top of page


料理は音でも美味しくなる〜なぜポテトチップスの「パリッ」は食欲を刺激するのか〜
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 突然ですが、想像してみてください・・・ ポテトチップスを一枚口に入れます。 「パリッ」 という音が聞こえます。 次に、しけってしまったポテトチップスを食べます。 「ふにゃっ」 どうですか? 同じ味がしますか・・・? ちなみに私はしないです・・・。 実際、ポテトチップスそのものの原料や味付けはほとんど変わっていない場合でも、私たちは音によって美味しさを判断しています。 つまり、人は舌だけで食べているのではありません。 耳でも食べているのです。 美味しさは五感で作られている 以前このブログで、 目隠しをすると味が感じにくくなる話。 高級レストランが照明を暗くする理由。 器の色によって味の感じ方が変わる話。 などをご紹介してきました。 実は音も同じです。 人間の脳は、 味覚、視覚、嗅覚、触覚、聴覚 をまとめて処理し、「美味しい」という体験を作っています。 だから料理そのものが同じでも、聞こえる音が違うだけで評価が変わることがあるのです。 なぜ揚げたての
笙子 太田
12 時間前読了時間: 4分


クッキーがやめられなかった女性が、甘酒に出会った話
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、麹甘酒の撮影をさせていただきました。 撮影のために商品のことを伺っていると、クライアントの女性がこんなお話をしてくださいました。 「もともと私、甘いものが止まらなかったんです。」 クッキー。 チョコレート。 ケーキ。 仕事のストレスでつい手が伸びてしまう。 食べている瞬間は幸せだけれど、あとで少し罪悪感もある。 体重も増えてしまうし、お肌も荒れてきてしまう・・・ そんな毎日を過ごしていたそうです。 その時の私は思わず頷いてしまいました。 というのも、私自身も甘いものがやめられない時期がありました。 ストレスがたまると甘いものが欲しくてたまらなくなる。。。女性に多いのではないでしょうか? 「甘いものがやめられない」という感覚は決して特別なことではないと感じています。 出会いは、一杯の甘酒だった そんなある日、その方は麹甘酒に出会ったそうです。 最初は健康のためだったのかもしれません。 あるいは誰かに勧められたのかもしれません。 でも飲み続けるうちに、不思議な変化が起きま
笙子 太田
2 日前読了時間: 3分


AIで画像加工できる時代に、カメラマンは何を売るのか
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、お客様との打ち合わせや撮影現場でこんなご相談をいただくことが増えました。 「この商品の色だけ変えられますか?」 「背景を合成できますか?」 「あとで別の商品を追加できますか?」 数年前であれば、こうしたご要望はPhotoshopで一つひとつ丁寧に作業する必要がありました。 ところが今は違います。 先日も撮影後に画像加工の依頼をいただいたのですが、試しに生成AIのGeminiを使ってみたところ、驚くほど短時間で作業が完了しました。 以前なら30分〜1時間かかっていた作業が数十秒。 正直、「これはすごい時代になったな」と思いました。 では、AIがここまで進化した今、カメラマンの仕事はなくなるのでしょうか。 私はむしろ逆だと思っています。 AIは画像を作れる。でも「正解」は教えてくれない 生成AIは非常に優秀です。 背景を変えることもできます。 商品の色を変えることもできます。 不要なものを消すこともできます。 ただし、AIは「何を作るべきか」は決めてくれません。 例えば海
笙子 太田
6 日前読了時間: 4分


売れる食品には必ず「主人公」がいる
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 これまで数え切れないほどの食品や料理を撮影してきました。 高級レストランのコース料理。 地方の特産品。 老舗の和菓子。 新しく立ち上がった食品ブランド。 その中で気づいたことがあります。 売れる食品には、必ず「主人公」がいる。 ということです。 もちろんここでいう主人公とは、商品のことではありません。 実は、商品そのものが主人公になっているケースは意外と少ないのです。 商品は脇役かもしれない 食品の紹介というと、私たちはつい商品の特徴を説明しがちです。 糖度が高い。 無添加である。 有機栽培である。 栄養価が高い。 もちろん、それらは大切な情報です。 でも、それだけで人の心が動くとは限りません。 例えば、同じ傷のついたりんごがあったとします。 「規格外のりんごです」 と言われると、少し価値が下がったように感じるかもしれません。 でも、 「去年の猛暑の中、農家さんが必死に守り抜いたりんごです」 と言われたらどうでしょう? 急に見え方が変わりませんか。 応援したくなる人もいると
笙子 太田
6月15日読了時間: 5分


