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私が全国に100名あまりのフードカメラマンチームを作った理由
(カメラマンの働き方改革と、女性の出産育児を支えたいという想い) フードフォトグラファーとして活動していると、撮影の方法や技術の話をされることが多いのですが、私が本気で大切にしているテーマはもうひとつあります。 それは 「カメラマンが無理なく、続けられる働き方をつくること」 です。 いま、私の会社・株式会社Light&Green では、全国に約100名ほどのフードカメラマンが在籍し、撮影チームとして動いています。 これは、事業拡大のためだけではなく、むしろ “どうすればカメラマンが健康に、長く、誇りを持って働けるか” を考え続けて辿り着いた形です。 今日は、その背景について、少し個人的なことも交えながら書いてみようと思います。 ■ カメラマンの仕事は「好きなだけ」では続かない カメラマンの世界は魅力にあふれています。 光を読み、食材が一番美しく見える瞬間を探し、お客様と一緒に「売れる写真」を作る。 私自身、この仕事が心から好きです。 しかしその一方で、 「長時間労働」 「スケジュールの読みにくさ」 「収入の安定しづらさ」 といった課題を抱える人も
笙子 太田
2025年11月30日読了時間: 4分


器の向き一つで料理の格が変わる理由〜料理は器の上で完成する〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理の撮影をしていると、お客様からこんな質問をいただくことがあります。 「器って、どちら向きでも同じじゃないんですか?」 実は、この質問に対する答えは「違います」。 もちろん、すべての器に決まりがあるわけではありません。 でも、日本の和食器には「こちらを正面にして使ってほしい」という、作り手の意図が込められているものが数多くあります。 そして、その向きを理解して撮るかどうかで、料理の印象は大きく変わることがあります。 ■ 器にも「正面」がある 以前、陶芸作家さんの作品を撮影させていただいたときのことです。 器を手に取ると、作家さんが静かにこう教えてくださいました。 「こちらが正面になります。」 最初は、「どこが違うのだろう?」と思いました。 でもよく見ると、釉薬の流れ方や模様の入り方、高台の位置まで、すべて計算されていました。 一番美しく見える角度。 料理を盛り付けたときに、一番映える方向。 そこまで考え抜いて、一つの器が作られていたのです。 私はそのとき初めて、「器にも顔
笙子 太田
7 日前読了時間: 4分


なぜ和菓子には「季節」があるのか〜フードカメラマンが知った、日本人が「四季を食べる」理由〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 昔、和菓子の撮影をしていたときのことです。 「この和菓子は、まだ少し季節が早いんですよ。」 そう教えていただきました。 まだ桜も咲いていないのに(というか撮影しているときは1月でした)桜の和菓子を撮っているのです。 でも、この一言をきっかけに、日本人の季節の楽しみ方について改めて考えるようになりました。 実は、和菓子には日本人ならではの美意識が詰まっているのです。 ■ 日本人は「今」ではなく「少し先の季節」を楽しむ 和菓子の世界では、「季節を先取りする」ことが美しいとされています。 春になる少し前には桜を。 梅雨が来る前には紫陽花を。 秋が深まる前には紅葉を。 冬になる前には雪景色を。 実際の自然よりも一歩早く季節を表現することで、「もうすぐこの季節がやってくる」という期待感を楽しんでいます。 これは日本の伝統文化によく見られる考え方です。 茶道や華道、俳句でも、その季節が真っ盛りになる頃ではなく、「訪れ始め」や「移ろい」を大切にします。 だから和菓子も、「今」を写したもの
笙子 太田
8月26日読了時間: 4分


