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私が全国に100名あまりのフードカメラマンチームを作った理由
(カメラマンの働き方改革と、女性の出産育児を支えたいという想い) フードフォトグラファーとして活動していると、撮影の方法や技術の話をされることが多いのですが、私が本気で大切にしているテーマはもうひとつあります。 それは 「カメラマンが無理なく、続けられる働き方をつくること」 です。 いま、私の会社・株式会社Light&Green では、全国に約100名ほどのフードカメラマンが在籍し、撮影チームとして動いています。 これは、事業拡大のためだけではなく、むしろ “どうすればカメラマンが健康に、長く、誇りを持って働けるか” を考え続けて辿り着いた形です。 今日は、その背景について、少し個人的なことも交えながら書いてみようと思います。 ■ カメラマンの仕事は「好きなだけ」では続かない カメラマンの世界は魅力にあふれています。 光を読み、食材が一番美しく見える瞬間を探し、お客様と一緒に「売れる写真」を作る。 私自身、この仕事が心から好きです。 しかしその一方で、 「長時間労働」 「スケジュールの読みにくさ」 「収入の安定しづらさ」 といった課題を抱える人も
笙子 太田
2025年11月30日読了時間: 4分


目を閉じると、なぜ料理は“味気なく”なるのか〜視界を断たれた状態で食べるとわかる、「食べる」は目から始まっているという話〜
こんにちは。 日本の食を世界へ届けるフードカメラマン、太田笙子です。 みなさんは一度でも、目を閉じたまま食べ物を口に入れたことがあるでしょうか。 たとえば、普段大好きなショートケーキを目隠しして食べてみる。 もちろん甘さは感じます。生クリームのなめらかさもわかります。 でも、不思議なことに「いつもの感動」が少し弱く感じることがあります。 実はこれ、気のせいではありません・・!! 人は「舌だけ」で味を感じているわけではなく、視覚・嗅覚・聴覚・触覚など複数の感覚を脳の中で統合して、“美味しい”を作り上げていることが近年の研究でもわかっています。特に視覚は、味覚に大きな影響を与える感覚のひとつです。 私たちは思っている以上に「目で食べている」 料理が運ばれてきた瞬間。 まだ口に入れていないのに、 「美味しそう」 「濃厚そう」 「さっぱりしていそう」 そんな予想を無意識にしています。 実際、食品の色や形、盛り付け、光の当たり方などの視覚情報が、味の感じ方そのものに影響を与えることが報告されています。 例えば同じ飲み物でも、赤っぽい色だと甘く感じやすい。
笙子 太田
24 時間前読了時間: 4分


お皿を変えただけで、子どもが野菜を食べた!好き嫌いと「見た目」の意外な関係
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、知人のお子さんが「ブロッコリー嫌い」で困っているという話を聞きました。 ところが、そのブロッコリーを少し高さを出して盛り付け、明るい色のお皿に変えたところ、驚くほどあっさり食べたそうです。 もちろん、すべての好き嫌いが盛り付けだけで解決するわけではありません。 ですが私はフードカメラマンとして仕事をする中で、「人は味の前に、まず目で食べている」という事実を何度も感じています。 実はこれは大人だけではなく、子どもにも当てはまる話です。 子どもは大人以上に「見た目」で食べる 大人は過去の経験から、 「これはたぶん美味しい」「食べたことがあるから大丈夫」 と判断できます。 一方で子どもは経験値が少ないため、食べ物の第一印象をほぼ視覚で判断しています。 2024年に紹介された日本の保育施設向けの食育記事でも、子どもの偏食対策として「食事の見た目を工夫すること」が重要だと紹介されています。 料理を楽しく魅力的に見せることで、新しい食材への抵抗感を下げる効果が期待されているそう
笙子 太田
2 日前読了時間: 4分