クリスマスケーキ撮影は夏から始まる。12月の商品なのに、なぜ8月に撮るの?
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、ある撮影現場でお客様と雑談をしていた時のことです。 「この時期になると毎年いちごを探しているんですよね。」 何気なくそうお話ししたところ、お客様がとても驚いた表情でこうおっしゃいました。 「え?いちごですか?今6月ですよね?」 たしかに普通に考えればそうです。 スーパーにいちごが並ぶのは冬から春にかけて。6月にいちごを探していると言われても、不思議に思うのは当然です。 でも、フードカメラマンの世界では実は珍しい話ではありません。 なぜなら、クリスマスケーキの撮影は夏から始まるからです。 今日は、あまり知られていないクリスマス商戦の裏側についてお話ししたいと思います。 お客様がクリスマスを意識する頃には、すでに準備は終盤 一般のお客様がクリスマスケーキを意識し始めるのは10月から11月頃ではないでしょうか。 街にイルミネーションが増え始め、百貨店やホテルのクリスマスケーキ予約が始まる頃です。 しかし、その頃に撮影をしていては間に合いません。 クリスマスケーキの写真は、撮
笙子 太田
6月14日読了時間: 5分


海外では"黒い食べ物"が売れにくいって本当?フードカメラマン・太田笙子が考える「色と文化の翻訳」
こんにちは。インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、海外向け商品撮影の打ち合わせでこんな相談を受けました。 「黒ごまの商品なんですが、海外でもこのまま売れるでしょうか?」 海外展開を考える食品メーカーさんからよくいただく質問です。 答えは「商品次第ではなく、見せ方次第」なのですが、その話をする前に、まず知っておいてほしい前提があります。 日本では日常的に食べられている黒い食べ物(黒ごま、ひじき、海苔、イカ墨、竹炭スイーツなど)が、海外では必ずしも同じように受け入れられるとは限らない、ということです。 日本人にとって「黒」は美しさの色 まず日本人の感覚から整理してみます。 日本において黒は、ネガティブな色ではありません。 黒塗りの漆器には高級感があり、高級和食店でも黒い器はよく使われています。海苔や黒ごまは日常の食卓に当たり前のように並んでいます。 上質、洗練、職人技、和の美しさ・・・日本人にとって黒はそういったイメージと結びついています。 私自身、料理撮影で黒い背景や黒い器をよく使うのも、料理が引き締まって見えるし、和
笙子 太田
6月12日読了時間: 4分


白い皿の方がデザートは甘く感じる?黒いお皿だと・・・?
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、お客様との打ち合わせで器の話になりました。 「料理の味は同じなのに、お皿を変えたら美味しそうに見えたんです」 思わず「そうなんですよ!」とテンション上がってしまいました。 面白いことに、お皿を変えると見た目だけではなく、味の感じ方まで変わることがあります。 今日はそんな「器の色と味覚」の不思議なお話です。 同じケーキなのに甘さが変わる? 同じショートケーキを、白い皿と黒い皿にそれぞれのせたとします。 料理は何ひとつ変えていない。変わるのは皿の色だけ。 それなのに、受け取る印象はまったく違います。 これは感覚的な話ではなく、研究でも報告されていることです。 近畿大学農学部の冨田圭子准教授らは、「背景色とおいしさ」の関係を「喫食環境とおいしさの科学」として体系的にまとめており、2025年6月の第56回日本色彩学会全国大会では、皿のリムの色や太さが料理の量感に影響を与えることも発表されています。 (出典:近畿大学農学部 教員業績管理システム) つまり私たちは、器の色から「
笙子 太田
6月11日読了時間: 5分


