おせち撮影は「物撮り」ではなく「体験撮影」― なぜ海外向け写真には人の気配が必要なのか ―
- 笙子 太田
- 2 時間前
- 読了時間: 3分
海外向けにおせち料理を発信するとき、多くの方が最初に考えるのは、
「まずは、きれいに撮らないと」
ということだと思います。
もちろん、整った写真は大切です。
でもフードカメラマンとして海外向け撮影を続けてきて、はっきり分かったことがあります。
おせちは、完成品を並べただけでは伝わらない。
海外の人にとって、おせちは
・初めて見る料理
・食べ方が分からない
・どんな場面で食べるかも想像できない
だからこそ必要なのが、「体験が想像できる写真」です。
なぜ「物撮り」だけでは足りないのか
日本人は、重箱に詰められたおせちを見ただけで、
・お正月
・家族が集まる
・特別な時間
を自然と想像できます。
でも海外の方には、その前提がありません。
完成したおせちだけを“商品”として並べた写真は、海外では
「きれいだけど、よく分からない」で終わってしまうことが多いのです。
海外向けで効果的な「人の気配」
① 箸・手・開封の瞬間
海外向けのおせち撮影で、とても効果が高いのが、
・箸が伸びる瞬間
・料理を取ろうとする手
・重箱の蓋を開けた直後
こうしたカットです。
人の手が入るだけで、
・どう食べる料理なのか
・今から何が始まるのか
が一気に伝わります。
“説明しなくても分かる”状態を、写真で作る。
これが体験撮影の役割です。
② 家族団らんを想像させる「余白」
全員の顔を写す必要はありません。
・少し引いた構図
・湯気や空気感
・あえて写さない“間”
これだけで、「誰かと一緒に食べる料理」という印象が生まれます。
海外では料理そのものより、“どんな時間か”が価値になることも少なくありません。
おせちは、まさにその代表例です。
③ 「完成品」より「これから食べる」瞬間
意外かもしれませんが、海外向けでは
・完璧に整った完成カットよりも
・これから始まる直前の瞬間
の方が、反応が良いことも多いです。
・少し崩れた配置
・取り分け直前
・蓋を開けた余韻
こうした写真は、
「食べる側の視点」を強く想起させます。
見る人が、写真の中に入り込めるかどうか。
それが、体験撮影の分かれ道です。
これは「演出」ではなく「翻訳」
よく言われます。
「海外向けって、演出しすぎじゃないですか?」
でも私の感覚では、これは演出ではありません。
文化の翻訳です。
・どういう料理か
・どう食べるのか
・どんな時間なのか
それを、言葉ではなく写真という共通言語で補っているだけ。
おせちは、日本人にとっては説明不要でも、海外では“説明がないと伝わらない文化料理”。
だからこそ、人の気配が必要なのです。
海外向けおせち撮影で私が意識していること
私が撮影で一番大切にしているのは、
「この写真を見て、 自分がそこにいる気がするか?」
・席に座っている感じがするか
・手を伸ばしたくなるか
・その時間に参加したくなるか
これがYESなら、その写真は海外でもきちんと機能します。
まとめ
おせち料理の海外向け撮影は、物を撮る仕事ではありません。
体験を伝える仕事です。
・箸や手を入れる
・家族団らんを想像させる余白
・完成品より、これから食べる瞬間
これらを意識するだけで、おせち写真は「きれいな商品写真」から「体験したくなるビジュアル」へと変わります。
海外向け・インバウンド向けにおせち料理の撮影やビジュアル設計を検討されている方は、ぜひ一度、写真が“体験を語れているか”を見直してみてください。
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