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シャンパンゴールドとワインレッドに学ぶ、アメリカ西海岸の“食の色気”
アメリカ西海岸では、車のボディカラーとして「シャンパンゴールド」や「ワインレッド」が人気です。この色の好みは、単なるトレンドではなく、 地域の文化的審美眼や価値観 を反映しています。実は、この“色彩感覚”を理解すると、 西海岸の人々に刺さるフード写真 を撮るヒントが見えてきます。 1. 西海岸でゴールド系が好まれる理由 カリフォルニアやオレゴンなど、西海岸では「陽の光」「開放感」「ポジティブな自己表現」が生活文化の中心にあります。シャンパンゴールドは、強い日差しの下でも上品に輝き、“ラグジュアリーでありながらナチュラル”という感覚を同時に表現できる色。 この感覚はフードフォトにも通じます。たとえば、 ナチュラルウッドのテーブルに、 金色に輝くオリーブオイル、 少し温かみのある自然光。 この「太陽のきらめきを感じるゴールドトーン」は、西海岸の人々にとって 豊かでポジティブな生活の象徴 なのです。 2. ワインレッドに込められた“成熟と情熱” ワインレッドは、アメリカ西海岸で人気の「上質な大人の色」。ナパやソノマなどのワイン文化を背景に、“熟成された
笙子 太田
10月28日読了時間: 2分


瞳の色(濃さ)によってフード写真の見え方が異なる理由
「同じ料理写真なのに、海外ではあまり反応が良くなかった」──そんな経験はありませんか?実はその原因のひとつに、“瞳の色の違い”が関係しています。 ■ 瞳の色が「光の感じ方」を変える 人間の瞳の色は、虹彩に含まれるメラニン量で決まります。メラニンが多い人(黒・濃い茶色の瞳)は、光を吸収しやすく 明るい場所でもまぶしさを感じにくい 一方、メラニンが少ない人(青・緑・明るい茶色の瞳)は、光を反射しやすく 明るい光に敏感 です。 つまり、同じ写真でも「明るすぎる」「コントラストが強すぎる」と感じる度合いが異なります。日本人のように瞳が黒い人には“ナチュラルな明るさ”に見えても、欧米の青い瞳の人には“白飛びして眩しい”印象になることがあるのです。 ■ 明るい瞳の人は「彩度とコントラスト」に反応しやすい 欧米や北欧など、瞳の色が明るい地域では、やや コントラストが強めで色がはっきりした写真 が好まれる傾向があります。これは瞳が光を多く反射するため、淡いトーンだと全体が“白っぽく見えてしまう”ためです。 たとえば、アメリカやイタリアでは「赤・オレンジ・金」など
笙子 太田
8月22日読了時間: 2分


【海外向けフード写真の基本】黒い食材はNG?カラフルな料理が好まれる理由
海外向けに料理写真を発信するとき、「黒っぽい料理」がなぜか美味しそうに見えない…そんな経験はありませんか? 実はそれ、 文化的な“色の心理”の違い が大きく関係しています。この記事では、海外向けフード写真を撮る際に避けたほうが良い「黒色食材」と、代わりに好まれる「カラフルな色味」について解説します。 ■ 黒い食材が敬遠される理由 日本では「黒」は落ち着き・高級感・深みを表す色。黒豆や海苔、イカ墨パスタ、味噌煮など、黒や焦げ茶を基調とした料理もたくさんあります。 しかし、海外(特に欧米圏)では「黒」は次のようなネガティブな印象を持たれがちです。 焦げている/古くなっているように見える 味が重たそう・消化に悪そうに見える 暗くて写真映えしない たとえば日本人が「くすんだ青色の食べ物」に抵抗を感じるように、海外では「黒っぽい料理」に“食欲減退の心理”が働くことがあります。 ■ 一方で、好まれるのは「カラフルで明るい」料理写真 海外のSNSを見てみると、人気の料理写真は共通して 明るく・鮮やか・色のコントラストがはっきり しています。たとえば… フレッシ
笙子 太田
7月17日読了時間: 3分