食品サンプルは平気なのに、なぜAIの料理画像には違和感を覚えるのか?
こんにちは。 インバウンド・海外展開に特化したフードカメラマン、太田笙子です。 先日、「AIで作られた飲食店のメニュー画像に違和感を覚える」という話について考えていたとき、ふと疑問が浮かびました。 「でも私たち、食品サンプルは普通に受け入れてきたよね?」 昔ながらの飲食店の店頭にあるガラスケース。 そこには、ナポリタン、オムライス、カレーライス、クリームソーダ……。 本物そっくりではあるけれど、もちろん食べられません。 それを見て、 「これは偽物だから信用できない」 とは、あまり思わなかった気がします。 むしろ、 「美味しそう。この店にしよう」 と食品サンプルを見て店を決めた経験がある方も多いのではないでしょうか。 では、なぜ同じ「本物ではない料理」なのに、食品サンプルは受け入れられて、AIで作られた料理画像には違和感を覚えるのでしょう。 考えてみると、これは単なる「本物か偽物か」の話ではないように思います。 食品サンプルも、かなり堂々とした「偽物」です 食品サンプルは、本物の料理ではありません。 ソースも麺もご飯も、食べられるものではない。..
笙子 太田
8月24日読了時間: 7分


そのAI料理写真、大丈夫?飲食店が知っておきたい「行政処分」のリスク
こんにちは。 インバウンド・海外展開に特化したフードカメラマン、太田笙子です。 最近、飲食店のメニューや広告でも、生成AIで作られた料理画像を見かけるようになりました。 「撮影するほどでもないから、とりあえずAIで作ろう」 「SNSに載せるだけだから」 「無料で作れるし、イメージ画像として使えばいいよね」 そんな感覚で使っている方もいらっしゃるかもしれません。 実際、生成AIはとても便利です。 以前なら、料理を作り、盛り付け、カメラマンを呼び、撮影しなければ作れなかった画像が、今では文章を入力するだけで数分で出来上がります。 しかも無料で利用できるサービスまであります。 だからこそ、私は少し怖いとも感じています。 作るハードルがあまりにも低いため、 「その画像を広告に使うことには責任が伴う」 というところまで考えずに公開できてしまうからです。 飲食店のメニュー写真も「広告表示」です まず知っておきたいのが、飲食店のメニューやPOP、ポスターなどの表示は、景品表示法と無関係ではないということです。 消費者庁は、店内・店頭のメニューや看板、ポスターな
笙子 太田
8月20日読了時間: 8分


AIの料理写真を見て思った。そもそもメニュー写真は何のためにある?
こんにちは。 インバウンド・海外展開に特化したフードカメラマン、太田笙子です。 先日、ITmedia NEWSで、とても興味深い記事を読みました。 生成AIで作られたとみられる飲食店のメニュー写真について、SNS上で「食欲が削がれる」「実物を見たい」といった声が上がっている、という内容です。 記事によると、話題になった画像では、白米の粒や衣の凹凸が過度に強調されていたり、料理に不自然な光沢があったり、チーズが不自然なほど伸びていたりと、独特の「AIっぽさ」が見られたそうです。 一方で、生成AIそのものが悪いという話でもありません。条件を細かく指定すれば、かなり実写に近い料理画像を生成することもできます。 それでも私はこの記事を読みながら、AIの技術とは少し違うところが気になりました。 「そもそも、メニュー写真って何のために載せるんだろう?」 ということです。 「こんな料理があります」が伝わればいい? 飲食店のメニュー写真には、もちろん情報としての役割があります。 「この店にはハンバーグがあります」 「この定食には、ご飯と味噌汁が付いてきます」..
笙子 太田
8月19日読了時間: 7分


頭の中の映像をそのまま写真にできる時代が来ても、カメラマンは必要なのか?
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、生成AIの進化を見ていて、ふと考えたことがあります。 もし将来、頭の中で思い描いた映像を、そのまま写真や映像として出力できる機械が開発されたら。 カメラマンという仕事はなくなるのでしょうか。 最初は、「そうかもしれない」と思いました。 カメラも照明もスタジオも必要なく、頭の中のイメージを一瞬で形にできる。 そんな未来が来たら、撮影という仕事そのものがなくなってしまうのではないかと。 でも、撮影現場に立つたびに、「やっぱり違うな」と思う出来事があります。 良い写真は、最初のイメージ通りにはならない 撮影前には、もちろん完成イメージを考えています。 「こんな構図で。」「こんな光で。」「こんな世界観で。」 でも、実際に料理を並べ、器を置き、光を当ててみると、思っていた印象と違うことは珍しくありません。 「もう少し器を回してみよう。」 「このお皿じゃなくて、隣の方が合うかもしれない。」 「湯気が出た瞬間の方がいい。」 そんな小さな調整を何度も繰り返しているうちに、最初に頭の
笙子 太田
8月10日読了時間: 4分


