グルテンフリーは「アレルギー対応」だけでは売れない— 海外市場では“選択肢のひとつ” —
- 笙子 太田
- 2 日前
- 読了時間: 4分
こんにちは。
日本の食を世界に届けるフードカメラマン、太田笙子です。
最近、グルテンフリー食品の料理撮影・商品撮影のご相談が増えています。
米粉スイーツ、グルテンフリーパン、グルテンフリーラーメン、ビーガンスイーツなど、ジャンルはさまざまです。
ただ、撮影のご相談を受ける中でよく感じることがあります。
それは、
「グルテンフリー=アレルギー対応」だけで表現されていることが多い
ということです。
もちろん、アレルギー対応はとても重要な価値です。
しかし海外市場では、グルテンフリーはもう少し違う意味を持っています。
今日は、越境ECやインバウンド向けの食品撮影を行う中で感じているグルテンフリー商品の見せ方の違いについてお話ししたいと思います。
日本のグルテンフリーは「配慮型マーケティング」
日本では、グルテンフリー商品は
・小麦アレルギー対応
・体質に合わない人向け
・健康に配慮した食品
という文脈で紹介されることが多いです。
つまり、
「困っている人のための食品」
という位置づけになりやすい。
そのため、写真やパッケージも
・シンプル
・機能重視
・説明中心
になりがちです。
もちろんそれ自体は間違いではありません。
ただ、この見せ方だけだと、市場をかなり限定してしまうことがあります。
欧米では「ライフスタイル型マーケティング」
一方、欧米ではグルテンフリーは
・健康
・ウェルネス
・食生活の選択
・美容
・自己管理
といった文脈で語られることが多いです。
つまり、
「食のスタイルのひとつ」
として選ばれているのです。
実際、2024年に調査会社Statistaが公表したデータによると、世界のグルテンフリー食品市場は拡大を続けており、2028年には約140億ドル規模に達すると予測されています
(出典:Statista 2024)。
この市場では、グルテンフリーは
「食べられないから仕方なく選ぶ食品」
ではなく
「自分の身体のために選ぶ食品」
として認識されています。
パッケージ撮影でよくある失敗
料理カメラマンとして撮影の相談を受けると、グルテンフリー商品でよく見かけるのが次のような写真です。
・白背景のパッケージ写真のみ
・商品単体の物撮り
・成分表示が主役
これはECサイトでは必要なカットですが、それだけでは商品の魅力が伝わりません。
海外の食品ブランドは必ずと言っていいほど、
・食べているシーン
・盛り付けカット
・完成料理
を入れています。
なぜなら、
「どう食べるか」
が購入判断になるからです。
特に越境ECでは、説明文を読まないユーザーも多いので、
写真を見た瞬間に
・美味しそう
・自分でも食べてみたい
・食生活に取り入れたい
と思ってもらう必要があります。
小麦を連想させない色設計
グルテンフリー商品の撮影では、実は色設計も重要です。
例えば、
パンや焼き菓子の場合、
麦畑・小麦色・ベージュ背景
といったイメージを使うことがあります。
しかしこれは、小麦を連想させる色設計でもあります。
グルテンフリー商品の場合は、
ナチュラルカラー・グリーン・フレッシュな色味・明るい自然光
など、
健康的な食生活を想起させる色設計
に変えることで印象が大きく変わります。
同じ米粉パンでも、
背景や光の設計次第で
制限食・ライフスタイル食
のどちらにも見えてしまうのです。
グルテンフリーは「価値の翻訳」が必要
越境ECやインバウンド向けの食品撮影では、
商品の特徴をそのまま伝えるだけでは足りません。
文化や価値観の違いを理解して
価値を翻訳する必要があります。
日本では「アレルギー対応食品」
海外では「ウェルネスフード」
この違いを理解するだけでも、写真の設計は大きく変わります。
まとめ
グルテンフリー商品が売れるかどうかは、見せ方によって大きく変わります。
ポイントは次の4つです。
・日本では「配慮型マーケティング」が中心
・海外では「ライフスタイル型マーケティング」
・パッケージ写真だけでは魅力が伝わらない・色設計で印象が大きく変わる
グルテンフリーは、単なるアレルギー対応食品ではなく
新しい食文化の選択肢
として広がっています。
その価値を写真でどう伝えるかが、ブランドの印象を大きく左右します。
フードカメラマン 太田笙子は、インバウンド・海外展開を見据えた料理撮影・食品撮影・商品撮影を行っています。
グルテンフリー食品や健康志向商品の撮影、越境EC向けのビジュアル制作についてもお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらhttps://www.foodphoto-shoko.com/contact



コメント