【海外展開の落とし穴】フード撮影で「和」を出しても海外では響かない理由
~アメリカ・シンガポール・ヨーロッパの視点から~ 「海外に日本食を発信したいから、“和”っぽく撮ろう」そう思って、木の器・和紙・竹のランチョンマット・暗めの照明で撮影していませんか? 実はそれ、**海外では思ったほど“伝わっていない”**のです。むしろ「地味」「暗い」「古風すぎる」と感じられてしまうケースが少なくありません。 この記事では、海外展開を目指す飲食ブランドやインバウンド向けレストランが、なぜ“和”を前面に出すと逆効果になるのか、そして国別の傾向を解説します。 ■ 「和の美」は日本人にしか伝わりにくい理由 日本人にとっての「和」は、静けさ・調和・控えめな美。しかし、海外の人々にとってそれは“文化的に理解しづらい美意識”でもあります。 日本の美の根底にある「侘び寂び」や「引き算の美学」は、欧米や東南アジアでは次のように受け取られがちです。 「落ち着き」→「地味で寂しい」 「控えめ」→「存在感がない」 「シンプル」→「写真映えしない」 つまり、日本人が「上品」と感じる写真でも、海外では「何をアピールしたいのかわからない」になってしまうのです
笙子 太田
4月18日読了時間: 3分


日本と海外の「美味しそう」はなぜ違うのか?
― 文化がつくる“視覚の味覚” ― 「同じ料理なのに、海外の人にはあまり美味しそうに見えない」そんな経験はありませんか? 実は「美味しそう」という感覚は、**味覚だけでなく、文化や美意識によって作られる“視覚の味覚”**でもあります。つまり、写真や見た目の印象が「美味しさ」の半分以上を決めているのです。 日本人が感じる「美味しそう」=“調和と清潔感” 日本の食文化では、「上品さ」「控えめ」「調和」が美の基準。料理写真でも以下のような特徴が好まれます。 光:やわらかく自然光中心、白っぽく淡いトーン 構図:余白を大切に、全体のバランスを重視 色彩:ベージュやグレー、淡いピンクなど中間色が多い この美意識の背景には、茶道や和食の「引き算の美学」があります。“盛りすぎない”“語りすぎない”中に、想像力を委ねる余白がある。日本人はそこに「上品な美味しさ」を感じ取るのです。 海外が感じる「美味しそう」=“明快でポジティブ” 一方、アメリカやヨーロッパ、アジア圏の多くの国では、「明るくて鮮やか」「笑顔が見える」「勢いがある」写真が好まれます。...
笙子 太田
3月17日読了時間: 2分


外国人向けメニュー写真では「おこげ」の強調は避けた方が良い理由
日本人にとって「おこげ」は、香ばしさや手作り感の象徴。しかし、 インバウンド(訪日外国人)向けメニュー写真 では、実はこの「おこげ」を強調しすぎると逆効果になる場合があります。 ◆ 理由①:「焦げ」は“失敗”や“苦味”のイメージに見える 欧米圏では、料理の「焦げ」はしばしば“Burnt(焦げすぎ)”と受け取られます。特にアメリカ・ヨーロッパ圏では「焼きすぎ=苦い=失敗した料理」という印象を持つ人も多く、香ばしさよりも 見た目の“焦げ感”にネガティブな印象 を持たれることがあります。 たとえば鉄板焼きやグリル料理でも、表面が黒っぽく見えると「焦げている」と思われ、避けられることがあります。海外では「Golden brown(こんがりきつね色)」までは好まれますが、それを超える“黒さ”はマイナス評価になることが多いのです。 ◆ 理由②:文化的に「清潔・フレッシュ」な見た目が重視される 外国人の食写真に共通しているのは、 鮮やかで明快なビジュアル です。焦げのような暗色や不均一な焼き目よりも、・フレッシュな色・ジューシーなツヤ・明るい光の中での質感が「
笙子 太田
2月24日読了時間: 2分


