実は繊細なチョコレート撮影
- 笙子 太田
- 2025年12月19日
- 読了時間: 3分
チョコレートの撮影は、正直に言うと
「甘くて可愛い世界」だけではありません。
むしろ、料理撮影や食品撮影の中でも
かなり神経を使うジャンルのひとつです。
今日は、チョコレート商品撮影の現場で
私が必ず気をつけているポイントをお話しします。
これからチョコレートの撮影を依頼しようとしている方や、
自社で撮ろうとしている方にも、ぜひ知っておいてほしい内容です。
まず最初にお伝えしたいのが、
チョコレート撮影で一番大切なのは「部屋の温度管理」だということ。
チョコレートはとにかく温度に敏感です。
室温が少し高いだけで、表面がやわらかくなり、
ツヤが失われたり、形が崩れたりします。
逆に、急激な温度差があると
表面にうっすらと白い粉のようなものが浮き出ることがあります。
これは「ブルーム現象」と呼ばれるもので、
食べても問題はありませんが、
写真にすると一気に「古い」「品質が落ちている」印象になってしまう。
そのため、チョコレート商品撮影の現場では
・室温を一定に保つ
・照明の熱が直接当たらないようにする
・撮影前後の温度差をできるだけ作らない
こうした細かい管理が欠かせません。
料理カメラマンやフードカメラマンの中でも、
チョコレート撮影を苦手とする人が多い理由が、まさにここにあります。
次に、編集作業(レタッチ)の繊細さ。
チョコレートは色が濃く、表面がなめらかな分、
小さなホコリや粉、指紋がとても目立ちます。
肉眼では気にならなくても、
カメラで寄って撮ると驚くほど写り込む。
そのため、チョコレートの食品物撮りでは
撮影中の扱い方はもちろん、
撮影後のレタッチ作業にもかなり時間をかけます。
ただし、ここで重要なのは
「消しすぎない」こと。
質感まで消してしまうと、
チョコレート特有のなめらかさや重厚感が失われてしまいます。
このバランス感覚は、
商品撮影を数多く経験していないと身につきません。
「きれい」と「おいしそう」の間を、
どこで止めるか。
ここはプロのフードカメラマンの腕の見せどころです。
そして最後に、光の使い方。
チョコレートの見え方は、
光ひとつで驚くほど変わります。
特に重要なのが、
・光源の大きさ
・光源の形
・光の当たる角度
例えば、硬い点光源を使うと、
表面のハイライトが強く出すぎて
プラスチックのように見えてしまうことがあります。
逆に、やわらかく広い光を使うと、
チョコレートの持つ「しっとり感」「濃厚さ」がきれいに表現できます。
海外向けの商品撮影では、
このツヤ感や立体感が「高級感」「おいしさ」に直結します。
同じチョコレートでも、
光の作り方次第で
・高級ショコラ
・カジュアルなお菓子
・ギフト向け商品
まったく違う印象になるのです。
チョコレート撮影は、
ただ「置いて撮る」だけの料理撮影とは違います。
温度管理、扱い方、編集、光。
どれかひとつ欠けても、
本来の魅力は伝わりません。
だからこそ、
チョコレートの商品撮影や食品撮影を依頼する際は、
「チョコレートを撮り慣れているか」
ぜひ確認してみてください。
写真一枚で、
ブランドの印象も、価格帯の見え方も変わります。
チョコレート商品撮影や、
インバウンド・海外向けのフード写真についてのご相談は、
こちらからお気軽にどうぞ。







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