海外は“パッケージの裏面”が最も見られる。食品商社で10年働いた私が痛感した、購入判断のリアル
- 笙子 太田
- 2025年12月14日
- 読了時間: 4分
フードカメラマンになる前、私は食品商社で10年間、商品企画・商品開発・営業 を担当していました。
当時は国内向けだけでなく、海外志向のバイヤーと一緒に商品を作る仕事も多く、“どういう情報で買う・買わないが決まるのか”という現場の空気を、肌で感じ続けていました。
そこで強烈に学んだのが、海外では「裏面こそが主役」になるという事実です。
商品そのものより先に、裏面をじっくり読み込む。原材料・栄養成分・添加物の種類・製造国…とにかく細部を徹底して確認する。
これは、私が商社時代に何百回と目撃してきたリアルな光景です。
■裏面を見るのは“クセ”ではなく“文化”
2023年の McKinsey Consumer Packaging Insights では、欧米で「食品購入時に最も信頼する情報源は?」という質問に対し、72%が“原材料・栄養成分表示” と回答しています。
さらに NielsenIQ Label Transparency Report 2024 では、67%が「裏面の情報に不信感を持ったら即購入しない」 と明言しています。
商社時代に海外展示会へ出ていたときも同じでした。バイヤーはまず裏面、そして成分表をスマホで撮っていく。その次に味。最後に表面のデザイン。
優先順位が、日本とは逆なんです。
■なぜそこまで裏面が大事なのか?
商社での経験と、カメラマンとしての今の視点を掛け合わせると、理由は大きく3つあります。
① 食品安全への意識が日本より桁違いに高い
欧米では食品スキャンダルや健康志向の高まりが長年続き、“裏面を信頼できなければ買わない”がスタンダード。
日本だと裏面は「読まれたらいいな」程度の扱いですが、海外では裏面が“信頼の証”そのものです。
② “透明性=ブランド力”と認識されている
商社時代、海外バイヤーによく言われたのが「透明性は品質と同じ価値だ」という言葉。
2024年のデータでも、消費者の80%以上が“透明性の高いブランドを選ぶ” と回答。裏面は「誠実さの表明」なんですね。
③ 健康・宗教・ライフスタイルの条件が多様
グルテンフリー、ヴィーガン、ハラールなど、国によって前提が大きく違います。
商社時代、「たった一つの成分があるだけで大量発注が消える」という恐ろしい瞬間を何度も経験しました。
裏面は「買えるかどうか」を判断する最初の関門。その文化を知らずに海外展開するのは、ほぼ不可能です。
■撮影の現場でも“裏面の重要性”は年々上昇
フードカメラマンとして独立してから、裏面の撮影依頼が劇的に増えました。
とくに海外EC・インバウンド向けは、裏面の写真が最も重要視される と言っても過言ではありません。
商社時代の経験を踏まえながら、私は撮影でこんな工夫をしています。
●1)読みやすさを最優先したライティング
白飛び・黒つぶれを避け、数字・成分がくっきり読める光に調整します。
●2)情報が“整理されて見える”構図
裏面がごちゃついて見えると、海外では一気に不信感につながります。構図の整理は、そのままブランドの誠実さにつながる要素。
●3)アイコン・記号を写真でサポート
海外の消費者は「視覚的理解の速さ」を重視します。アレルゲン、GF、Vegan、Halal…これらをきちんと写真に入れると、驚くほど反応が変わります。
■“美味しそう”より前に、“信頼できるか”
商社時代に学んだ購入行動と、カメラマンとして見ている現代の消費動向は、ぴったり一致しています。
海外市場では、裏面の読みやすさ=売上の基礎体力。
どれだけ美味しそうでも、裏面で不信感が生まれた瞬間、購入は止まります。
逆に、裏面が美しく整理され、読みやすく、透明性があるそんな写真を作れると、海外展開のチャンスは一気に広がります。
これは、商社で10年、そして今の撮影現場で積み重ねてきた確かな実感です。
海外向けの商品撮影・パッケージ改善のご相談は、こちらからお気軽にどうぞ。https://www.foodphoto-shoko.com/contact
太田笙子(元・食品商社の商品企画&営業/現在:フードカメラマン)として、「海外に伝わる裏面づくり」を丁寧にサポートいたします。






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