海外は“食べ物のサイズ”を大きく見せないと買われない ?小さすぎると「物足りない」に直結。
- 笙子 太田
- 2025年12月12日
- 読了時間: 5分
「えっ…これだけ?」
海外のお客様向けのメニュー写真を撮っていると、この“ひと言イメージ”とよく戦うことになります。
今日は、海外・インバウンド向け写真では
『食べ物のサイズを「大きく」「たっぷり」に見せないとそもそも買ってもらえない』
というお話を、フードカメラマン太田笙子の視点でまとめます。
● なぜ海外では「小さく見える=物足りない」になるのか
日本の外食って、実は世界的に見ると「適量〜少なめ」です。一方で欧米やアジアの多くの国では、「たっぷり盛られた料理」が標準サイズとして認識されています。
最近の研究では、各国で「普通だと思うポーションサイズ」と「適切だと思うポーションサイズ」にズレがあることが指摘されています。
多くの人は「適切だと思う量」よりも、実際には多めの量を“普通”だと感じている、という結果も出ています。
さらに、2024年に発表された研究では、お皿のサイズや形で、人が感じる「量感」や「見た目のボリューム」「期待価格」が大きく変わることも示されています。
つまり海外のお客様は、・写真の中の「お皿の大きさ」・料理がどれだけお皿を埋めているか・高さや山盛り感を見て、「このお店はお得か?満足できそうか?」を瞬時に判断している、ということです。
日本側から見ると「上品に少なめ」でも、海外の人から見ると「え、この値段でこれだけ?」に直結してしまう危険があります。
● オンライン注文では“量感”がシビアに見られる
とくにフードデリバリーや海外向けECでは、お客様は「写真だけ」で判断します。
近年のデータでは、・プロのフード写真を載せると、デリバリー注文数が15〜35%増える(DoorDashやGrubhubなど大手プラットフォームの調査)
と言われています。
これは「おいしそう」に見えるかどうかで売上が変わる、ということ。
ここに「量が十分ありそうか?」という視点が加わると、
・おいしそうだけど、少なそう
・値段の割にボリュームがない気がすると判断された瞬間に、別のお店へスワイプされてしまいます。
私がインバウンド向けの撮影資料でもお伝えしているのが、海外のお客様は「豊かさ・楽しさ・ボリューム感」に強く反応する、ということ。
写真の中で量感が伝わらない=「ここは候補から外そう」になりやすいのです。
● 「盛りすぎ」はNG? いいえ、“写真では”少し盛るくらいでちょうどいい
ここでよく聞かれるのが、「実際より大きく見せたら、クレームになりませんか?」という質問です。
もちろん、実物と大きくかけ離れた“詐欺写真”はNGです。ただし現場で撮影していると、多くのお店は
・器が大きすぎる・カット位置が引きすぎる・サイドの小物が多くて、主役が小さく見える
せいで、実物より“少なく”見えてしまっていることがほとんどです。
私が開催しているフード撮影講座でも、「少し寄る・器を変える・高さを出す」だけで同じ料理がまったく別物に見えることを、何度も体験していただいています。
大事なのは、量をごまかすことではなく、「実際のボリュームを、そのまま・もしくは少しだけ気前よく見せる」こと。
そのための“見せ方の工夫”が必要です。
● 海外向けに「サイズを大きく見せる」具体的なテクニック
ここからは、実際の撮影現場でよく使うテクニックをいくつかご紹介します。
① 器のサイズを一回り小さくする同じ量でも、直径の小さい器に盛ると、料理がお皿いっぱいに広がって「たっぷり」感が出ます。研究でも、お皿の大きさが“量の印象”に影響することが確認されています。
② 画角は「寄り+低め」引きの全体カットばかりだと、どうしても量が少なく見えます。・テーブルの余白は少なめ・料理の高さが出るように、やや低い位置からを意識すると、海外のSNSで好まれる“迫力の一皿”になります。
③ 山を作る・層を見せる・パスタなら中央に山を作る・海鮮丼なら具材を少し重ねて高さを出す・バーガーならレタスやパティを“ずらし気味”に重ねるなど、「高さ」と「層」が見えるように盛ると、ボリューム感が一気に伝わります。
④ 比較対象を入れる(手・カトラリー)人の手やフォーク、グラスなどが一緒に写ると、無意識にサイズ感を比較して「大きい」「食べ応えがありそう」と感じます。海外のお客様は“スケールのわかる写真”を好む傾向があります。
⑤ 「セット」写真では主役の料理を一回り大きくサラダ・スープ・ドリンクと一緒に写すときは、・メイン料理はフレームの中央&一番大きく・サイドは少し奥&小さめの器にして、主役のボリュームがしっかり目に入るようにします。
● 国・地域によって「ちょうどいいサイズ」は違う
世界24か国を対象にした研究では、地域によって「普通の量」と感じるポーションサイズが大きく異なることも報告されています。
ざっくり言うと…
北米・一部アジア → 「たっぷり・シェア前提」が好まれる
ヨーロッパ → 適量だが、日本よりはやや多め感
日本 → 「上品で控えめ」が“正解”とされやすい
インバウンドや海外ECを狙うなら、「日本人の感覚でちょうどいい量」ではなく、「ターゲット国の感覚で“満足できそう”な量」に見えるかどうかが重要です。
もちろん実際の提供量は変えずに、写真の中で“損をしない見せ方”をすることがポイントです。
● 写真を見直すときのチェックリスト
最後に、すぐに見直せるチェックリストを置いておきます。
・料理がフレームの中で小さく埋もれていないか・大きすぎるお皿に、ちょこんと乗っていないか・高さや厚みが伝わる角度になっているか・比較対象(手・カトラリー・グラスなど)は写っているか・価格に対して「ちょっと心細い量」に見えていないか
ひとつでも「うーん…」と思ったら、その写真は海外のお客様から見たときに「物足りない=買わない」に直結している可能性があります。
● インバウンド向けの“サイズ感が伝わる写真”、一緒に整えませんか?
フードカメラマン太田笙子は、インバウンド・海外展開を目指す飲食店・食品ブランド向けに、「世界基準で伝わるフードフォト」を日々撮影しています。
・海外のお客様から「量が少なそう」と言われてしまう・デリバリーやECで、写真の印象が弱い気がする・実際はボリュームがあるのに、写真で損をしている気がする
もし、そんなお悩みがあれば、一度、写真の“サイズ感”だけでも一緒に確認してみませんか?
ご相談・お問い合わせは、こちらからどうぞ。
量をごまかさずに、「ちょうどいい満足感」が伝わる写真づくりをお手伝いします。






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