 同じケーキなのに甘さが変わる? 同じショートケーキを、白い皿と黒い皿にそれぞれのせたとします。 料理は何ひとつ変えていない。変わるのは皿の色だけ。 それなのに、受け取る印象はまったく違います。 これは感覚的な話ではなく、研究でも報告されていることです。 近畿大学農学部の冨田圭子准教授らは、「背景色とおいしさ」の関係を「喫食環境とおいしさの科学」として体系的にまとめており、2025年6月の第56回日本色彩学会全国大会では、皿のリムの色や太さが料理の量感に影響を与えることも発表されています。 (出典:近畿大学農学部 教員業績管理システム) つまり私たちは、器の色から「
笙子 太田
6月11日読了時間: 5分


なぜ"音が聞こえる写真"は売上につながるのか?|フードカメラマンが考える「売れる料理写真」の正体
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理写真を見た瞬間に、「なんか美味しそう」ではなく「今すぐ食べたい」と感じることがあります。 同じ料理を撮っているのに、この差はどこから来るんでしょうか。 撮影の仕事を長く続けてきた中で、私が一番大事にしているのが「音」という感覚です。 ジュワッ、サクッ、パリッ、とろっ 写真から実際に音が出るわけではないのに、見た人の脳内でこれらの音が自然と再生される。 そしてその"脳内再生"が「食べたい」という欲求に火をつけます。 今日は、なぜ"音が聞こえる写真"が売上につながるのかについて、現場の話を交えながら書いていきます。 人は「味」より先に"想像"を食べている 料理写真において、最初に押さえておきたい前提があります。 写真を見てもお客様には、味はわかりません。 香りもわからない。 温度もわからない。 それでも「美味しそう」と感じる これは、脳が体験を補完しているからです。 ハンバーグの肉汁、揚げ物のサクサクした衣、チーズの伸び、ブリュレが割れる瞬間。 こうした写真を見ると、人は
笙子 太田
5月26日読了時間: 5分


海外では"断面"が重要?日本と海外で違うスイーツ写真の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、海外向けにスイーツを撮りたいというご相談がかなり増えています。 そのたびに話題になるのが、 「日本では美味しそうなのに、海外では反応が弱い」という現象です。 この現象、味の問題でも商品力の問題でもなく、"見せ方の文化差"であることが多いんです。 そしてその差を一番わかりやすく象徴しているのが、「断面」という要素です。 今日は、スイーツ写真における日本と海外の設計の違いを、撮影の現場から解説していきます。 日本のスイーツ写真は「空気感」を撮る 日本の写真文化には、昔から「引き算の美学」があります。 繊細さ、余白、静けさ、上品さ。 和菓子の写真を想像するとわかりやすいと思います。 器との調和を大事にして、余白で季節感を表現する。 洋菓子でも同じです。 柔らかい光、淡い色味、ふんわりとした空気感。 こういった表現が好まれる傾向があります。 つまり日本では、写真を見た人が「きっと美味しいはず」と察してくれることを前提に、写真が設計されています。 「察する美味しさ」が成立する
笙子 太田
5月21日読了時間: 4分


"サクサク感"はどう撮る?|フードカメラマンが使う光の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理写真を見た瞬間に、「これ、絶対サクサクしてる」と感じたことはありませんか? クロワッサンの断面、揚げたての天ぷら、ミルフィーユの繊細な層。 写真なのに、なぜかパリッという音が聞こえそうな気がする。 あの感覚、実は気のせいではありません。 フードカメラマンとして現場に立ち続けてきて、はっきり言えることがあります。 あの「サクサク感」は、料理そのものが発しているのではなく、光で作っています。 「美味しそう」の正体は、目に見えない情報だった 料理写真の仕事は、よく「美味しそうに撮る仕事」と言われます。 でも私は少し違う言い方をしています。 温度、香り、音、食感etc こうした「目に見えない情報」を、視覚に翻訳する仕事だと思っています。 その中でも特に難しいのが、食感を表現することです。 なぜ難しいかというと、サクサク感は「動き」と「音」で感じるものだから。 写真は静止しているのに、食感だけは動的な情報なんです。 だからこそ、光の設計がすべてを決めます。 サクサク感は「表面」
笙子 太田
5月20日読了時間: 5分