赤い皿は本当に食欲を増進するのか?フードカメラマンが考える「色と美味しさ」の関係
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 同じ料理なのに、器が変わるだけで急に美味しそうに見えた。 逆に、なんとなく食欲が湧かなかった。 そんな経験、ありませんか? これはなぜだと思いますか? 実は、人は料理を口に入れる前から、色によって味を予測しています。 甘そう、辛そう、濃厚そう、さっぱりしていそう・・・ そういう「事前情報」を、視覚から無意識に受け取っています。 フード撮影の仕事をしていると、この「色と美味しさの関係」に本当によく向き合います。今日はそのことを、少し掘り下げて書いてみます。 人は「目で食べている」という話 近畿大学農学部の研究者による食と色彩の関係の研究では、料理は五感で味わうものであり、その中でも視覚はダイレクトかつ瞬時に働くと指摘されています。 コンビニで食品を選ぶ時、パッと見て決めることが多いように、見た目は購買意欲を喚起するマーケティング面でも重要な役割を果たしていて、その視覚を大きく左右するのが「色」だということです。 (出典:近畿大学農学部 食品栄養学科 研究紹介) Japan
笙子 太田
6月7日読了時間: 5分


人は舌で食べているのではない。脳で食べている。〜なぜ高級レストランは照明が暗いのか?〜
今日のテーマ:同じ料理でも「美味しさ」が変わる、光の不思議・・・ こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 高級レストランに行くと、「ちょっと暗いな」と感じたことはありませんか? 一方で、ファミリーレストランやカフェは全体が明るく照らされています。 この違いには、単なる雰囲気づくり以上の意味があります。 同じステーキでも、同じデザートでも、食べる場所によって「美味しさの感じ方」が変わるのです。 私は普段、飲食店や食品メーカーの商品撮影をしていますが、料理写真の世界でも光は味を左右する重要な要素です。 今回は、高級レストランがあえて照明を暗くする理由と、人が「目で食べている」ことについてお話ししたいと思います。 高級レストランは本当に暗いのか? 実は、高級レストランは単純に暗いわけではありません。 正確に言うと、「料理以外を暗くしている」のです。 テーブルの上を見ると、料理だけに光が当たっていることがよくあります。 壁や天井、周囲のお客様は少し暗く見えるのに、料理だけがふわっと浮かび上がる。 まるで舞台のスポットラ
笙子 太田
6月3日読了時間: 4分


目を閉じると、なぜ料理は“味気なく”なるのか〜視界を断たれた状態で食べるとわかる、「食べる」は目から始まっているという話〜
こんにちは。 日本の食を世界へ届けるフードカメラマン、太田笙子です。 みなさんは一度でも、目を閉じたまま食べ物を口に入れたことがあるでしょうか。 たとえば、普段大好きなショートケーキを目隠しして食べてみる。 もちろん甘さは感じます。生クリームのなめらかさもわかります。 でも、不思議なことに「いつもの感動」が少し弱く感じることがあります。 実はこれ、気のせいではありません・・!! 人は「舌だけ」で味を感じているわけではなく、視覚・嗅覚・聴覚・触覚など複数の感覚を脳の中で統合して、“美味しい”を作り上げていることが近年の研究でもわかっています。特に視覚は、味覚に大きな影響を与える感覚のひとつです。 私たちは思っている以上に「目で食べている」 料理が運ばれてきた瞬間。 まだ口に入れていないのに、 「美味しそう」 「濃厚そう」 「さっぱりしていそう」 そんな予想を無意識にしています。 実際、食品の色や形、盛り付け、光の当たり方などの視覚情報が、味の感じ方そのものに影響を与えることが報告されています。 例えば同じ飲み物でも、赤っぽい色だと甘く感じやすい。
笙子 太田
5月30日読了時間: 4分


