海外向けキッチンツール写真で、日本人がやりがちな失敗― 「伝わる」と「察してもらう」は違う ―
- 笙子 太田
- 6 日前
- 読了時間: 4分
海外向けにキッチンツールや調理器具を展開したい。
そう考えて撮影をしているのに、
「国内では評判がいいのに、海外では反応が薄い」
「写真はきれいなのに、なぜか伝わらない」
そんなご相談をいただくことがよくあります。
私はインバウンド・海外展開に特化したフードカメラマンとして、商品撮影・食品撮影・キッチンツール撮影を数多く担当してきましたが、海外向け写真には日本人が無意識にやってしまう“共通の失敗”があります。
その根本にあるのが、「察してもらえる前提」で写真を作ってしまうこと。
今日はその違いを、具体的に解説します。
日本向け写真と海外向け写真の決定的な違い
まず大前提として。
日本向け写真は、情報が少なくても成立しやすい。
なぜなら、日本人は
・行間を読む
・前提知識を補完する
・文脈を想像する文化に慣れているからです。
一方、海外向け写真は違います。
海外では、写真そのものが説明書。
・どう使うのか
・どれくらいの大きさか
・何ができるのか
これが一目で分からないと、「分からない=選ばない」という判断になります。
ここが、日本向け写真との決定的な違いです。
海外では「説明されないと分からない」ポイントが多い
日本では当たり前のキッチンツールも、海外ではまったく馴染みがないケースがあります。
例えば、
菜箸
和包丁
おろし金
巻き簀
だし関連ツール
これらは、見ただけでは用途が分からないことがほとんど。
にもかかわらず、
・単体写真
・白背景
・説明なし
で掲載してしまうと、海外ユーザーはそこで思考停止します。
「これは何?」と考える前に、スクロールされて終わりです。
使用シーンがないと理解されない理由
海外向けキッチンツール写真で、使用シーンは必須と言ってもいいほど重要です。
なぜなら、
写真=説明
動作=言語
だから。
使っている瞬間を見せることで、
用途
動き
力のかけ方
が、一瞬で伝わります。
文章で100文字書くより、1枚の使用シーン写真の方が伝わる。
これは、海外向け撮影では鉄則です。
サイズ感・重さ・使い方を「写真で」伝える考え方
海外向けでは、「数字で書けばいい」は通用しません。
cm表記や重さの数値は、ほとんど読まれていないと思っていい。
だからこそ、
手に持つ
食材と並べる
キッチンに置く
こうした比較要素が必要になります。
特に、
・思ったより大きかった
・重そう
・扱いにくそう
という不安は、写真でしか払拭できない。
「安心感」を作るのも、写真の役割です。
手・動作・途中工程がもたらす“信頼”
海外向け写真で効果的なのが、途中工程を見せること。
完成形だけではなく、
切っている
混ぜている
注いでいる
この“途中”があることで、
「ちゃんと使える」「難しくなさそう」という安心感が生まれます。
特に手元が写ると、
人の存在
スケール感
リアルな生活感
が一気に伝わる。
これは、日本向け以上に海外向けでは重要な要素です。
日本人がやりがちな最大の失敗
それは、
「分かる人には分かるだろう」
という前提で写真を作ってしまうこと。
海外向けでは、分からない人がほとんどです。
だからこそ、
察してもらう写真ではなく
伝え切る写真
が必要になる。
これは、写真の技術というより視点の切り替えの問題です。
まとめ
海外向けキッチンツール写真は「親切すぎる」くらいがちょうどいい
・使用シーンを入れる
・手と動作を見せる
・サイズ感を比較で伝える
これをやりすぎかな?と思うくらいで、海外ではちょうどいい。
海外向け写真は、「美しい」より先に「分かりやすい」ことが求められます。
もし「海外向けに撮っているのに、反応が弱い」と感じているなら、
それは写真が悪いのではなく、伝え方が日本向けのままなのかもしれません。
海外向け・インバウンド向けキッチンツール撮影、商品撮影・食品撮影のご相談はこちらから。▶︎ https://www.foodphoto-shoko.com/contact
次は「使いやすそう」はどうやって写真で作るのかについて、さらに踏み込んで解説してみようと思います。






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