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文化的にNGな食材の写り込みに注意! インバウンド写真で絶対に外せない“宗教・文化への配慮”

  • 執筆者の写真: 笙子 太田
    笙子 太田
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 6分

海外向けの写真を撮るとき、じつは真っ先に確認するべきなのが 「食材の文化的NG」 です。これは“美味しさ”とは別の次元で、写真の印象や売上に直結します。

フードカメラマンとして日々いろいろな案件を撮影していますが、「この写真、実はターゲットによってはマズいかも…」と感じる瞬間は想像以上に多いんです。

特に注意が必要なのが、宗教的なタブーに関係する食材。


● 豚肉 → ムスリム圏では完全NG

イスラム教徒の方々は宗教上の理由で豚肉を口にしません。2023年以降、東南アジアからの訪日客が急増し(JNTOデータ)、ムスリム比率の高い国からの旅行者が増えているため、写真の中に豚肉が“意図せず写っている”だけでも不信感につながるケースがあります。

ハラール対応をしていない店舗でも、「混在が写っていないこと」 は最低限のマナー。

特に麺類・スープ類の背景に“実は豚肉”が置いてあった…というのはよくある落とし穴です。


● 牛肉 → インド市場では配慮が必須

インドでは宗教観から牛肉を避ける方が多く、海外展開やインド系顧客向けの広告の場合、牛肉の写り込みは慎重に扱う必要があります。

最近では、アジア圏からの食品バイヤーさん向けに撮影を行う機会も増えましたが、「この素材はインドのお客様が見る広告に使うので、牛肉は絶対に写さないでください」と事前に念押しされることが非常に多いです。


● “混在”はもっと危険

豚肉の横に海老、牛肉の横に豆腐…こうした“混在写真”は、日本人目線では何も気になりません。

でも、海外市場向けに置き換えると話はまったく別。

「これは食べられるもの?それとも共用スペースに置かれているだけ?」と誤解が生まれ、その不信感が購入率に直結します。

とくにインバウンドで消費額の高い層(欧米・中東・インドなど)は、食品の信頼性や透明性をとても重視します。これは海外パッケージ市場や食品安全基準の研究でも常に指摘されている傾向です。


● 写真は“無意識”の情報も伝えてしまう

例えば、ラーメンの写真。メインの丼ぶりは鶏だしなのに、背景にチャーシュー(豚肉)が写っているだけで「豚肉が入っているのかな?」と誤解されてしまうことがあります。

写真に写るものすべてが、“お店の意図”だと受け取られる。だからこそ 文化的にNGな食材が写っていないか は、国内よりもずっと慎重にチェックするべき項目です。


● 文化理解は「売上を守る」ための必須スキル

訪日外国人の消費額は2025年に6兆円規模と言われています(訪日ラボ・JNTO) 売上を伸ばす!インバウンド向け写真 —「世界に伝わるビ…。市場が広がるほど、文化的背景への配慮は“写真制作のプロセスの一部”になっています。

私は食品商社で10年間、商品企画・輸出商談・パッケージ制作を担当していましたが、文化的配慮を怠ったことが原因でサンプル採用が見送られたケースを何度も見てきました。

写真も同じです。ほんの数センチの写り込みが、海外ターゲットからの信頼を奪うこともある。

逆にいえば、文化を理解した写真は、それだけで「安心」「誠実」「信頼」につながり、選ばれやすくなります。


● まとめ:海外向け写真で必ず行うチェックリスト

・豚肉が写っていないか(ムスリム圏)・牛肉が写っていないか(インド市場)・混在食材がないか・背景小物が誤解を与えていないか・ターゲット国の宗教・文化的文脈と一致しているか