なぜ"音が聞こえる写真"は売上につながるのか?|フードカメラマンが考える「売れる料理写真」の正体
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理写真を見た瞬間に、「なんか美味しそう」ではなく「今すぐ食べたい」と感じることがあります。 同じ料理を撮っているのに、この差はどこから来るんでしょうか。 撮影の仕事を長く続けてきた中で、私が一番大事にしているのが「音」という感覚です。 ジュワッ、サクッ、パリッ、とろっ 写真から実際に音が出るわけではないのに、見た人の脳内でこれらの音が自然と再生される。 そしてその"脳内再生"が「食べたい」という欲求に火をつけます。 今日は、なぜ"音が聞こえる写真"が売上につながるのかについて、現場の話を交えながら書いていきます。 人は「味」より先に"想像"を食べている 料理写真において、最初に押さえておきたい前提があります。 写真を見てもお客様には、味はわかりません。 香りもわからない。 温度もわからない。 それでも「美味しそう」と感じる これは、脳が体験を補完しているからです。 ハンバーグの肉汁、揚げ物のサクサクした衣、チーズの伸び、ブリュレが割れる瞬間。 こうした写真を見ると、人は
笙子 太田
5 日前読了時間: 5分


海外では"断面"が重要?日本と海外で違うスイーツ写真の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、海外向けにスイーツを撮りたいというご相談がかなり増えています。 そのたびに話題になるのが、 「日本では美味しそうなのに、海外では反応が弱い」という現象です。 この現象、味の問題でも商品力の問題でもなく、"見せ方の文化差"であることが多いんです。 そしてその差を一番わかりやすく象徴しているのが、「断面」という要素です。 今日は、スイーツ写真における日本と海外の設計の違いを、撮影の現場から解説していきます。 日本のスイーツ写真は「空気感」を撮る 日本の写真文化には、昔から「引き算の美学」があります。 繊細さ、余白、静けさ、上品さ。 和菓子の写真を想像するとわかりやすいと思います。 器との調和を大事にして、余白で季節感を表現する。 洋菓子でも同じです。 柔らかい光、淡い色味、ふんわりとした空気感。 こういった表現が好まれる傾向があります。 つまり日本では、写真を見た人が「きっと美味しいはず」と察してくれることを前提に、写真が設計されています。 「察する美味しさ」が成立する
笙子 太田
5月21日読了時間: 4分


"サクサク感"はどう撮る?|フードカメラマンが使う光の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理写真を見た瞬間に、「これ、絶対サクサクしてる」と感じたことはありませんか? クロワッサンの断面、揚げたての天ぷら、ミルフィーユの繊細な層。 写真なのに、なぜかパリッという音が聞こえそうな気がする。 あの感覚、実は気のせいではありません。 フードカメラマンとして現場に立ち続けてきて、はっきり言えることがあります。 あの「サクサク感」は、料理そのものが発しているのではなく、光で作っています。 「美味しそう」の正体は、目に見えない情報だった 料理写真の仕事は、よく「美味しそうに撮る仕事」と言われます。 でも私は少し違う言い方をしています。 温度、香り、音、食感etc こうした「目に見えない情報」を、視覚に翻訳する仕事だと思っています。 その中でも特に難しいのが、食感を表現することです。 なぜ難しいかというと、サクサク感は「動き」と「音」で感じるものだから。 写真は静止しているのに、食感だけは動的な情報なんです。 だからこそ、光の設計がすべてを決めます。 サクサク感は「表面」
笙子 太田
5月20日読了時間: 5分


パリパリスイーツは「音」を撮る。食感を写真で伝えるための撮影設計、教えます
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 少し前から、ある種類のスイーツが気になって仕方なくなっています。 ブリュレのキャラメリゼを割る瞬間。 チョコのコーティングが一気に砕ける断面。 カダイフ(パリパリの乾麺)とピスタチオを組み合わせたドバイチョコの、あのザクザクとした歯応え。 いわゆる「パリパリ系・ザクザク系」のスイーツが、ここ最近で明らかに存在感を増しています。 飲食トレンドを調査・発信する求人飲食店ドットコムの2025年版レポートによると、 2024年はザクザク食感が人気を集め、 2025年はさらに進化した「ハイブリッド食感」、 つまりパリパリ&もちもち、サクサク&ふわふわといった組み合わせが注目されると分析されています (出典:求人飲食店ドットコム「飲食店が参考にしたい、2025年のトレンドグルメ」2025年2月公開)。 面白いのは、この食感ブームを後押ししている要因のひとつが「音」であること。 SNSのASMR動画(咀嚼音などを収音した動画コンテンツ)の普及が、食感そのものを購買動機にしているという流
笙子 太田
5月19日読了時間: 5分