パリパリスイーツは「音」を撮る。食感を写真で伝えるための撮影設計、教えます
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 少し前から、ある種類のスイーツが気になって仕方なくなっています。 ブリュレのキャラメリゼを割る瞬間。 チョコのコーティングが一気に砕ける断面。 カダイフ(パリパリの乾麺)とピスタチオを組み合わせたドバイチョコの、あのザクザクとした歯応え。 いわゆる「パリパリ系・ザクザク系」のスイーツが、ここ最近で明らかに存在感を増しています。 飲食トレンドを調査・発信する求人飲食店ドットコムの2025年版レポートによると、 2024年はザクザク食感が人気を集め、 2025年はさらに進化した「ハイブリッド食感」、 つまりパリパリ&もちもち、サクサク&ふわふわといった組み合わせが注目されると分析されています (出典:求人飲食店ドットコム「飲食店が参考にしたい、2025年のトレンドグルメ」2025年2月公開)。 面白いのは、この食感ブームを後押ししている要因のひとつが「音」であること。 SNSのASMR動画(咀嚼音などを収音した動画コンテンツ)の普及が、食感そのものを購買動機にしているという流
笙子 太田
5月19日読了時間: 5分


撮影の2ヶ月前に必要な準備リスト〜発注側が知らないと損する、食品撮影チェックシート〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 「撮影って、何を準備すればいいんですか?」 これは、初めて食品撮影をご依頼いただく企業様から、本当によくいただく質問です。 実際、商品撮影や料理撮影は、 「カメラマンを予約すれば終わり」 ではありません。 むしろ重要なのは、“撮影前の設計”です。 ここが曖昧なまま進むと、 ・必要なカットが足りない ・ブランドイメージが統一されない ・追加撮影が発生する ・広告で使いづらい ということが起こります。 逆に言うと、 事前準備がしっかりしている企業ほど、撮影のクオリティも、売上成果も高い傾向があります。 今日は、実際の現場で感じる 「これを事前に決めておくと本当にスムーズ」 という内容を、保存版チェックリストとしてまとめます。 なぜ“2ヶ月前”なのか? まず大前提として。 食品撮影は、「撮る日」から逆算して動く仕事ではありません。 実際には、 ・デザイン制作 ・ECページ制作 ・広告運用 ・印刷物制作 ・SNS投稿準備 などが撮影後に控えています。 つまり、“写真が完成してから
笙子 太田
5月13日読了時間: 6分


春夏秋冬・食品撮影の繁忙期カレンダー完全版|年間スケジュールを押さえて“売れるタイミング”を逃さないために
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 前回の記事では、「7〜8月は秋冬商戦の撮影ラッシュ」というお話をしました。 では、1年を通して見るとどうでしょうか? 実はフード撮影には、“明確な年間スケジュール”があります。 これを知らずに動くと、 ・撮影が間に合わない ・売りたいタイミングに写真がない ・結果的に売上を逃す ということが本当に起こります。 逆に言うと、 このカレンダーを押さえるだけで、売上設計が一気に変わります。 今日は、保存版として「食品撮影 年間スケジュール」を月別でまとめていきます。 【完全版】食品撮影 年間スケジュール(保存推奨) 1月|バレンタイン最終調整・春商品の仕込み ・バレンタイン直前の追加撮影(3月14日 → 逆算して1月中に撮影) ・ホワイトデー素材の最終仕上げ ・春スイーツ・桜商品の企画撮影開始(3〜4月発売 → 1〜2月撮影) この時期は「短期戦」。 差し替えや追加カットのスピードが重要です。 2月|ホワイトデー&春本番 ・ホワイトデー撮影ピーク ・桜 ・いちご系ビジュアルの量
笙子 太田
5月9日読了時間: 5分


7月・8月は秋冬商品の撮影ラッシュ。今すぐ動かないと間に合わない理由
「秋に新商品を出したいんですが、撮影っていつ頃依頼すればいいですか?」 食品メーカーや飲食店のご担当者から、こういった相談をよくいただきます。 そして多くの場合、「もう少し早く相談してくれたら……」と感じることがあります。 食品撮影には、一般的にあまり知られていない「業界の時間軸」があります。 この記事では、その逆算構造を知っておくだけで発注ミスがなくなる、というお話をします。 商品発売の「3〜4ヶ月前」が撮影タイミング 食品メーカーが新商品を店頭に並べるまでには、多くの工程があります。 撮影した写真は、パッケージデザインに使われ、販促チラシやECサイトに掲載され、営業用の資料にも入ります。 そのどれもが、印刷・制作・入稿の締め切りを持っています。 つまり、こういう流れです。 商品発売(10月) ← 印刷物・パッケージ入稿(9月)← デザイン制作(8月〜9月)← 写真撮影(7月〜8月) ← 撮影内容の打ち合わせ・サンプル準備(6月〜7月) 10月に商品を出したいなら、今すぐ動き始める必要があります。 7〜8月が「秋冬撮影の集中期」になる理由...
笙子 太田
5月8日読了時間: 4分


