高級おせちが「安く見えてしまう」写真の共通点― 3万円と10万円の差は、料理ではなく“写真”で決まる ―
- 笙子 太田
- 2 日前
- 読了時間: 4分
「味には自信があるんです」
「原材料も妥協していません」
「価格帯としては高級ラインです」
おせち料理の撮影相談で、こうした言葉を聞くことは少なくありません。
それなのに・・・
写真を見ると、なぜか高級に見えない。
これは料理の問題ではなく、ほぼ間違いなく“写真設計”の問題です。
フードカメラマンとして、これまで1,000件以上の料理撮影・食品撮影をしてきましたが、「高いおせち」と「高そうに見えるおせち」は、まったく別物だと感じています。
写真で“価格”は決まってしまう
海外向け・インバウンド向けの商品では特に顕著ですが、
人は味を知らない状態で、まず写真だけで価格妥当性を判断します。
実際、海外ECにおける購買行動では
写真 →価格 →説明文の順で判断されるケースが多いことが分かっています。
(出典:Baymard Institute「E-commerce UX Research 2023」)
つまり、おせち料理も写真の第一印象で「この価格はアリか/ナシか」が決まる。
高級おせちが安く見える写真の共通点①
詰め込みすぎている
「豪華に見せたいから、全部きれいに写したい」
この気持ち、とてもよく分かります。
でも写真の中で情報量が多すぎると、“高級”ではなく“量が多い商品”に見えてしまうことがあります。
高級感とは、
・全部見せることではなく
・見せない余白があること
一段一段、あるいは一品ずつ「これは主役です」と言えるカットを作るほうが、結果的に価格への納得感が生まれます。
共通点②
影を消しすぎている
日本向けの料理撮影では「影をなくす=きれい」という感覚が強いですが、影を消しすぎると、料理は一気に平面的になります。
特におせちは
・重箱の立体
・具材の高さ
・素材の奥行き
が価値そのもの。
影は“汚れ”ではなく、“質感を語る要素”です。
高級おせちほど、あえて影を残したほうが「重み」「密度」「手仕事感」が伝わります。
共通点③
器・背景の“格”が合っていない
これは意外と多いポイントです。
料理自体は高級なのに、
・背景が軽すぎる
・素材感がチープ
・色が料理とケンカしている
その結果、写真全体の“格”が下がってしまう。
おせちは料理単体ではなく、重箱・背景・光を含めた“総合演出”で価値が決まります。
「料理が主役だから背景は控えめに」ではなく「料理の価値を支える背景か?」という視点が重要です。
共通点④
色を抑えすぎて“地味”になっている
上品さを意識するあまり、彩度を落としすぎてしまうケースも多いです。
ですが海外の視点では
色が弱い= 古い= 元気がない= 価値が低そう
と受け取られることもあります。
特に、赤・金・黒
といったおせち特有の色は、海外では「縁起」「祝福」「特別感」を象徴する色。
おせちは、本来とても“海外向きの色彩”を持っている料理なのです。
私が高級おせち撮影で必ず考えること
それは「この写真を見た海外の人が、10万円と言われて納得するか?」
・情報は整理されているか
・主役が明確か
・質感が伝わるか
・文化的な特別感があるか
この視点で設計すると、写真は自然と「売るための写真」に変わっていきます。
高級おせちは「価格を説明する写真」が必要
おせち料理は
・季節限定
・高価格
・文化的価値が高い
だからこそ、写真そのものが“価格説明”の役割を持つ商品です。
「なぜこの価格なのか」を言葉ではなく、1枚の写真で伝えられるか。
そこが、おせち撮影の分かれ道だと感じています。
まとめ
高級おせちが安く見える原因は、料理ではなく、写真の設計にあります。
・詰め込みすぎない
・影を活かす
・器と背景の格を揃える
・色の力を信じる
これだけでも、写真の印象は大きく変わります。
インバウンド向け・海外展開向けにおせち料理の撮影を検討されている方は、ぜひ一度「価格が伝わる写真」になっているか、見直してみてください。
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