インバウンド向けスイーツ撮影は“量感”が重要〜海外では「小さく見える写真」は損をする〜
- 笙子 太田
- 10 時間前
- 読了時間: 3分
日本のスイーツは、世界的に見てもとても繊細です。
味のバランス、見た目の美しさ、季節感。
どれも本当に素晴らしい文化だと思います。
ただ、インバウンド向けや海外EC向けの撮影をしていると、一つ大きなギャップを感じることがあります。
それが、「量感」の見せ方です。
料理撮影・食品撮影・商品撮影を専門にしているフードカメラマンとして、今日は海外向けスイーツ撮影で意識している“量感”の話をしたいと思います。
日本の「上品」は海外では「少ない」に見える
日本のスイーツ写真には、ある共通の美意識があります。
・余白が多い
・小ぶりに見せる
・繊細で控えめ
これは、日本では「上品」「洗練」と感じられる表現です。
しかし海外では、同じ写真がこう見えることがあります。
・量が少なそう
・満足感が低そう
・価格に対して小さい
つまり、“美しい”つもりの写真が、“物足りない”印象を与えてしまうのです。
海外は「ボリューム感」を重視する文化
海外のスイーツ写真を見ると、特徴がはっきりしています。
・寄りが多い
・断面をしっかり見せる
・フォークを入れるカットが多い
これは、味より先に満足感を視覚で伝える文化だからです。
特にアメリカやアジア圏では、スイーツ写真において
・クリーム量
・層の厚み
・食べ応え
こうした要素が強く伝わる写真が好まれる傾向があります。
2023年以降のEC動向分析でも、食品カテゴリーでは「ボリュームが想像できる写真」が購入意欲を高める要因として挙げられています。
(出典:Shopify “Future of Commerce Report 2023”)
小さく見せると、損をする
インバウンド向けスイーツでよくある失敗がこれです。
・引きすぎた構図
・ケーキが小さく見える
・サイズ感が分からない
こうした写真になると、海外のユーザーは
「小さいのでは?」
「(大きさに対して)高すぎるのでは?」
という印象を持ちやすくなります。
特にECでは、実物を手に取れないため、写真がサイズの判断材料になります。
つまり、量感を伝えない写真は、価格競争に巻き込まれやすいのです。
量感を出す撮影のポイント
では、インバウンド向けスイーツではどのように量感を作るのか。
フードカメラマンの現場では、いくつかの方法があります。
① 少し寄った構図を使う
スイーツが画面の中心でしっかり存在する構図にすると、自然と量感が伝わります。
② 断面を見せる
ケーキの場合、層の厚みが見えるだけで満足感が大きく変わります。
③ カトラリーを入れる
フォークやスプーンが入ると、サイズと柔らかさが想像できます。
この3つを組み合わせるだけでも、印象は大きく変わります。
「多く見せる」ではなく「伝える」
ここで大切なのは、量を誇張することではありません。
重要なのは、実際の満足感を正しく伝えること。
・小さく見えすぎない
・食べ応えが想像できる
・価格に納得できる
そのバランスを整えることが、インバウンド向け撮影では重要になります。
写真は文化翻訳
日本の美意識はとても魅力的です。
ただ、それを海外に伝えるときには、少しだけ調整が必要です。
余白・色・量感
こうした要素を海外の感覚に合わせてほんの少しだけ翻訳する。
それが、インバウンド向けのフード撮影です。
もし今、
・海外向けにスイーツを販売している
・ECで海外展開を考えている
・インバウンド客を増やしたい
そんな場合は、スイーツの魅力だけでなく量感の伝え方を見直すことで反応が変わることがあります。
フードカメラマンとして、海外向け視点での撮影設計からお手伝いしています。
お問い合わせはこちらから。https://www.foodphoto-shoko.com/contact
日本のスイーツは、本来とても魅力的です。
だからこそ、その満足感が正しく伝わる写真を作っていきたいと思っています。
株式会社Light&Green代表取締役/フードカメラマン 太田笙子



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