写真に入れてはいけない「国別 NG カラー」とは?
- 笙子 太田
- 2025年12月1日
- 読了時間: 6分
⭐︎フードカメラマンが現場で実感している“文化と色”の話
インバウンド向けの写真や、海外展開用のビジュアルを撮っていると「この色合わせ、日本のお客様にはウケるけれど、海外だと誤解されそうだな…」と感じる場面がかなり多くあります。
色はただの“デザイン要素”ではなく、その国の歴史や宗教、日常の体験とセットで記憶されているもの。だからこそ、国によって「好まれる色」だけでなく、「写真に入れないほうがいい色の組み合わせ」=NGカラーを知っておくことは、インバウンド・海外展開では必須のリテラシーです。
今日は、フードカメラマン太田笙子が、撮影現場で特に気をつけているアメリカ・中国・中東の「写真に入れてはいけない(入れないほうがいい)ポイント」をまとめます。
1. アメリカ:黒+赤は「辛すぎ」「フェイク感」のサイン
アメリカ向けビジュアルでまず意識したいのが黒×赤の強すぎる組み合わせです。
日本だと「黒い器に赤い料理」=シックでおしゃれというイメージもありますが、アメリカでは別の連想が働きます。
真っ赤:超スパイシー、ジャンキー
黒背景:強すぎるコントラスト=“人工的”“フェイクっぽい”
特に
黒い器+どぎつい赤いソース
黒背景+ネオンのような赤い文字は、アメリカ人の目には「激辛スナック」「ジャンクフード」「食品添加物たっぷり」に近い印象になりがちです。
フード写真での“やりがちパターン”
例えば、日本のラーメン写真でよくある
黒いどんぶり
真っ赤なスープ(担々麺・辛味噌など)
黒い背景+スポットライトでコントラスト強め
この組み合わせは、日本人には「濃厚でおいしそう」ですが、アメリカ向けには「辛すぎて食べられないかも」「インスタントっぽい」「本物感がない」と敬遠されることがあります。
アメリカ向けにおすすめの工夫
赤は“少しトーンを落とした赤”や“オレンジ寄りの赤”に
黒ではなく、木のテーブル・石・リネンなど自然素材の背景を使う
黒×赤だけでなく、**白・ベージュ・緑(野菜)**を足して“ナチュラルさ”を出す
同じ料理でも、色の組み合わせを少し変えるだけで「辛すぎて無理かも」から「ちょっと挑戦してみたい」に変わります。
2. 中国:真っ白は“お祝い”より“弔事”のイメージに
次は中国。中国の色と言えば、真っ先に思い浮かぶのは赤と金ではないでしょうか。
実際、赤は「幸福・繁栄」、金は「富・成功」の象徴。お祝いの席でも、商業ビジュアルでも、とても好まれる色です。
一方で要注意なのが、真っ白一色の世界観です。
白い紙袋
白い箱
白いテーブルクロス
白いお皿に、色味の少ない料理
これらを全部重ねてしまうと、中国の方には「結婚」「お正月」よりも、「白事(弔事)」のイメージに近づいてしまうことがあります。
ギフト・お祝い系ビジュアルでは特に注意
春節(旧正月)
中秋節の月餅
縁起物のお菓子
こうした「お祝い」「贈り物」のシーンで、日本の感覚で“ミニマルでおしゃれ”を目指して白一色にしてしまうと、文化的なズレが生まれます。
中国向けビジュアルの色づかいポイント
ベースを白にするなら、→ 必ず赤・金・黒のどれかをアクセントに入れる
パッケージやリボン、敷物に赤や金を少しでも入れて“お祝い感”を補う
料理そのものの色(焼き色、ソースの色、具材の色)で、→ 白一色にならないように構成する
「全部白い=洗練」ではなく、“白をベースに、縁起色をさりげなく重ねる”という感覚が中国向けには合いやすいです。
3. 中東:色より先に「左手の写り込み」に気をつける
中東については、「NGカラー」というより撮影時の“手の使い方”がとても重要です。
多くの地域・文化圏で「左手は不浄な手」とされ、食事の場では右手を使うのがマナーとされています。
そのため、
左手でパンをちぎる
左手で料理をつかむ
左手で飲み物のグラスを持ち上げる
といったシーンが真正面から写っている写真は、中東の方から見ると「食事のマナーに反している」と感じられる場合があります。
フード撮影で意識したいこと
「手元カット」を入れるときは、右手で料理に触れているように構図を組む
左手が必要な場合でも、→ 食べ物に直接触れない位置(器を支える、テーブルにそっと添えるなど)で写す
手元よりも、“料理そのもの”や“食卓の雰囲気”を優先した構図にする
もちろん中東と一口に言っても地域や宗派によって差がありますが、「少なくとも、わざわざ左手で食べているように見える写真にはしない」というのは、安全側の配慮として持っておいて損はありません。
4. 色と文化の相関は「料理写真の基礎知識」
私はフードカメラマンとして、インバウンド向けの飲食店、海外展開を目指す食品メーカー様の撮影を日々担当しています。
その中で実感しているのは、
「美味しそう」に見える色
「高級そう」に見える色
「安全・安心」に見える色
は、国や文化によってかなり違うということです。
今回挙げた
アメリカ:黒+赤の“辛すぎ・フェイク感”
中国:白一色の“白事(弔事)”イメージ
中東:左手の写り込みによる“マナー違反”の印象
は、その一部にすぎません。
本当は、
「青」が食欲を落とす国
「黒い食材」が“焦げ・失敗”に見える国
「見えないパッケージ」が不信感を招く文化
など、写真づくりに関わる“文化と色・ビジュアル”の話は、まだまだ山ほどあります。
5. インバウンド・海外展開の写真で失敗しないために
海外向けのビジュアルを考えるとき、つい「自分の好み」や「日本で流行っているスタイル」に寄せてしまいがちです。
でも、本当に売上や予約につながる写真にしたいなら、
ターゲットとなる国・地域の文化背景
その国の人が日常で見ている色や広告のトーン
宗教・マナーに関わる“NG表現”
を、最低限押さえたうえで「魅せ方」を組み立てることがとても大事です。
6. 「日本の食を世界へ届ける」写真づくりをサポートします
太田笙子は、「日本の食を世界へ届けるフードカメラマン」として、インバウンド集客・海外展開を見据えたフード撮影を専門にしています。
アメリカ・欧州・アジア向けの商品撮影
インバウンド強化をしたいレストランのメニュー撮影
海外バイヤーに向けたカタログ・EC用の写真
など、「どの国に、どんなトーンで届けるか」を一緒に整理しながら、文化背景もふまえたビジュアル戦略をご提案しています。
「自社の商品やメニューを、どの国向けに、どんな色で見せるべきか知りたい」「この写真、海外の人にはどう見えているのか、プロの目線でチェックしてほしい」
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。
👉 お問い合わせはこちらからhttps://www.foodphoto-shoko.com/contact
写真は、世界とつながる“最初のひと言”です。色と文化の相関を味方につけて、「選ばれる一枚」を一緒につくっていきましょう。






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