フェラーリはステータスを売っている。飲食店や商品も「ステータス」を売るべき理由
- 笙子 太田
- 2025年12月11日
- 読了時間: 6分
「フェラーリって、移動手段として買う人はほとんどいないですよね?」
そう話すと、多くの経営者さんが笑いながらうなずきます。フェラーリが売っているのは、速さや乗り心地だけではなく
自分の生き方
自分の価値観
自分の“格”
といった「ステータスそのもの」です。
実は、飲食店や食品・商品もまったく同じ。お客様は「お腹を満たすため」「モノそのもの」が欲しいだけではなく、
「その店・その商品を選んだ自分でありたい」
という‘ステータス’を買っている場合があります。
今日はフードフォトグラファー太田笙子として、飲食店や商品が「ステータス」を売るべき理由を、写真の話も交えながらまとめてみます。
◻︎ステータス=「私はこういう人です」という自己紹介ツール
ステータスというと、「成金っぽくなるのでは」「自慢っぽくて嫌だ」と感じる方もいるかもしれません。
ここでいうステータスは、もっとおだやかな意味です。
どんな価値観を大切にしているか
どんな時間を過ごしたいか
どんな仲間といたいのか
を、さりげなく表す「自己紹介ツール」のようなもの。
フェラーリを選ぶ人は、「速い車が欲しい」以上に、
「情熱」「成功」「美意識」「遊び心」
といったイメージに共感しているからこそ、そのブランドを選びます。
同じように、お客様が選ぶレストランや商品にも
「そこを選ぶ自分でいたい理由」
が必ずあります。そこをうまく可視化できると、価格以上の価値を感じてもらいやすくなります。
◻︎インバウンド・SNS時代は「ステータス消費」がますます強くなる
特にインバウンドのお客様や、SNSを日常的に使う世代ほど、「どんな体験を選んだか」が大きな意味を持ちます。
どんなレストランで食事をしたか
どんな器で提供されたか
どんな世界観の写真をアップできるか
これらはすべて、その人の「ライフスタイルのタグ」になります。
つまり、「おいしい」だけではもう足りず、
「どんな世界観に連れて行ってくれるのか」「どんな自分に見せてくれるのか」
まで含めて、体験を買っている時代です。
私がインバウンド向けの撮影セミナーでお話ししているのも、写真は言葉を超えて世界中に伝わる“共通言語”だということ。だからこそ、その写真に「ステータス」が写っているかどうかで、選ばれ方が変わってきます。
◻︎飲食店が「ステータス」を売るために、写真でできること
では、具体的にどんな写真だと“ステータス”が伝わるのでしょうか。ポイントをいくつか挙げてみます。
「誰のための店か」が一目でわかる世界観にする
ただ料理が並んでいるだけの写真だと、価格帯もターゲットも、なかなか伝わりません。
テーブルの素材(木・大理石・黒い石…)
器の質感(磁器・陶器・ガラス・漆)
小物(カトラリー、ナプキン、グラス)
こうした要素で「どの層に向けている店か」を写真で語ることができます。
例えば、客単価8,000円以上のインバウンド向けレストランなら、少し落ち着いた色味と余白のある構図で、「静かなラグジュアリー感」を見せたいところです。
「そこで過ごす自分」を想像させるカットを入れる
料理のアップ写真だけではなく、
グラスを持つ手元
テーブルを囲んで笑っているシーン
夜景越しにワイングラスを合わせる瞬間
など、「その場にいる自分」を想像できる写真を混ぜておくと、お客様にとっての“ステータス体験”としてイメージしやすくなります。
安売り感よりも「誇り」を優先する
高単価ゾーンでよくあるのが、
文字だらけのPOP風画像
クーポン・値引き情報を前面に出しすぎるビジュアル
これらはどうしても「ステータス」より「お得感」寄りに見えます。もちろんキャンペーンは大切ですが、「ブランドとしての顔」になる写真は、あくまで世界観と誇りを優先してあげたほうが、長い目で見るとファンが育ちます。
◻︎商品も「機能」ではなく「物語と立ち位置」を売る時代
これは食品やEC商品にも同じことが言えます。
産地や原材料のストーリー
作り手の哲学
パッケージの色・質感が伝える世界観
ここがきちんと設計されている商品ほど、ただの「◯◯味のソース」ではなく、
「このライフスタイルを選ぶ人のためのソース」
として認識されます。
私は「自分で撮れるようになりたい人のためのフード撮影講座」でも、受講者の方に「まず、誰のステータスを支える商品なのかを書き出してください」とお伝えしています。その上で撮り方・構図・背景を選ぶと、写真の方向性がぶれなくなるからです。
◻︎よくある失敗:「おいしそうなのに、どこでもよさそう」に見える
実際の撮影現場でよく出会うのが、
料理はきちんとおいしそう
光もきれい
だけど「ここじゃないとダメ」という理由が伝わってこない
という写真です。
これは「味」だけを伝えようとしていて、「ステータス(ここを選ぶ価値)」の設計が抜けているパターンです。
例えば、
あえてカトラリーを高級ラインにする
テーブルを「木」ではなく「黒いストーン」にする
背景に少しだけ夜景やシャンパングラスを写す
といった小さな工夫で、「日常ごはん」から「特別な夜」へと格が上がります。
◻︎太田笙子(フードカメラマン)としてお手伝いできること
私は「日本の食を世界に届ける」ことをテーマに活動しているフードカメラマン・太田笙子です。
Light & Green Inc.として、インバウンド向けレストランや海外展開を目指す食品ブランドの撮影に多く関わってきました。また、「自分で撮れるようになりたい」企業担当者さま向けの撮影講座も行い、現場でつまずきやすいポイントや、写真が売上にどうつながるかを一緒に整理してきました。
その中で痛感しているのは、
料理や商品そのものは素晴らしいのに
「ステータス」としての見せ方が少しもったいない
というケースが本当に多い、ということです。
もし、
インバウンドのお客様に「ここに行きたい」と思われる写真にしたい
高単価でも納得して選ばれる世界観をつくりたい
自社で撮る写真にも“ステータス感”を出したい
と感じていらっしゃったら、一度「ステータス」という視点でビジュアルを見直してみてください。
◻︎まとめ:「何を売るか」から「どんなステータスを届けるか」へ
フェラーリが「車」ではなく「ステータス」を売っているように、これからの飲食店や商品は、
おいしさ
機能
価格
だけではなく、
「それを選ぶ人の人生や価値観まで含めてデザインする」
ことが大きな差別化ポイントになっていきます。
写真は、その世界観を一瞬で伝えられる強力なツールです。せっかくなら、「おいしそう」だけで終わらせず、
「この店・この商品を選ぶ自分でいたい」
と思ってもらえるステータスまで、丁寧に写し込んでいきましょう。
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お問い合わせはこちら:https://www.foodphoto-shoko.com/contact






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