和菓子は"正面"を間違えると伝わらない
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 「和菓子に正面なんてあるの?」 そう思った方も多いのではないでしょうか? 私もフード撮影の仕事を始めるまでは、そこまで深く意識したことはありませんでした。 先日、和菓子の撮影をしていたときのことです。 お皿の向きや懐紙の折り方を確認しながら準備を進めていると、「この和菓子は、こちらが正面です」と教えていただきました。 その瞬間、改めて感じたのです。 和菓子は「食べ物」である前に、「作品」でもあるのだと。 そして、その作品を写真に残すのであれば、作り手が見せたい姿を理解して撮ることがとても大切なのだと実感しました。 ■ 和菓子には「見せたい向き」がある 洋菓子は360度どこから見ても美しく見えるように作られることが多いですが、和菓子には正面が意識されているものが少なくありません。 例えば、桜を表現した練り切りなら花びらが一番美しく見える向きがあります。 紅葉を表現したものなら、葉脈の流れや色の重なりが最も映える角度があります。 羊羹や上生菓子でも、職人さんは「お客様が最初に
笙子 太田
8月2日読了時間: 4分


【公式ECサイトオープン】料理を主役にする器。「映え皿」のオンラインショップがオープンしました!
こんにちは。株式会社Light&Green代表・インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 いつも株式会社Light&Greenを応援いただき、本当にありがとうございます。 昨日、プレスリリース配信のお知らせをしましたが。。。 このたび、かねてより準備を進めておりました公式ECサイトが、本日ついにオープンいたしました! これまで私はフードカメラマンとして、1,000件を超える料理・食品撮影に携わってきました。 撮影現場では、料理をどうライティングするか、どの角度から撮るか、どんな背景を選ぶかなど、さまざまな工夫を重ねています。 でも、その中で何度も感じてきたことがあります。 それは、「料理の印象を最も大きく左右するのは器かもしれない」ということです。 同じ料理でも、器が変わるだけで高級感が生まれたり、温かみを感じたり、思わず「美味しそう」と感じる一皿になったりします。 逆に、どれだけ美味しい料理でも、器との相性が合っていないだけで、その魅力が十分に伝わらないこともあります。 だからこそ、このショップでは「美しい器」を集めるのでは
笙子 太田
8月1日読了時間: 3分


『料理を主役にする皿』の想いがVOIX bizに掲載されました
こんにちは。株式会社Light&Green代表の太田笙子です。 このたび、弊社が配信したプレスリリースを、ビジネス情報メディア「VOIX biz」に掲載いただきました。 今回は、そのご報告とともに、プレスリリースを発信した理由についても少しお話ししたいと思います。 https://voix.jp/biz/news/176175/ ECサイトオープンの想いを発信しました 今回掲載いただいたのは、料理を主役にする器を集めた公式ECサイトオープンについてのプレスリリースです。 私たちは全国の陶芸作家さんや木工作家さんの作品を販売しています。 ただ「器を販売するECサイト」ではなく、 「料理をより美味しそうに見せる器」 という視点でセレクトしていることが特徴です。 2000件以上のフード撮影を通して培ってきた経験を活かし、料理の魅力を最大限に引き出せる器をお届けしたいという想いがあります。 なぜプレスリリースを配信したのか プレスリリースは、新商品や新サービスを紹介するだけのものではありません。 「会社がどんな価値を提供しているのか」「どんな想いで事業を
笙子 太田
7月31日読了時間: 2分