お皿を変えただけで、子どもが野菜を食べた!好き嫌いと「見た目」の意外な関係
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 先日、知人のお子さんが「ブロッコリー嫌い」で困っているという話を聞きました。 ところが、そのブロッコリーを少し高さを出して盛り付け、明るい色のお皿に変えたところ、驚くほどあっさり食べたそうです。 もちろん、すべての好き嫌いが盛り付けだけで解決するわけではありません。 ですが私はフードカメラマンとして仕事をする中で、「人は味の前に、まず目で食べている」という事実を何度も感じています。 実はこれは大人だけではなく、子どもにも当てはまる話です。 子どもは大人以上に「見た目」で食べる 大人は過去の経験から、 「これはたぶん美味しい」「食べたことがあるから大丈夫」 と判断できます。 一方で子どもは経験値が少ないため、食べ物の第一印象をほぼ視覚で判断しています。 2024年に紹介された日本の保育施設向けの食育記事でも、子どもの偏食対策として「食事の見た目を工夫すること」が重要だと紹介されています。 料理を楽しく魅力的に見せることで、新しい食材への抵抗感を下げる効果が期待されているそう
笙子 太田
5月29日読了時間: 4分


海外では"断面"が重要?日本と海外で違うスイーツ写真の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 最近、海外向けにスイーツを撮りたいというご相談がかなり増えています。 そのたびに話題になるのが、 「日本では美味しそうなのに、海外では反応が弱い」という現象です。 この現象、味の問題でも商品力の問題でもなく、"見せ方の文化差"であることが多いんです。 そしてその差を一番わかりやすく象徴しているのが、「断面」という要素です。 今日は、スイーツ写真における日本と海外の設計の違いを、撮影の現場から解説していきます。 日本のスイーツ写真は「空気感」を撮る 日本の写真文化には、昔から「引き算の美学」があります。 繊細さ、余白、静けさ、上品さ。 和菓子の写真を想像するとわかりやすいと思います。 器との調和を大事にして、余白で季節感を表現する。 洋菓子でも同じです。 柔らかい光、淡い色味、ふんわりとした空気感。 こういった表現が好まれる傾向があります。 つまり日本では、写真を見た人が「きっと美味しいはず」と察してくれることを前提に、写真が設計されています。 「察する美味しさ」が成立する
笙子 太田
5月21日読了時間: 4分


"サクサク感"はどう撮る?|フードカメラマンが使う光の設計
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 料理写真を見た瞬間に、「これ、絶対サクサクしてる」と感じたことはありませんか? クロワッサンの断面、揚げたての天ぷら、ミルフィーユの繊細な層。 写真なのに、なぜかパリッという音が聞こえそうな気がする。 あの感覚、実は気のせいではありません。 フードカメラマンとして現場に立ち続けてきて、はっきり言えることがあります。 あの「サクサク感」は、料理そのものが発しているのではなく、光で作っています。 「美味しそう」の正体は、目に見えない情報だった 料理写真の仕事は、よく「美味しそうに撮る仕事」と言われます。 でも私は少し違う言い方をしています。 温度、香り、音、食感etc こうした「目に見えない情報」を、視覚に翻訳する仕事だと思っています。 その中でも特に難しいのが、食感を表現することです。 なぜ難しいかというと、サクサク感は「動き」と「音」で感じるものだから。 写真は静止しているのに、食感だけは動的な情報なんです。 だからこそ、光の設計がすべてを決めます。 サクサク感は「表面」
笙子 太田
5月20日読了時間: 5分


パリパリスイーツは「音」を撮る。食感を写真で伝えるための撮影設計、教えます
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 少し前から、ある種類のスイーツが気になって仕方なくなっています。 ブリュレのキャラメリゼを割る瞬間。 チョコのコーティングが一気に砕ける断面。 カダイフ(パリパリの乾麺)とピスタチオを組み合わせたドバイチョコの、あのザクザクとした歯応え。 いわゆる「パリパリ系・ザクザク系」のスイーツが、ここ最近で明らかに存在感を増しています。 飲食トレンドを調査・発信する求人飲食店ドットコムの2025年版レポートによると、 2024年はザクザク食感が人気を集め、 2025年はさらに進化した「ハイブリッド食感」、 つまりパリパリ&もちもち、サクサク&ふわふわといった組み合わせが注目されると分析されています (出典:求人飲食店ドットコム「飲食店が参考にしたい、2025年のトレンドグルメ」2025年2月公開)。 面白いのは、この食感ブームを後押ししている要因のひとつが「音」であること。 SNSのASMR動画(咀嚼音などを収音した動画コンテンツ)の普及が、食感そのものを購買動機にしているという流
笙子 太田
5月19日読了時間: 5分


