国によって“写真の信頼度”が違うそのワケ
- 笙子 太田
- 2025年12月18日
- 読了時間: 3分
国によって“写真の信頼度”が違う。だから、盛り具合を変えるだけで売上は変わります。
食の世界ほど“写真の文化差”がハッキリ出るジャンルはありません。
私自身、食品商社で商品企画・営業を10年間経験し、撮影現場でも海外向け案件を数多く担当してきましたが、同じ写真でも「国によって信頼度がまったく違う」という事実に何度も驚かされました。
今日は、その“盛り具合”の違いを軸に、国別でどこまで盛って良いのか?
そして、どう調整すれば売れやすくなるのか?を読み解いていきます。
■ アメリカ:誇張OK。「美味しそう=大げさ」が正解
アメリカは広告文化そのものが“ポジティブ強調”の国。
Statista(2023)の調査でも「食品広告における強いコントラスト・誇張演出は許容範囲」と回答した人が多数派です。
だから、
・肉のテカリ強め
・チーズの伸びすぎくらいがちょうどいい
・“BIG”“JUICY”を感じる寄りの構図これくらいでようやく「美味しそう!」と受け取られます。
私の撮影現場でも、アメリカ向けだけ湯気・オイルのシズルを1.2倍ほど強めています。
それでも「リアルだね!」と言われるのがアメリカの面白いところです。
■ ヨーロッパ:誠実・実物に近い写真が信用される
一方、ヨーロッパは“食の文化が成熟している地域”。
Euromonitor(2023)とGWI(2024)でも「食品写真は実物から大きく乖離しないこと」が購買の信頼につながるというデータが明確です。
特にフランス・ドイツ・北欧は、・光は自然光に近く・質感は誇張しすぎず・実際の色に忠実・余白と落ち着きが「誠実で信頼できるブランド」につながります。
派手な誇張はむしろ逆効果で、「写真は綺麗なのに実物が違う」というレビューにつながりやすい。
その意味で、ヨーロッパ向けは“盛り70%”がベストバランスです。
■ 中国:盛ってOK。ゴージャス=信用
中国は「繁栄」「豊かさ」「勢い」を重視する文化。
中国の広告調査(2023)でも、食品写真では「彩度が高い」「量感がある」「豪華に見える」が購買率と相関しています。
つまり、・海鮮は山盛り・肉は大きく厚く・色は鮮やかめ・光を強めに当てて“成功の輝き”を演出がよく刺さる表現です。
盛ること=嘘ではなく、「価値の象徴」としてポジティブに捉えられるのが中国市場の特徴です。
■ だから、写真の“盛り方”は国別に変えるべき────────────────────────
同じ料理写真でも、アメリカ → 誇張=ポジティブヨーロッパ → 誇張=不誠実中国 → 誇張=豪華で価値がある
こんなに違うわけです。
つまり「1種類の写真で世界を狙う」のは、実はとても難しい。必要なのは“盛り具合の翻訳”です。
私が海外向け撮影で実践している調整はこんな感じです:
・アメリカ向け → 仕上げの艶と量感を1.2〜1.3倍
・ヨーロッパ向け → 実物との乖離を極力ゼロにし、自然光に近いトーンへ
・中国向け → 彩度と輝きを強め、量感を増して“豊かさ”を演出
海外のお客様がレビューやSNSに上げる写真も、各地域でまったく違う傾向があります。
その違いを観察することこそ、インバウンド集客の近道だと私は感じています。
■ 写真は「文化に合わせて翻訳するもの」
料理そのものの味は変えなくていい。でも、写真の“伝え方”は変えたほうが、確実に届きます。
海外向け写真は、相手の文化を理解することが前提。それは「迎合」ではなく、「伝わる形に整える」というクリエイティブな作業です。
インバウンド向けに売上を伸ばしたい企業さまは、ぜひ一度“国別の盛り具合”を見直してみてください。
きっと、写真の力がもっと強く働きます。
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