【プレスリリース配信】止まらない原材料高騰。価格ではなく「料理の価値」を伝える“器”の販売を開始しました
こんにちは。株式会社Light&Green代表・インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 このたび、弊社の新しい取り組みについて、PR TIMESよりプレスリリースを配信いたしました。 今回発表したのは、「料理を美しく見せる器」をセレクト・販売する新しいプロジェクトです。 「なぜフードカメラマンが器を販売するの?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。 実は、この取り組みは私がこれまで1,000件以上の料理・食品撮影に携わる中で、ずっと感じ続けてきたことから生まれました。 同じ料理なのに、器が変わるだけで「高級そう」「食べてみたい」「このお店に行ってみたい」という印象が驚くほど変わる。 撮影現場では何度もそんな瞬間を目の当たりにしてきました。 料理写真を撮る仕事をしていると、ライティングや構図以上に、「どんな器に盛り付けるか」が料理全体の印象を左右する場面が数多くあります。 つまり、料理の価値を最も引き出しているのは、実はカメラではなく器なのではないか。 そんな思いが年々強くなっていきました。 今、飲食業界や食品業界では
笙子 太田
7月31日読了時間: 3分


懐紙の折り方一つで慶事と弔事が変わる〜フードカメラマンが撮影現場で学んだ日本文化〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 撮影では構図ばかり気にしてしまいがちですが、日本文化には「知らなかった」では済まされないルールがあります。 先日、和菓子の撮影をしていたときのことです。 お皿やお菓子の向きはもちろんですが、添える懐紙(かいし)の折り方について改めて確認していました。 すると、「懐紙って折り方にルールがあるんですか?」と驚かれたんです。 実は、懐紙はただの白い紙ではありません。 折り方一つで、お祝いの席なのか、お悔やみの席なのかという意味まで変わってしまうことがあります。 私はフードカメラマンとして和菓子や和食の撮影をする機会も多いのですが、日本文化を正しく理解して撮影することも、大切な仕事の一つだと感じています。 懐紙の折り方で意味が変わる 懐紙は茶道や和菓子の世界で古くから使われてきた紙です。 料理やお菓子を置いたり、取り皿代わりにしたり、口元を拭いたりと、用途はさまざまです。 一見するとどれも同じ白い紙に見えますが、実は折り方には意味があります。 一般的には、上側が手前に重なる折り方
笙子 太田
7月29日読了時間: 4分


なぜシズル写真を見るとお腹が空くのか?〜「美味しそう」は、料理ではなく脳が作っている〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 夜中にスマートフォンでSNSを見ていたら、ラーメンの写真が流れてきて急にお腹が空すいた。 テレビで焼肉のCMを見たら、「今日は焼肉にしよう」と思った。 そんな経験はありませんか? 実はその時、あなたは料理を食べていません。 それなのに、お腹が空いています。 この現象こそが、シズル写真(動画)の力です。 私はフードカメラマンとして数多くの料理写真を撮影していますが、「美味しそう」という感情は、料理そのものではなく、脳が作り出しているものだと日々感じています。 「シズル」とは何か? 「シズル(Sizzle)」という言葉は、もともと肉を焼いたときの「ジュージュー」という音を表す英語です。 マーケティングの世界では、その言葉が転じて、「食欲をかき立てる演出」全般を意味するようになりました。(私も最初は「しずる」って何者?!よくわからん!と思っていました) つまりシズル写真とは、単に料理を記録した写真ではありません。 見た人が思わず、 「食べたい」「美味しそう」「今すぐ行きたい
笙子 太田
7月23日読了時間: 4分