飲食店専門SNS運用代行会社との提携を開始しました〜「撮って終わり」ではなく、“売上につながる写真活用”へ〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 このたび、株式会社Light&Greenでは、飲食店専門のSNS運用代行会社(合同会社Four Seasons)との提携をスタートしました。 「せっかく良い写真が撮れたなら、そこからもっと集客につなげたい」 そのためのサポート体制を、今回の提携によって一段と強化できるようになりました。 今日はその背景と内容について、少し詳しくお話しさせてください。 なぜ、撮影×SNS運用のセットが必要なのか 撮影のご依頼をいただく飲食店様から、最近こんな声を聞くことが増えました。 「投稿が止まってしまう」 「リール動画まで手が回らない」 「写真はあるのに、Instagramでどう活かせばいいかわからない」 どれも、撮影自体はうまくいっているのに、その先で詰まっているケースです。 良い写真は、当然出発点として大切です。 ただ、今の時代はその先の「届け方」までがセットになって初めて、集客という形で結果につながっていきます。 実際のデータを見ると、その重要性がよくわかります。...
笙子 太田
5月14日読了時間: 4分


撮影の2ヶ月前に必要な準備リスト〜発注側が知らないと損する、食品撮影チェックシート〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 「撮影って、何を準備すればいいんですか?」 これは、初めて食品撮影をご依頼いただく企業様から、本当によくいただく質問です。 実際、商品撮影や料理撮影は、 「カメラマンを予約すれば終わり」 ではありません。 むしろ重要なのは、“撮影前の設計”です。 ここが曖昧なまま進むと、 ・必要なカットが足りない ・ブランドイメージが統一されない ・追加撮影が発生する ・広告で使いづらい ということが起こります。 逆に言うと、 事前準備がしっかりしている企業ほど、撮影のクオリティも、売上成果も高い傾向があります。 今日は、実際の現場で感じる 「これを事前に決めておくと本当にスムーズ」 という内容を、保存版チェックリストとしてまとめます。 なぜ“2ヶ月前”なのか? まず大前提として。 食品撮影は、「撮る日」から逆算して動く仕事ではありません。 実際には、 ・デザイン制作 ・ECページ制作 ・広告運用 ・印刷物制作 ・SNS投稿準備 などが撮影後に控えています。 つまり、“写真が完成してから
笙子 太田
5月13日読了時間: 6分


春夏秋冬・食品撮影の繁忙期カレンダー完全版|年間スケジュールを押さえて“売れるタイミング”を逃さないために
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 前回の記事では、「7〜8月は秋冬商戦の撮影ラッシュ」というお話をしました。 では、1年を通して見るとどうでしょうか? 実はフード撮影には、“明確な年間スケジュール”があります。 これを知らずに動くと、 ・撮影が間に合わない ・売りたいタイミングに写真がない ・結果的に売上を逃す ということが本当に起こります。 逆に言うと、 このカレンダーを押さえるだけで、売上設計が一気に変わります。 今日は、保存版として「食品撮影 年間スケジュール」を月別でまとめていきます。 【完全版】食品撮影 年間スケジュール(保存推奨) 1月|バレンタイン最終調整・春商品の仕込み ・バレンタイン直前の追加撮影(3月14日 → 逆算して1月中に撮影) ・ホワイトデー素材の最終仕上げ ・春スイーツ・桜商品の企画撮影開始(3〜4月発売 → 1〜2月撮影) この時期は「短期戦」。 差し替えや追加カットのスピードが重要です。 2月|ホワイトデー&春本番 ・ホワイトデー撮影ピーク ・桜 ・いちご系ビジュアルの量
笙子 太田
5月9日読了時間: 5分