撮影の2ヶ月前に必要な準備リスト〜発注側が知らないと損する、食品撮影チェックシート〜
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 「撮影って、何を準備すればいいんですか?」 これは、初めて食品撮影をご依頼いただく企業様から、本当によくいただく質問です。 実際、商品撮影や料理撮影は、 「カメラマンを予約すれば終わり」 ではありません。 むしろ重要なのは、“撮影前の設計”です。 ここが曖昧なまま進むと、 ・必要なカットが足りない ・ブランドイメージが統一されない ・追加撮影が発生する ・広告で使いづらい ということが起こります。 逆に言うと、 事前準備がしっかりしている企業ほど、撮影のクオリティも、売上成果も高い傾向があります。 今日は、実際の現場で感じる 「これを事前に決めておくと本当にスムーズ」 という内容を、保存版チェックリストとしてまとめます。 なぜ“2ヶ月前”なのか? まず大前提として。 食品撮影は、「撮る日」から逆算して動く仕事ではありません。 実際には、 ・デザイン制作 ・ECページ制作 ・広告運用 ・印刷物制作 ・SNS投稿準備 などが撮影後に控えています。 つまり、“写真が完成してから
笙子 太田
5月13日読了時間: 6分


春夏秋冬・食品撮影の繁忙期カレンダー完全版|年間スケジュールを押さえて“売れるタイミング”を逃さないために
こんにちは。 インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。 前回の記事では、「7〜8月は秋冬商戦の撮影ラッシュ」というお話をしました。 では、1年を通して見るとどうでしょうか? 実はフード撮影には、“明確な年間スケジュール”があります。 これを知らずに動くと、 ・撮影が間に合わない ・売りたいタイミングに写真がない ・結果的に売上を逃す ということが本当に起こります。 逆に言うと、 このカレンダーを押さえるだけで、売上設計が一気に変わります。 今日は、保存版として「食品撮影 年間スケジュール」を月別でまとめていきます。 【完全版】食品撮影 年間スケジュール(保存推奨) 1月|バレンタイン最終調整・春商品の仕込み ・バレンタイン直前の追加撮影(3月14日 → 逆算して1月中に撮影) ・ホワイトデー素材の最終仕上げ ・春スイーツ・桜商品の企画撮影開始(3〜4月発売 → 1〜2月撮影) この時期は「短期戦」。 差し替えや追加カットのスピードが重要です。 2月|ホワイトデー&春本番 ・ホワイトデー撮影ピーク ・桜 ・いちご系ビジュアルの量
笙子 太田
5月9日読了時間: 5分


7月・8月は秋冬商品の撮影ラッシュ。今すぐ動かないと間に合わない理由
「秋に新商品を出したいんですが、撮影っていつ頃依頼すればいいですか?」 食品メーカーや飲食店のご担当者から、こういった相談をよくいただきます。 そして多くの場合、「もう少し早く相談してくれたら……」と感じることがあります。 食品撮影には、一般的にあまり知られていない「業界の時間軸」があります。 この記事では、その逆算構造を知っておくだけで発注ミスがなくなる、というお話をします。 商品発売の「3〜4ヶ月前」が撮影タイミング 食品メーカーが新商品を店頭に並べるまでには、多くの工程があります。 撮影した写真は、パッケージデザインに使われ、販促チラシやECサイトに掲載され、営業用の資料にも入ります。 そのどれもが、印刷・制作・入稿の締め切りを持っています。 つまり、こういう流れです。 商品発売(10月) ← 印刷物・パッケージ入稿(9月)← デザイン制作(8月〜9月)← 写真撮影(7月〜8月) ← 撮影内容の打ち合わせ・サンプル準備(6月〜7月) 10月に商品を出したいなら、今すぐ動き始める必要があります。 7〜8月が「秋冬撮影の集中期」になる理由...
笙子 太田
5月8日読了時間: 4分