フード撮影は「料理人の目線」で考える〜料理写真の説得力が変わる瞬間 〜
こんにちは。 日本の食を世界に届けるフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の現場に入るとき、私がまず考えるのは 「この料理人は、どこを見せたいんだろう」ということです。 カメラの設定でも、ライティングの組み方でもなく、まずそこから始めます。 これ、最初は意外に思われるかもしれません。 でも、フードカメラマンとして現場を重ねてきた実感として、 「カメラマン目線だけで撮った写真」は、どこかズレることが多いんです。 ■ 写真が、集客の入り口になっている時代 少し話が広がりますが、飲食店のSNS活用に関する調査(株式会社シンクロ・フード「飲食店リサーチ」、2024年5月)によると、飲食店の79.1%がInstagramを運用しており、98.6%が自店で運用しているという結果が出ています。 つまり、ほぼすべての飲食店がSNSで写真を発信している時代です。 一方で、飲食店を選ぶ際に 「写真・動画(料理のビジュアル、店内の様子など)」を参考にすると回答した人は41.3%に上っており(株式会社itk調べ、2024年12月)、お客様もまた写真を見てお店を判断
笙子 太田
5月5日読了時間: 4分


フード撮影は「食べる経験」で上達する〜 料理カメラマンが大切にしていること 〜
こんにちは。 フードカメラマンの太田笙子です。 突然ですが、みなさんは「おいしいものをたくさん食べている人は、料理写真がうまい」と聞いたら、どう思いますか? 「さすがにそれは関係ないでしょ」と思う方もいるかもしれません。 でも私は、撮影の現場を重ねるうちに、これはけっこう本当のことだと感じるようになりました。 料理を食べると、何がわかるのか 料理を実際に食べると、味・食感・香り・温度といった情報が一気に入ってきます。 これって、撮影の設計にじわじわ効いてくるんです。 たとえば、サクサクとした食感の料理なら、その「軽さ」や「歯ごたえ」が伝わるような写真を目指す必要があります。 一方、濃厚でリッチな料理なら、重厚感のある光と影の設計が合う。 つまり、「この料理はどう撮れば伝わるか」という方針が、食べた経験から自然と浮かび上がってくる感覚があります。 初めて見る料理ほど、差が出る 撮影の現場では、初めて目にする料理に出会うことも少なくありません。 そのとき、食経験の積み重ねがじわっと役立ちます。 「この見た目からすると、香ばしい風味があるはず」...
笙子 太田
5月4日読了時間: 3分


フードカメラマンは「料理を作れた方がいいのか」〜 料理撮影の現場から考える 〜
こんにちは、フードカメラマンの太田笙子です。 料理撮影・食品撮影を専門に活動しています。 仕事柄、いろんな方と話す機会が多いのですが・・・ 飲食店のオーナーさん、食品メーカーの方、フードカメラマンを目指している方 かなりの確率でこんな質問をいただきます。 「料理もできた方がいいんですか?」 実は私、この質問がけっこう好きです。 なぜかというと、「撮影ってどういう仕事か」を深く理解しようとしている人だからこそ出てくる質問だと思っているから。 結論から先に言うと、プロの料理人レベルで作れる必要はまったくありません。 でも、料理を作る経験があるかどうかで、写真の「深さ」が確実に変わると感じています。今日は、その理由をちゃんと言葉にしてみようと思います。 ■ 料理を作ると「どこを見せるか」の判断が変わる フード撮影で一番難しいのは、実は技術より判断だと思っています。 シャッターを切る前の「どこを見せるか」という選択が、写真の良し悪しをほぼ決めてしまう。 料理を作る経験があると、この判断が格段に早くなります。 たとえば、煮込み料理を撮るとき。...
笙子 太田
5月3日読了時間: 5分


フード撮影は「料理人との会話」で決まる 〜良い料理写真は撮影前に決まっている 〜
こんにちは。 料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の仕事をしていると、 「写真って、やっぱり技術が全てですよね?」と聞かれることがあります。 確かに、技術は大切です。 でも現場に立ち続けてきた経験から言うと、 良い料理写真を生み出す上で技術よりもずっと重要なことがある。 それが、料理人との会話です。 ■ 良い写真は、撮影前に半分決まっている 撮影が始まる前に料理人と話す時間があります。 この時間を大切にするかどうかで、仕上がりの写真は大きく変わります。 「この料理のコンセプトは何ですか?」 「一番見せたいポイントはどこですか?」 「お客様にどんな印象を持ってほしいですか?」 こういった質問をしながら、写真の方向性を一緒に整えていきます。 料理人との対話を経ずに撮った写真と、そうでない写真は、 見た目のクオリティは似ていても、何かが違う。 その「何か」が、見る人の心を動かすかどうかを分けると、私は思っています。 ■ 料理人のこだわりは、写真のヒントになる 実際に料理人の方と話していると、撮影の方向性を決定づ
笙子 太田
5月2日読了時間: 4分