7月・8月は秋冬商品の撮影ラッシュ。今すぐ動かないと間に合わない理由
「秋に新商品を出したいんですが、撮影っていつ頃依頼すればいいですか?」 食品メーカーや飲食店のご担当者から、こういった相談をよくいただきます。 そして多くの場合、「もう少し早く相談してくれたら……」と感じることがあります。 食品撮影には、一般的にあまり知られていない「業界の時間軸」があります。 この記事では、その逆算構造を知っておくだけで発注ミスがなくなる、というお話をします。 商品発売の「3〜4ヶ月前」が撮影タイミング 食品メーカーが新商品を店頭に並べるまでには、多くの工程があります。 撮影した写真は、パッケージデザインに使われ、販促チラシやECサイトに掲載され、営業用の資料にも入ります。 そのどれもが、印刷・制作・入稿の締め切りを持っています。 つまり、こういう流れです。 商品発売(10月) ← 印刷物・パッケージ入稿(9月)← デザイン制作(8月〜9月)← 写真撮影(7月〜8月) ← 撮影内容の打ち合わせ・サンプル準備(6月〜7月) 10月に商品を出したいなら、今すぐ動き始める必要があります。 7〜8月が「秋冬撮影の集中期」になる理由...
笙子 太田
5月8日読了時間: 4分


フード撮影は「料理を壊す仕事」でもある〜 料理写真の裏側 〜
こんにちは、フードカメラマンの太田笙子です。 フード撮影の現場で、ふとこんなことを思う瞬間があります。 「あ、いま私、この料理を壊しているかもしれない」 少し過激な言い方かもしれません。 でも、撮影の仕事を続けていると、確かにそう感じる瞬間があるのです。 今日は、料理写真の「裏側」について正直にお話しします。 ■ 料理は本来、食べるためにある 当たり前のことを言うようですが、料理って食べるためのものですよね。 温かいうちに、香りを楽しみながら、作りたてを口にする。料理人はそのために、朝から仕込みをして、ソースを何時間も煮詰めて、盛り付けに心を込めています。 でもフード撮影では、その流れを「いちど止める」ことになります。 カメラを構えた瞬間から、料理は「食べるもの」ではなく「見せるもの」に変わる。 そのことを、私はいつも頭の片隅に置いています。 ■ 撮影現場でやっていること では実際に、撮影現場でどんな調整をするのか。 角度を変えたり、皿の向きを微調整したり。 断面を見せるために料理を一部崩すこともあります。 ソースを少し足して流れを作ったり、高さ
笙子 太田
5月7日読了時間: 4分


フードカメラマンは「料理人の仕事」をどこまで理解するべきか〜 料理撮影の現場でいつも考えていること 〜
こんにちは。 フードカメラマンの太田笙子です。 フード撮影の仕事をしていると、時々こんなことを考えます。 フードカメラマンは、料理人の仕事をどこまで理解するべきなのだろうか。 料理人とフードカメラマンは、同じ「料理」に関わる仕事ですが、役割はまったく違います。 料理人は料理を作る人。 フードカメラマンは料理を撮る人。 しかし実際の料理撮影の現場では、 料理人の仕事をある程度理解していないと難しい場面が多くあります。 今日はそのことについて書いてみたいと思います。 フードカメラマンは料理人ではない まず前提として大事なことがあります。 フードカメラマンは、料理人ではありません。 料理を作ることが仕事ではなく、 料理の魅力を写真で伝えることが仕事です。 そのため、料理人と同じレベルで料理を作れる必要はありません。 しかし、料理人の仕事をまったく理解していない状態では、 良い料理写真を撮ることは難しいと感じています。 料理には「時間」が詰まっている 料理人の仕事を見ていると、 料理には多くの時間が詰まっていることが分かります。 例えば、 ・何時間もかけ
笙子 太田
5月6日読了時間: 3分


