ECで売られるケーキのほとんどは「冷凍」。 フルーツを美しく見せるのがフードカメラマンの腕の見せ所
- 笙子 太田
- 2月27日
- 読了時間: 4分
ECサイトで販売されているケーキは、
ほぼすべてと言っていいほど「冷凍販売」です。
全国配送を前提にするなら、
品質を安定させるために冷凍は必須。
でも、ここに大きな落とし穴があります。
それが・・・
「フルーツの解凍問題」です。
料理撮影・食品撮影・商品撮影を専門にしている
フードカメラマンの立場から言うと、
冷凍ケーキ撮影の難易度を一段引き上げているのは
実は“フルーツ”です。
ケーキ本体とフルーツは「解凍速度が違う」
冷凍ケーキを扱ったことがある方なら分かると思いますが、
・スポンジ
・クリーム
・ムース
これらと、
・いちご
・ブルーベリー
・ラズベリー
・マンゴー
では、解凍スピードがまったく違います。
フルーツは水分量が多いため、
ケーキ本体よりも早く解凍が進みます。
結果どうなるか。
・表面に水分が浮く
・ツヤが消える
・色がくすむ
・果肉がしぼむ
味は問題なくても、
写真では一気に「冷凍感」が出てしまう。
これが、
冷凍ケーキ撮影が難しい最大の理由です。
「溶けたフルーツ」は写真で致命的になる
2023年以降のEC関連調査では、
食品カテゴリにおいて
「新鮮さが視覚的に伝わらない写真」は
購入を避ける要因になりやすいことが示されています。
(出典:Think with Google 食品EC調査 2024)
特にフルーツは、
消費者が“鮮度”を判断する最も分かりやすい要素。
・いちごがくすんでいる
・ベリーがしぼんでいる
・水分がにじんでいる
これだけで、
「冷凍=品質が落ちるのでは?」
という不安につながります。
ECでは、
写真が“品質保証”の役割を担うため、
ここは絶対に妥協できません。
フードカメラマンがやっていること
では、どうするのか。
答えはシンプルですが、
とても繊細です。
① 解凍の“タイミング”をずらす
ケーキ本体とフルーツは
同じタイミングで外に出しません。
・本体は少し早め
・フルーツは後から
こうして、
撮影の瞬間に
両方がベストな状態になるように逆算します。
② 撮影順をフルーツ優先にする
フルーツが載っているカットは、
最優先で撮ります。
・寄りカット
・断面カット
・トップのビジュアルカット
温度が上がる前に、
一気に撮り切ります。
冷房をMAXにするのも、
このためです。
③ 必要に応じて差し替え・補強を行う
フードカメラマンの現場では、
・フルーツのみ別管理
・予備フルーツを用意
・最終段階で差し替え
といった判断も行います。
特に高級ケーキや
海外向け・インバウンド向け撮影では、
フルーツの状態がそのまま価格帯を決めます。
冷凍=マイナスではない
ここで強調したいのは、
冷凍だから価値が下がるわけではないということ。
むしろ今は、
・全国配送
・海外販売
・D2C展開
において、冷凍はスタンダードです。
Shopifyの2023年レポートでも、
冷凍食品市場は拡大傾向にあり、
品質を視覚でどう伝えるかが
重要テーマとして挙げられています。
(出典:Shopify “Future of Commerce Report 2023”)
だからこそ、
冷凍でも美味しそうに見せる技術が必要になります。
フルーツが美しいと、ケーキは一気に格上げされる
冷凍ケーキ撮影では、
・断面
・クリームの立体感
・そしてフルーツの鮮度感
この3つが揃って初めて、
「これは冷凍でも美味しそう」と思ってもらえます。
逆に言えば、
フルーツが崩れると
一瞬で“安価な印象”になります。
ここが、
フードカメラマンの腕の見せ所です。
もし今、
・冷凍ケーキが安っぽく見える
・フルーツがくすんで写る
・ECで反応が弱い
そんな悩みがあるなら、
それは商品の問題ではなく
解凍設計と撮影順の問題かもしれません。
冷凍ケーキの特性を理解した
撮影設計からお手伝いできます。
ご相談はこちらからどうぞ。
冷凍だからこそ、
写真で価値を引き上げる。
それが、
フードカメラマンの仕事です。



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