商品を海外展開するとき、写真で気をつけたい6つのポイント
—文化・宗教・表現の違いを理解することが“伝わるビジュアル戦略”の第一歩— グローバル市場に商品を届けるとき、最初に相手の目に触れるのは「写真」です。SNSやECサイトでは、言葉よりも早く、ビジュアルが“第一印象”を決めます。しかし、文化的背景や宗教観、法規制、色彩感覚の違いを理解せずに撮影した写真は、「魅力が伝わらない」どころか「誤解を生む」リスクさえあります。 ここでは、海外展開時に押さえておきたい6つの写真ポイントをご紹介します。 ① 文化的背景と宗教的配慮を理解する たとえば、イスラム圏では 豚肉やアルコールを含む表現 がNG。インドでは 牛肉を神聖視 する文化があり、食材写真でも避けるのが基本です。また、色にも意味があります。中国では「赤=繁栄・幸運」ですが、欧州では「攻撃的」と受け取られることもあります。撮影前に、ターゲット国の文化や宗教上の禁忌をリサーチすることが大切です。 ② 食文化の違いを尊重する 「美味しそう」の基準は国によって異なります。日本では“上品で控えめな盛り付け”が好まれますが、欧米では“ボリューム感とリアクション(
笙子 太田
1月31日読了時間: 3分


海外展開商品の撮影で欠かせない5つのポイント
— 世界に伝わる“ビジュアル戦略”とは? — 日本の食品や飲料、雑貨を海外に向けて展開する際、「写真」は言葉以上にブランドを語る要素です。実は、商品の良さを正しく伝えられずにチャンスを逃している企業は少なくありません。ここでは、 海外展開を成功させるために欠かせない撮影の5つのポイント を紹介します。 ① 視覚的なストーリーテリング ただ商品を並べるのではなく、写真を通して“物語”を伝えることが大切です。たとえば、調理の瞬間・食べる人の表情・手の動きなど、リアルな体験を感じさせるカットは、海外の消費者の感情に直接訴えかけます。“この商品でどんな時間が過ごせるのか”をイメージできるように撮ることが、購買意欲につながります。 ② 質感や色彩の正確な再現 海外では、オンライン購入が主流になるケースも多く、**写真がそのまま「実物の代わり」**になります。質感・色味が実際と異なると、「思っていたのと違う」という不信感を生むことに。光の使い方やホワイトバランスの調整など、正確な再現を意識した撮影が欠かせません。特に食材や食品の場合は、温かみ・みずみずしさの
笙子 太田
1月17日読了時間: 3分


2025年、インバウンドに響くメニュー写真とは
― 世界の視点で“食べたくなる”をつくる ― 2025年、日本を訪れる外国人観光客の市場規模は 6兆円 に達すると言われています。そんな中、飲食店の売上を左右するのが「 メニュー写真の見せ方 」。写真1枚で「食べてみたい!」を生み出せるかどうかが、来店率を大きく左右します。 では、今どんな写真がインバウンドに響くのでしょうか?ここでは、2025年の最新トレンドとともに、「世界に伝わるビジュアル戦略」のポイントを解説します。 1. 高画質・鮮明な写真が“信頼感”を生む 外国人のお客様にとって、メニュー写真は「店の信頼度」を判断する重要な材料。ぼやけた写真や暗い照明は、「清潔感がない」「古い印象」を与えてしまいます。一方で、 高画質でシャープな写真 は、「衛生的で安心できるお店」というポジティブな印象につながります。 2. シズル感で“美味しそう”を感覚的に伝える 湯気、光沢、油のきらめき、断面の瑞々しさ…。こうした「シズル感」は、言葉の壁を越えて“美味しそう”を伝える共通言語です。撮影では、 料理の一瞬の変化を捉えるタイミングと光 が鍵になります。
笙子 太田
2024年12月31日読了時間: 3分