フード撮影は「料理を壊す仕事」でもある〜 料理写真の裏側 〜
こんにちは、フードカメラマンの太田笙子です。 フード撮影の現場で、ふとこんなことを思う瞬間があります。 「あ、いま私、この料理を壊しているかもしれない」 少し過激な言い方かもしれません。 でも、撮影の仕事を続けていると、確かにそう感じる瞬間があるのです。 今日は、料理写真の「裏側」について正直にお話しします。 ■ 料理は本来、食べるためにある 当たり前のことを言うようですが、料理って食べるためのものですよね。 温かいうちに、香りを楽しみながら、作りたてを口にする。料理人はそのために、朝から仕込みをして、ソースを何時間も煮詰めて、盛り付けに心を込めています。 でもフード撮影では、その流れを「いちど止める」ことになります。 カメラを構えた瞬間から、料理は「食べるもの」ではなく「見せるもの」に変わる。 そのことを、私はいつも頭の片隅に置いています。 ■ 撮影現場でやっていること では実際に、撮影現場でどんな調整をするのか。 角度を変えたり、皿の向きを微調整したり。 断面を見せるために料理を一部崩すこともあります。 ソースを少し足して流れを作ったり、高さ
笙子 太田
5月7日読了時間: 4分


フードカメラマンは「料理人の仕事」をどこまで理解するべきか〜 料理撮影の現場でいつも考えていること 〜
こんにちは。 フードカメラマンの太田笙子です。 フード撮影の仕事をしていると、時々こんなことを考えます。 フードカメラマンは、料理人の仕事をどこまで理解するべきなのだろうか。 料理人とフードカメラマンは、同じ「料理」に関わる仕事ですが、役割はまったく違います。 料理人は料理を作る人。 フードカメラマンは料理を撮る人。 しかし実際の料理撮影の現場では、 料理人の仕事をある程度理解していないと難しい場面が多くあります。 今日はそのことについて書いてみたいと思います。 フードカメラマンは料理人ではない まず前提として大事なことがあります。 フードカメラマンは、料理人ではありません。 料理を作ることが仕事ではなく、 料理の魅力を写真で伝えることが仕事です。 そのため、料理人と同じレベルで料理を作れる必要はありません。 しかし、料理人の仕事をまったく理解していない状態では、 良い料理写真を撮ることは難しいと感じています。 料理には「時間」が詰まっている 料理人の仕事を見ていると、 料理には多くの時間が詰まっていることが分かります。 例えば、 ・何時間もかけ
笙子 太田
5月6日読了時間: 3分


フード撮影は「料理人の目線」で考える〜料理写真の説得力が変わる瞬間 〜
こんにちは。 日本の食を世界に届けるフードカメラマン、太田笙子です。 フード撮影の現場に入るとき、私がまず考えるのは 「この料理人は、どこを見せたいんだろう」ということです。 カメラの設定でも、ライティングの組み方でもなく、まずそこから始めます。 これ、最初は意外に思われるかもしれません。 でも、フードカメラマンとして現場を重ねてきた実感として、 「カメラマン目線だけで撮った写真」は、どこかズレることが多いんです。 ■ 写真が、集客の入り口になっている時代 少し話が広がりますが、飲食店のSNS活用に関する調査(株式会社シンクロ・フード「飲食店リサーチ」、2024年5月)によると、飲食店の79.1%がInstagramを運用しており、98.6%が自店で運用しているという結果が出ています。 つまり、ほぼすべての飲食店がSNSで写真を発信している時代です。 一方で、飲食店を選ぶ際に 「写真・動画(料理のビジュアル、店内の様子など)」を参考にすると回答した人は41.3%に上っており(株式会社itk調べ、2024年12月)、お客様もまた写真を見てお店を判断
笙子 太田
5月5日読了時間: 4分
bottom of page