シズル感、構図、スタイリング……これらはもちろん大事ですが、文化的配慮は“その前に”ある前提条件。

海外向けの写真を撮る方や、これから海外展開を考えている企業さまは、ぜひ一度、写真の中にある「無意識のメッセージ」を見直してみてください。


お問い合わせはこちらhttps://www.foodphoto-shoko.com/contact





参考)国別「避けるべき食材リスト」

写真に“写っているだけ”で誤解や不信感につながる場合があります。特に海外向け広告・メニュー撮影・EC商品ページでは要注意です。


● イスラム圏(マレーシア・インドネシア・UAE など)

避けるべき食材・豚肉(チャーシュー、ベーコン、ラード)・アルコール(料理酒・みりんも含む)・豚由来のゼラチン

注意点・背景に置いた“豚料理の小皿”が写っているだけでもNG・みりん照りは誤解を招くため、代替調味料で調整するケースもあり

● インド(ヒンドゥー教徒が多数)

避けるべき食材・牛肉(ステーキ・ローストビーフ・ビーフカレーなど)・ビーフ由来のスープ・ブイヨン

注意点・牛革小物・牛柄の模様も避ける企業がある・ヴィーガン志向が強い都市部もあるため、乳製品の写り込みも要確認

● イスラエル・ユダヤ文化圏(コーシャ基準)

避けるべき組み合わせ・肉 × 乳製品(チーズバーガー、クリーム系ソースをかけた肉料理など)・甲殻類(宗教的にNG)・豚肉

注意点・「単体ではOKでも、組み合わせNG」が多い文化・盛り付けの“同じ皿内”にあるだけで規範違反になることも

● 中国(特に仏教系の強い地域)

避けるべき食材・生きたままの魚介の強調(倫理的理由で嫌われる地域あり)・甲殻類の見せ方(宗教行事によって忌避されるケースがある)

注意点・白い皿・白背景は「弔事」を連想する地域あり(パッケージ写真は特に注意)

● 台湾

避けるべき食材(宗教的・文化的に配慮が必要)・牛肉(農業の神様に由来して「牛を食べない」層が存在)・生々しさの強い魚介表現(血の色・内臓系)

注意点・若い世代は寛容だが、年齢層が上がるほど牛肉忌避が増える傾向

● 韓国

避けるべき食材(嗜好差によるNG)・強い“生臭さ”を感じる青魚写真・血の色が強い肉の断面

注意点・宗教的タブーよりも“見た目の清潔感”が最優先・料理の背景に暗い茶色が多いと「重たい印象」になり売れにくい

● アメリカ(多民族国家・宗教多様)

避けるべき食材(ターゲットによって変動)・宗教的理由で豚肉を避ける層・ビーガン/ベジタリアン層向け広告では乳製品・卵もNG・アレルゲン(ナッツ、グルテン)の背景写り込み

注意点・アレルゲンは2023年以降さらに規制が強化され“写っているだけ”でクレーム対象・「乳製品フリー」などの訴求では背景にバターの皿があるだけでアウト

● ヨーロッパ(宗教・文化が地域によって大きく異なる)

西ヨーロッパ(フランス・ドイツ・北欧など)

避けるべき食材(視覚的NG)・黒すぎる食材(焦げと誤解される)・血の色が強いレア肉(2023年以降、食品安全基準の意識が強化)

南ヨーロッパ(イタリア・スペイン)

避けるべき食材(文化的より嗜好の問題)・内臓系の生々しい表現・暗い皿や背景(ポジティブ・明快さを好むため)

● 中東(サウジアラビア・UAE)

避けるべき食材・豚肉全般・アルコール(瓶の写り込みだけでもNG)

注意点・左手が食器に触れる写真は避けるのが望ましい(文化的配慮)

● 複数国共通の“意外なNG”

避けるべき写真表現・同じ皿に複数種の肉が乗っている・宗教的に忌避される食材が背景にボケて写っている・“ソースの色”が血を連想させる(海外は食品安全に敏感)・動物の原型が強く残る魚(頭・目のアップなど)

私自身、食品商社にいた頃からずっと感じていますが、“NG食材を写さない” だけで、海外バイヤーの反応は驚くほど変わります。写真は「その国の文化を理解しています」というサインにもなるからです。


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