世界から見ると日本人は食に熱狂する民族
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、テレビ番組で海外の方々が日本の食文化について語っている場面を見ました。 その中でとても印象的だったのが、 「日本人ほど食べ物に詳しい国民を見たことがない」 という言葉でした。 たしかに言われてみると、日本人は食べ物について驚くほど細かく語ります。 牛肉ひとつとってもそうです。 ロース、サーロイン、リブロース、肩ロース、イチボ、ランプ、ミスジ、カイノミ。 焼肉屋さんで当たり前のように部位を指定して注文します。(トルコでは牛肉は「牛肉」だけで部位に分けて認識しないようです) さらに寿司屋では、 「今日は中トロより赤身が美味しいね」 という会話まで飛び交います。 もちろん海外にも肉の部位の分類はあります。 しかし、日本のように一般消費者レベルまで浸透している国は決して多くありません。 海外から見ると、日本人はかなり特殊なほど食べ物に興味を持つ民族に映るようです。 「2時間待ちだけど食べたい」が成立する国 日本を訪れた外国人が驚くことのひとつに、行列文化があります。...
笙子 太田
7月8日読了時間: 5分


なぜ海外で発酵食品が人気なのか?麹甘酒が世界で注目される理由
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影を担当させていただきました。 撮影中にクライアントの方から興味深いお話を聞いたんです。 「海外では発酵食品がブームなんですよ。コンブチャを毎日飲んでいる人も多いんです。」 私は海外向けの食品撮影に携わる機会が多いので、発酵食品への関心が高まっていることは何となく感じていました。 でも改めて考えてみると、とても面白い現象です。 なぜ今、世界中の人たちが発酵食品に注目しているのでしょうか。 実はそこには、日本人が見落としがちな大きな価値が隠れていました。 コストコ時代に求められていた「クリーンラベル」 実は私、フードカメラマンになる前は食品メーカーで営業をしていました。 担当していた取引先のひとつがコストコのデリカ部門です。 商品提案をする際によく求められたのが、「クリーンラベル」であることでした。 クリーンラベルとは、保存料や着色料などの添加物をできるだけ使用せず、消費者が理解しやすいシンプルな原材料で作られた食品のことです。 当時は正直、「そこまで気にする
笙子 太田
7月6日読了時間: 5分


冷蔵庫から出したチョコレートは、すぐ撮影してはいけない理由〜プロのフードカメラマンが最初に行う「温度を待つ」という仕事〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 チョコレートの撮影現場で、初めて立ち会われたお客様から聞かれる言葉があります。 「冷蔵庫から出したので、すぐ撮影できますよ。」 一見すると、とても自然な流れに思えます。 でも実は、私はその場ですぐにシャッターを切ることはほとんどありません。 むしろ、少し待つことがあります。 「せっかく早く準備したのに、なぜ?」 そう思われるかもしれません。 実は、この数分の待ち時間が、高級チョコレートの見た目を大きく左右することがあるのです。 冷たいチョコレートには「結露」が起こる 夏に冷たい飲み物をテーブルへ置くと、グラスの表面に水滴が付きますよね。 チョコレートも同じです。 冷蔵庫から出したばかりのチョコレートは表面温度が低いため、暖かく湿った空気に触れると空気中の水分が表面に付着します。 これが「結露」です。 肉眼ではほとんど分からないほど小さな水滴でも、高画質で撮影すると光を乱反射させ、チョコレート本来の美しい艶を失わせてしまいます。 さらに、この水分は撮影後にも影響を及ぼします。
笙子 太田
7月3日読了時間: 4分


チョコが白くならない撮影方法|温度管理の裏側
高級チョコレートの価値を守る、フードカメラマンの現場ノウハウとは こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 高級チョコレートの撮影現場で、クライアントからよくいただくご相談があります。 「撮影しているうちにチョコが白っぽくなってしまいました。」 せっかく美しい艶があったのに、撮影が終わる頃には表面が白く曇ってしまう。 そんな経験はありませんか? 実はこれは、撮影技術ではなく温度管理が大きく関係しています。 高級チョコレートほど繊細だからこそ、撮影前の準備や撮影中の環境づくりが、商品の印象を大きく左右します。 今回は、フードカメラマンが現場で実践している「チョコが白くならない撮影方法」をご紹介します。 白くなる原因は「カメラ」ではなく「温度」 チョコレートの表面が白く見える現象は、一般的に「ブルーム現象」と呼ばれます。 代表的なものには、カカオバターが表面に浮き出るファットブルームと、水分が関係するシュガーブルームがあります。 急激な温度変化や湿度の影響によって起こることが多く、味や安全性に大きな問題はないものの、高
笙子 太田
7月1日読了時間: 5分