「コンビニっぽさ」から脱却!カタログで企業の個性を引き出す方法
毎月商品カタログを発行している企業様の中には、すでに素敵なカタログをお持ちでも、さらに印象を変えたいと感じる方がいらっしゃいます。今回、その理由をお聞きすると、ある共通のテーマが浮かび上がりました。 それは 「コンビニみたいな雰囲気からの脱出」 です。 もちろん、コンビニのカタログも年々進化しており、非常に洗練されています。しかし、一目見ただけで「コンビニっぽい」と感じる独特の雰囲気があります。企業の皆さんは、この既視感から脱し、もっと モダンで落ち着きがあり、土地の個性を感じさせるカタログ を目指したいのです。 コンビニのカタログが多くの品数を効率的に紹介できるのは事実です。それは正しい方法です。しかし、「コンビニっぽさ」が強すぎると、企業の独自性や個性が埋もれてしまうことがあります。 いまの時代、個性は人だけでなく、企業にとっても重要な武器です。差別化を図るためのひとつの方法として、 カタログの写真を変える ことが大きな効果を持ちます。写真の雰囲気を少し変えるだけで、カタログ全体の印象がガラッと変わり、企業の個性や魅力を自然に引き立てる
笙子 太田
2024年8月18日読了時間: 2分


商品撮影では撮影用サンプル数が「3個以上」が理想な理由
スタジオでフード撮影を行う際、お客様から商品を郵送いただく場合は、 複数個のサンプルをご用意いただく のがおすすめです。一見、1つあれば十分に思えるかもしれませんが、実際の撮影現場では複数個あることで 仕上がりのクオリティが格段に上がります 。 1.輸送中のダメージに備える 食品はとても繊細です。配送中の 揺れ・温度変化・外箱の圧力 によって、形が崩れたり表面が凹んでしまうことがあります。特に焼き菓子やお弁当などは、わずかな凹みでも「高級感」や「清潔感」に影響してしまうことがあります。そのため、 予備サンプルがある=最も美しい状態を選べる という安心感につながります。 2.アングル・光・スタイリング違いに対応できる 撮影では、角度やライティングを変えて何パターンも試します。その際、 途中で食材を差し替えたり、盛り直したりする必要 が出てくることも多く、同じ商品が2〜3個あると、最初の美しさを保ったまま最後まで撮影を続けることができます。 3.「最もおいしそうな瞬間」を逃さないために 撮影の途中で照明熱や時間経過により、食品のツヤやみずみずしさが変
笙子 太田
2024年7月28日読了時間: 2分


冷凍食品の撮影で「完全解凍」はNG。美しい形を保つプロのコツ
フード撮影の現場で、意外と見落とされがちなのが「冷凍食品の解凍具合」です。一見、完全に解凍してから撮影した方が自然に見えると思われがちですが、実は**“完全解凍”は撮影には不向き**なケースが多くあります。 ◆ なぜ完全解凍してはいけないのか 冷凍された食材を完全に解凍すると、水分が流れ出しやすくなり、その結果—— 形が崩れてしまう カットがきれいに入らない 表面がベタつき、照りや立体感が失われる といったトラブルが起こります。とくに「冷凍スイーツ」や「肉・魚の断面撮影」では、ほんの数分の解凍時間の差が“仕上がりの美しさ”を大きく左右します。 ◆ 理想的な解凍のタイミング 撮影用にベストな状態は、 中心部がまだわずかに凍っている「半解凍」状態 。この状態だと、 包丁を入れたときに形が崩れにくい 切り口がシャープに保たれる 表面のツヤや質感が自然光で美しく映る といったメリットがあります。半解凍の状態で一度カットし、撮影直前に常温で少しだけなじませると、見た目にも自然な仕上がりになります。 ◆ 撮影中に気をつけたいポイント 解凍後すぐに撮影できるよ
笙子 太田
2024年7月17日読了時間: 2分
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