フード撮影は「料理人の目線」で考える〜料理写真の説得力が変わる瞬間 〜
こんにちは。 日本の食を世界に届けるフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の現場に入るとき、私がまず考えるのは 「この料理人は、どこを見せたいんだろう」ということです。 カメラの設定でも、ライティングの組み方でもなく、まずそこから始めます。 これ、最初は意外に思われるかもしれません。 でも、フードカメラマンとして現場を重ねてきた実感として、 「カメラマン目線だけで撮った写真」は、どこかズレることが多いんです。 ■ 写真が、集客の入り口になっている時代 少し話が広がりますが、飲食店のSNS活用に関する調査(株式会社シンクロ・フード「飲食店リサーチ」、2024年5月)によると、飲食店の79.1%がInstagramを運用しており、98.6%が自店で運用しているという結果が出ています。 つまり、ほぼすべての飲食店がSNSで写真を発信している時代です。 一方で、飲食店を選ぶ際に 「写真・動画(料理のビジュアル、店内の様子など)」を参考にすると回答した人は41.3%に上っており(株式会社itk調べ、2024年12月)、お客様もまた写真を見てお店を判断
笙子 太田
5月5日読了時間: 4分


フード撮影は「食べる経験」で上達する〜 料理カメラマンが大切にしていること 〜
こんにちは。 フードカメラマンの太田笙子です。 突然ですが、みなさんは「おいしいものをたくさん食べている人は、料理写真がうまい」と聞いたら、どう思いますか? 「さすがにそれは関係ないでしょ」と思う方もいるかもしれません。 でも私は、撮影の現場を重ねるうちに、これはけっこう本当のことだと感じるようになりました。 料理を食べると、何がわかるのか 料理を実際に食べると、味・食感・香り・温度といった情報が一気に入ってきます。 これって、撮影の設計にじわじわ効いてくるんです。 たとえば、サクサクとした食感の料理なら、その「軽さ」や「歯ごたえ」が伝わるような写真を目指す必要があります。 一方、濃厚でリッチな料理なら、重厚感のある光と影の設計が合う。 つまり、「この料理はどう撮れば伝わるか」という方針が、食べた経験から自然と浮かび上がってくる感覚があります。 初めて見る料理ほど、差が出る 撮影の現場では、初めて目にする料理に出会うことも少なくありません。 そのとき、食経験の積み重ねがじわっと役立ちます。 「この見た目からすると、香ばしい風味があるはず」...
笙子 太田
5月4日読了時間: 3分


フードカメラマンは「料理を作れた方がいいのか」〜 料理撮影の現場から考える 〜
こんにちは、フードカメラマンの太田笙子です。 料理撮影・食品撮影を専門に活動しています。 仕事柄、いろんな方と話す機会が多いのですが・・・ 飲食店のオーナーさん、食品メーカーの方、フードカメラマンを目指している方 かなりの確率でこんな質問をいただきます。 「料理もできた方がいいんですか?」 実は私、この質問がけっこう好きです。 なぜかというと、「撮影ってどういう仕事か」を深く理解しようとしている人だからこそ出てくる質問だと思っているから。 結論から先に言うと、プロの料理人レベルで作れる必要はまったくありません。 でも、料理を作る経験があるかどうかで、写真の「深さ」が確実に変わると感じています。今日は、その理由をちゃんと言葉にしてみようと思います。 ■ 料理を作ると「どこを見せるか」の判断が変わる フード撮影で一番難しいのは、実は技術より判断だと思っています。 シャッターを切る前の「どこを見せるか」という選択が、写真の良し悪しをほぼ決めてしまう。 料理を作る経験があると、この判断が格段に早くなります。 たとえば、煮込み料理を撮るとき。...
笙子 太田
5月3日読了時間: 5分


フード撮影は「料理人との会話」で決まる 〜良い料理写真は撮影前に決まっている 〜
こんにちは。 料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の仕事をしていると、 「写真って、やっぱり技術が全てですよね?」と聞かれることがあります。 確かに、技術は大切です。 でも現場に立ち続けてきた経験から言うと、 良い料理写真を生み出す上で技術よりもずっと重要なことがある。 それが、料理人との会話です。 ■ 良い写真は、撮影前に半分決まっている 撮影が始まる前に料理人と話す時間があります。 この時間を大切にするかどうかで、仕上がりの写真は大きく変わります。 「この料理のコンセプトは何ですか?」 「一番見せたいポイントはどこですか?」 「お客様にどんな印象を持ってほしいですか?」 こういった質問をしながら、写真の方向性を一緒に整えていきます。 料理人との対話を経ずに撮った写真と、そうでない写真は、 見た目のクオリティは似ていても、何かが違う。 その「何か」が、見る人の心を動かすかどうかを分けると、私は思っています。 ■ 料理人のこだわりは、写真のヒントになる 実際に料理人の方と話していると、撮影の方向性を決定づ
笙子 太田
5月2日読了時間: 4分


