食器撮影で「やってはいけない」盛り付け5選― 器の価値を下げるNG演出 ―
- 笙子 太田
- 1月23日
- 読了時間: 4分
こんにちは、インバウンド・海外展開に特化したフードカメラマン/ビジュアルディレクターの太田笙子です。
食器の商品撮影やEC用写真を見ていると、
「写真はきれいなのに、なぜか器の印象が残らない」そんなケースに、よく出会います。
その原因の多くは、盛り付けのやりすぎ。
私はフードカメラマンとして、料理撮影・食品撮影・商品撮影を数多く行ってきましたが、食器撮影は“料理の常識”をそのまま持ち込むと失敗しやすいジャンルだと感じています。
この記事では、「うちの写真、これやってるかも…」と、思わずドキッとする器の価値を下げてしまうNG盛り付けを、5つに絞って解説します。
NG① 料理が主役になってしまう盛り
一番多い失敗が、これです。
・料理が豪華すぎる
・具材が多い
・色もボリュームも強い
その結果、写真の主役が“器”ではなく“料理”になってしまう。
料理撮影としては正解でも、食器撮影としては不正解です。
見る人の記憶に残るのが「美味しそうな料理」だけになった瞬間、その器は“背景”になります。
食器撮影では、料理は脇役、もしくは説明役。
主役の座は、必ず器に譲る必要があります。
NG② 高さを出しすぎる
料理撮影では「高さ=おいしさ」という考え方がよく使われます。
ですが、食器撮影で同じことをすると、
・器の深さが分からない
・サイズ感が誤解される
・実物より大きく見えてしまう
というリスクが生まれます。
特にECでは、
「思っていたより小さかった」
「写真と印象が違う」というクレームや返品につながりやすいポイント。
高さは盛るものではなく、器の形で伝える。
これが食器撮影の基本です。
NG③ 色数が多すぎる
カラフルな盛り付けは、目を引きます。でも、それが常に正解とは限りません。
・料理の色が多すぎる
・ソースやトッピングが派手
・背景やクロスも主張が強い
こうなると、器の色・質感・釉薬のニュアンスが埋もれます。
特に白・生成り・グレーなど、繊細な色味の器ほど影響を受けやすい。
食器撮影では、色数は「引き算」するほど器が浮き上がる。
盛り付けは、器の色を引き立てるための存在だと考えると、判断がしやすくなります。
NG④ 器の縁を隠す配置
これも、意外と多いNGです。
・料理がリムいっぱいまで広がっている
・ソースが縁まで回り込んでいる
・具材が縁にかかっている
器好きの人ほど、まず見るのは「縁」。
縁の立ち上がり厚みカーブ仕上げの美しさ
これらが見えない写真は、器としての魅力を半分以上失っています。
盛り付け前に、必ず自分に問いかけてください。
「この写真、器の縁ちゃんと見えてる?」
NG⑤ シズルを足しすぎる
湯気、ツヤ、ソースのとろみ。
料理撮影では大事な要素です。
でも、食器撮影では要注意。
・湯気で器の形がぼやける
・ツヤで釉薬の質感が分からない
・水滴や油分で素材感が誤解される
特にマットな器や、質感が売りの器ほど致命的です。
器を魅せたいのか、料理を魅せたいのか。
ここがブレると、シズルは一気にノイズになります。
「盛らない」=「何も載せない」ではない
ここで誤解しないでほしいのは、「じゃあ何も載せないほうがいいの?」という話ではありません。
大切なのは、器の価値を下げない“最小限”を見極めること。
・量感が分かる
・使い方が想像できる
・でも主張しすぎない
このラインを超えた瞬間、盛り付けは「説明」から「邪魔」へ変わります。
まとめ:盛り付けは「サービス精神」じゃない
食器撮影で失敗しやすい理由のひとつは、「ちゃんと伝えよう」「豪華に見せよう」というサービス精神です。
でも、器写真においては、
伝えすぎないことが、いちばんの誠実さ。
もし今、「写真はきれいなのに、器の印象が弱い」と感じているなら、盛り付けを足す前に、一度引いてみてください。
その一手間をやめるだけで、器はちゃんと主役に戻ります。
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フードカメラマン 太田笙子(食器撮影/商品撮影/食品撮影/インバウンド・海外向けビジュアル設計)






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