フード撮影は「料理の知識」で差がつく〜料理カメラマンに必要な、もうひとつの専門性 〜
こんにちは。フードカメラマンの太田笙子です。 料理撮影の仕事をしていると、 「写真の技術がいちばん大事なんですよね?」 と聞かれることが少なくありません。 もちろん、それは大前提です。 ただ、現場を重ねるうちにわかってきたことがあって・・・ それが、料理の知識がない人には、おいしい写真は撮れない、ということ。 今日はその話をしようと思います。 ■「なんとなく綺麗」で終わってしまう写真の正体 料理撮影の現場では、常に判断の連続です。 どの角度が食欲をそそるか、 どの部分を主役にするか、 どこを見せてどこを隠すか ・・・これらはカメラの設定だけで解決できる問題ではありません。 たとえば刺身とラーメンとステーキ、 それぞれ「おいしそうに見えるポイント」はまったく違います。 刺身なら断面の艶と色、 ラーメンなら麺の持ち上げ方と湯気のタイミング、 ステーキなら焼き色の入り方と断面のレア感。 料理の構造や食べ方を知っている人ほど、そこを自然にフレームに収めることができます。 料理の知識がないと、「なんとなく綺麗な写真」は撮れます。 でも、
笙子 太田
4月30日読了時間: 5分


料理写真はなぜ「器」が重要なのか〜フードカメラマンが料理と同じくらい器を見る理由〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理が運ばれてきた瞬間、私がまず目を向けるのは料理だけではありません。 最初に確認するのは、器です。 「それって、まずは料理でしょ?」と思われるかもしれません。 でも、器を正しく選べていない料理写真は、どれだけ腕をふるった料理でも、画面の中で"なんとなく地味"な印象になってしまうんです。 今日はその理由を、現場のリアルな視点からお伝えします。 「おいしそう」は、視覚が決める 突然ですが、ひとつ質問をさせてください。 料理の「おいしさ」って、どこで感じると思いますか? 実は、食事の満足感を感じる五感の割合として、視覚が83〜87%を占めるとされています。味覚が占めるのはわずか1%程度。 こうした多感覚知覚の研究は近年急速に進んでいて、「見た目がおいしさをつくる」という考え方は、いまや食品科学の世界でも広く認められるようになってきています。 さらに、食事の感覚的満足感において、 料理そのものが占める割合は約5%、 食器・カトラリーは約25%、 残り約70%は食空間の環境(テー
笙子 太田
4月29日読了時間: 6分


フード撮影は「食に興味がない人」でもできるのか
こんにちは。 料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマンの太田笙子です。 今日は、フード撮影の仕事をしているときに、時々考えることについて書いてみたいと思います。 それは、 「フード撮影は、食に興味がなくてもできるのか?」 というテーマです。 実は以前、ある方からこんな話を聞いたことがあります。 「僕は食に興味ないけど、フード撮影できましたよ」 その方は、元飲食チェーン店の社員の方で、店舗の写真などを撮影していた経験があるとのことでした。 その話を聞いたとき、私は 「なるほど、確かにそれはそうだな」と思う一方で、 「でも、私が思っているフード撮影とは少し違うかもしれない」 とも感じました。 今日はその理由について書いてみます。 「撮影できる」の定義は人によって違う まず最初に結論から言うと、 食に興味がなくても、フード撮影はできます。 カメラの知識があれば、 ・光を当てる ・構図を整える ・露出を合わせる ・ピントを合わせる こういった技術を使って、料理の写真を撮ることはできます。 つまり、 料理という被写体の「物撮り」 として考えれば、
笙子 太田
4月25日読了時間: 4分


料理を食べないフードカメラマンはあり得るのか〜 フード撮影の現場から考える 〜
こんにちは。 料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の仕事をしていると、時々こんな話題になります。 「フードカメラマンって、撮影している料理を全部食べるんですか?」 実際のところ、撮影現場では料理を食べることもあれば、食べないこともあります。 撮影用に作られた料理は時間が経っていたり、撮影のために触れていることも多いからです。 ですが、ここで考えたいのはもっと根本的な話です。 そもそも、料理を食べないフードカメラマンは成立するのでしょうか。 今日は、料理撮影の現場から感じていることを書いてみたいと思います。 フード撮影は「見た目だけの仕事」ではない 料理撮影というと、 ・光を整える ・構図を作る ・綺麗に盛り付ける という「見た目」の仕事だと思われがちです。 確かにそれは間違いではありません。 しかし、実際のフード撮影では、 料理そのものを理解していないと判断できないことがたくさんあります。 例えば、 ・この料理は温かい料理なのか ・油の艶はどの程度が自然か ・湯気を入れるべきか ・この角度はシェフの意図と
笙子 太田
4月24日読了時間: 3分
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