フード撮影は「料理の知識」で差がつく〜料理カメラマンに必要な、もうひとつの専門性 〜
こんにちは。フードカメラマンの太田笙子です。 料理撮影の仕事をしていると、 「写真の技術がいちばん大事なんですよね?」 と聞かれることが少なくありません。 もちろん、それは大前提です。 ただ、現場を重ねるうちにわかってきたことがあって・・・ それが、料理の知識がない人には、おいしい写真は撮れない、ということ。 今日はその話をしようと思います。 ■「なんとなく綺麗」で終わってしまう写真の正体 料理撮影の現場では、常に判断の連続です。 どの角度が食欲をそそるか、 どの部分を主役にするか、 どこを見せてどこを隠すか ・・・これらはカメラの設定だけで解決できる問題ではありません。 たとえば刺身とラーメンとステーキ、 それぞれ「おいしそうに見えるポイント」はまったく違います。 刺身なら断面の艶と色、 ラーメンなら麺の持ち上げ方と湯気のタイミング、 ステーキなら焼き色の入り方と断面のレア感。 料理の構造や食べ方を知っている人ほど、そこを自然にフレームに収めることができます。 料理の知識がないと、「なんとなく綺麗な写真」は撮れます。 でも、
笙子 太田
4月30日読了時間: 5分


料理写真はなぜ「器」が重要なのか〜フードカメラマンが料理と同じくらい器を見る理由〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理が運ばれてきた瞬間、私がまず目を向けるのは料理だけではありません。 最初に確認するのは、器です。 「それって、まずは料理でしょ?」と思われるかもしれません。 でも、器を正しく選べていない料理写真は、どれだけ腕をふるった料理でも、画面の中で"なんとなく地味"な印象になってしまうんです。 今日はその理由を、現場のリアルな視点からお伝えします。 「おいしそう」は、視覚が決める 突然ですが、ひとつ質問をさせてください。 料理の「おいしさ」って、どこで感じると思いますか? 実は、食事の満足感を感じる五感の割合として、視覚が83〜87%を占めるとされています。味覚が占めるのはわずか1%程度。 こうした多感覚知覚の研究は近年急速に進んでいて、「見た目がおいしさをつくる」という考え方は、いまや食品科学の世界でも広く認められるようになってきています。 さらに、食事の感覚的満足感において、 料理そのものが占める割合は約5%、 食器・カトラリーは約25%、 残り約70%は食空間の環境(テー
笙子 太田
4月29日読了時間: 6分


料理人の「言葉にならないこだわり」を、どう写真に残すか。
こんにちは。料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の仕事を続けていると、ふとした瞬間に自分に問いかけることがあります。 「私は今、この料理人の気持ちをちゃんと理解できているだろうか」と。 これ、意外と深い問いなんです。 料理の奥には「語られない物語」がある 料理撮影は、料理を美しく撮る仕事です。 でも実際に現場に立ってみると、それだけじゃないと強く感じます。 一皿の料理には、 ・深夜まで続く仕込みの時間 ・産地を訪ねて選んだ食材 ・盛り付けに込められた美学 ・そのお店が大切にしてきた文化 そういったものが、全部詰まっています。 料理人のそういう「背景」まで感じ取れるかどうか。 それが、フードカメラマンの仕事の質を左右すると思っています。 料理人は「こだわりを語らない」ことが多い 撮影現場で料理の説明をお願いすると、多くの料理人はお客様向けの説明をしてくださいます。 それはそれで大切な情報です。 でも、本当のこだわりはその奥にある。 たとえば、 「このソース、実は3日かけて仕込んでいるんですよ」...
笙子 太田
4月28日読了時間: 3分
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