ケーキ撮影の日、スタジオが寒い理由。「冷房MAX」にするのは、わがままではありません・・・!
- 笙子 太田
- 1月2日
- 読了時間: 4分
ケーキ撮影の日、スタジオが寒い理由
「冷房MAX」にするのは、わがままではありません!!笑
ケーキ撮影の日、スタジオに入った瞬間、よく言われます。
「……寒くないですか?」
正直に言うと、寒いです。かなり。
上着を着たまま撮影することも珍しくありません。
それでも、冷房は弱めません。
なぜなら、ケーキ撮影において、室温はクオリティに直結するからです。
これは演出でも、こだわりでもなく、料理撮影・食品撮影・商品撮影の現場では極めて現実的な判断です。
クリームは、人が思っている以上に「弱い」
ケーキ撮影で一番の敵は何か。
私は迷わずこう答えます。
温度です。
・生クリーム
・ムース
・マスカルポーネ
・バタークリーム
これらは、人が「ちょっと暖かいな」と感じる温度で、すでに形を保てなくなります。
特に撮影中は、
・ライトの熱←思っている以上に周辺の温度が上がります
・人の体温
・空気の流れ
これらが重なり、想像以上にケーキは温まっていきます。
結果どうなるか。
・角が丸くなる
・表面がテカる
・断面がにじむ
味は変わっていなくても、写真では
「ダレている」
「時間が経っている」
そんな印象になります。
「あとで直せばいい」は通用しない
よくある誤解があります。
「多少ダレても、レタッチで直せますよね?」
これは、ほぼ不可能です。
食品写真において、質感の劣化は“情報の欠落”です。
・形が崩れた
・立体感が消えた
・エッジが甘くなった
これらは、後処理では取り戻せません。
特にEC用や海外向けの商品撮影では、写真の信頼性が購買判断に直結します。
2023年以降のEC調査でも、
「食品写真の質感が不自然な場合、品質そのものに不信感を持つ」
という傾向が明確に示されています。
(出典:Think with Google「食品ECにおける信頼形成」2024)
だからこそ、崩れる前に撮るそのための環境づくりが必要になります。
冷房MAXは、ケーキを守るための判断
ケーキ撮影の日に冷房をMAXにするのは、
スタッフの快適さよりケーキのコンディションを優先しているからです。
・クリームを立たせる
・断面をシャープに保つ
・撮影時間を確保する
これを成立させるためには、室温を低く保つしかありません。
特に、
・断面カットがある
・寄りの撮影が多い
・海外・EC向けで質感重視
こうした撮影では、冷房管理は必須条件です。
スタジオが寒い=撮影が雑ではない
ここで誤解してほしくないのは、
「寒い=現場がピリピリしている」ということではありません。
むしろ逆です。
ケーキ撮影がうまくいく現場ほど、
・準備が早い
・判断が速い
・撮影時間が短い
だから、ケーキが外に出ている時間も短く済みます。
冷房をかけるのは、“ダラダラ撮らないため”でもあります。
海外向け・高級ケーキほど室温管理が重要
インバウンド向け、海外向け、高価格帯のケーキになるほど、
室温管理の重要性は上がります。
理由は簡単で、「粗」が一番目立つゾーンだから。
・少しのダレ
・わずかな歪み
・微妙なツヤ
これだけで、一気に“安っぽさ”が出てしまいます。
海外向け食品ビジュアルでは、
「清潔感」
「フレッシュ感」
「精密さ」が評価基準になることが多く、写真は品質保証の役割を担います。
(出典:Shopify “Future of Commerce Report 2023”)
寒いのは、失敗しないため
ケーキ撮影の日、スタジオが寒いのは理由があります。
それは、失敗しないため。
・クリームを守る
・断面を守る
・商品の価値を守る
そのために、人間が少し我慢する。
フードカメラマンの現場では、とても当たり前の判断です。
もし、
・ケーキ写真が安っぽく見える
・断面がきれいに撮れない
・撮影中にどんどん崩れていく
そんな経験があるなら、それは技術ではなく環境設計の問題かもしれません。
ケーキ撮影は、カメラを構える前から勝負が始まっています。
撮影環境の設計から相談したい方は、こちらからどうぞ。https://www.foodphoto-shoko.com/contact
次は、「高級ケーキを安っぽく見せない写真の共通点」について書いていきます。



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