なぜ人は成分ではなく物語で食べ物を選ぶのか
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影をしていた時のことです。 商品の開発背景を伺っていると、こんなお話を聞きました。 「もともと甘いものが止まらなかったんです。」 クッキーやチョコレートを毎日のように食べていた女性が、ある日甘酒に出会った。 そして少しずつ生活が変わっていった。 私はその話を聞いた瞬間に思いました。 人は商品を買っているようで、実は物語を買っているのではないか、と。 もしこれが、 「米麹100%です」「砂糖不使用です」 という説明だけだったらどうでしょう。 もちろん商品の魅力は伝わります。 でも正直なところ、記憶には残りにくいかもしれません。 一方で、 「甘いものがやめられなかった女性が出会った甘酒」 と言われると、少し気になりませんか。 そこには人の人生があるからです。 私たちは成分表で商品に惹かれない 考えてみると不思議な話です。 スーパーには似たような商品が並んでいます。 同じような原材料。 同じような価格帯。 同じようなパッケージ。 それでも売れる商品とそうでない商品
笙子 太田
6月30日読了時間: 5分


フードカメラマンに必要なのは、カメラより食体験かもしれない
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 タイトルをみて、「え?!そんなわけある??!」と思ったかもしれません。 ちょっと言い過ぎ感もありますが、そう思わされる出来事がありました。 先日、少し変わった撮影のご依頼がありました。 撮影するのは料理そのものではなく、カクテルシェイカーやカクテルグラス。 バーやカクテル文化に関わるビジュアル制作のお仕事でした。 撮影前の打ち合わせでクライアントの方がこんなことをおっしゃったんです。 「普段ビールしか飲まないので、カクテルのことがよく分からなくて……。太田さんがお酒好きで良かったです。」 その言葉を聞いたとき、ふと思いました。 もしかするとフードカメラマンに必要なのは、カメラの知識だけではないのかもしれない、と。 カクテルを知らなければ、カクテルは撮れない 例えばカクテルグラスを撮るとき。 マティーニとモヒートでは、求められる空気感がまったく違います。 マティーニなら静かで洗練された大人の世界。 モヒートなら爽快感や開放感。 同じグラスの写真でも、「どんな場面で飲まれるもの
笙子 太田
6月29日読了時間: 5分


料理は音でも美味しくなる〜なぜポテトチップスの「パリッ」は食欲を刺激するのか〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 突然ですが、想像してみてください・・・ ポテトチップスを一枚口に入れます。 「パリッ」 という音が聞こえます。 次に、しけってしまったポテトチップスを食べます。 「ふにゃっ」 どうですか? 同じ味がしますか・・・? ちなみに私はしないです・・・。 実際、ポテトチップスそのものの原料や味付けはほとんど変わっていない場合でも、私たちは音によって美味しさを判断しています。 つまり、人は舌だけで食べているのではありません。 耳でも食べているのです。 美味しさは五感で作られている 以前このブログで、 目隠しをすると味が感じにくくなる話。 高級レストランが照明を暗くする理由。 器の色によって味の感じ方が変わる話。 などをご紹介してきました。 実は音も同じです。 人間の脳は、 味覚、視覚、嗅覚、触覚、聴覚 をまとめて処理し、「美味しい」という体験を作っています。 だから料理そのものが同じでも、聞こえる音が違うだけで評価が変わることがあるのです。 なぜ揚げたての
笙子 太田
6月23日読了時間: 4分
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