「ケーキは切ればいい」は間違い。“切り方”で売上が変わる話
- 笙子 太田
- 1月10日
- 読了時間: 3分
ケーキ撮影の打ち合わせで、とてもよく聞く言葉があります。
「断面が見えたほうがいいですよね?じゃあ、切った写真を撮りましょう」
一見、正解のように聞こえます。
でも、料理撮影・食品撮影・商品撮影を専門にしているフードカメラマンの立場から言うと、
これは半分だけ正解です。
なぜなら、
ケーキは“切ったかどうか”ではなく、“どう切ったか”で評価が変わるから。
断面写真は「万能」ではない
たしかに、断面写真は目を引きます。
層、クリーム量、スポンジのきめ。情報が一気に伝わる。
だからこそ、
切り方を間違えると、マイナスも一気に伝わるのがケーキです。
・層がズレて見える
・クリームがはみ出している
・フルーツの配置が偏っている
味は一切変わっていなくても、
写真では「雑」「量が少なそう」「安っぽい」という印象に変換されてしまいます。
売れる断面/売れない断面の違い
売れる断面には、共通点があります。
・中心を正確に捉えている
・層の厚みが均等に見える
・断面に“余白”がある
逆に、売れない断面はこうです。
・少し端に寄っている
・情報が詰まりすぎている
・切り口が荒れている
この差は、ナイフを入れる位置と角度でほぼ決まります。

「全部見せる」は、実は逆効果
よくある失敗が、「全部見せたほうが親切」という考え。
・全層をどアップで
・クリーム量を最大限に
・断面を画面いっぱいに
これ、高級ケーキほど逆効果です。
なぜなら、情報を詰め込みすぎると“満腹感”が先に立ってしまうから。
高価格帯の商品に必要なのは、
満腹感より期待感・余韻・想像の余地。
だから、あえて全部は見せません。
切り方には「目的」がある
フードカメラマンの現場では、切り方を決める前に必ず考えます。
・これはEC用か
・ギフト用途か
・海外向けか
目的によって、正解の切り方は変わります。
例えば、
・EC → 情報重視、層が分かる切り方
・高級ライン → 余白を残す切り方
・海外向け → 分かりやすさ優先
「切る」は同じでも、見せ方はまったく別物です。
なぜ“切り方”が売上に影響するのか
2023年以降のEC関連調査では、
食品カテゴリにおいて「写真から得られる情報量と整理度」が購買判断に大きく影響することが示されています。
(出典:Shopify “Future of Commerce Report 2023”、Think with Google 食品EC調査 2024)
つまり、
・情報が多すぎてもダメ
・少なすぎても不安
・整理されていることが重要
この“整理”を担っているのが、実は切り方です。
切り方は、撮影前に決まっている
もう一つ、多くの方が驚かれることがあります。
それは、切り方は撮影中に考えないということ。
・どこで切るか
・何度で切るか
・どの面を正面にするか
これは、撮影前の設計段階でほぼ決まっています。
なぜなら、ケーキは一度切ったら戻せないから。
「切る=簡単」は、プロの現場では存在しない
ケーキ撮影で「とりあえず切る」は存在しません。
切る=
・構図を決める
・情報量を決める
・価格帯を決める
それくらい、重たい判断です。
だからこそ、サンプル数が必要になり、事前設計が重要になります。
売れるケーキ写真は、ナイフを入れる前に決まっている
ケーキは、切れば売れるわけではありません。
どう切るかで、どう売れるかが決まる。
もし、
・断面写真を入れているのに反応が弱い
・高級ラインなのに安く見える
・海外向けで不安がある
そう感じているなら、それは商品の問題ではなく切り方=写真設計の問題かもしれません。
フードカメラマンとして、ケーキを「どう切れば、どう伝わるか」まで含めて撮影設計を行っています。
ご相談はこちらからどうぞ。https://www.foodphoto-shoko.com/contact
次は、「インバウンド向けケーキ写真で日本人がやりがちな失敗を書いていきます。



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