お皿を変えただけで、子どもが野菜を食べた!好き嫌いと「見た目」の意外な関係
- 笙子 太田
- 20 時間前
- 読了時間: 4分
こんにちは。
インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。
先日、知人のお子さんが「ブロッコリー嫌い」で困っているという話を聞きました。
ところが、そのブロッコリーを少し高さを出して盛り付け、明るい色のお皿に変えたところ、驚くほどあっさり食べたそうです。
もちろん、すべての好き嫌いが盛り付けだけで解決するわけではありません。
ですが私はフードカメラマンとして仕事をする中で、「人は味の前に、まず目で食べている」という事実を何度も感じています。
実はこれは大人だけではなく、子どもにも当てはまる話です。
子どもは大人以上に「見た目」で食べる
大人は過去の経験から、
「これはたぶん美味しい」「食べたことがあるから大丈夫」
と判断できます。
一方で子どもは経験値が少ないため、食べ物の第一印象をほぼ視覚で判断しています。
2024年に紹介された日本の保育施設向けの食育記事でも、子どもの偏食対策として「食事の見た目を工夫すること」が重要だと紹介されています。
料理を楽しく魅力的に見せることで、新しい食材への抵抗感を下げる効果が期待されているそうです。
つまり、
「嫌いだから食べない」
のではなく、
「見た瞬間に食べたくなくなっている」
場合も少なくないのです。
フード撮影と子どもの食事は意外と共通している
私たちフードカメラマンは、料理を撮影するときに必ず考えることがあります。
それは、
「この料理を見た人が、食べたいと思うか」
ということです。
例えば同じハンバーグでも、
平らなお皿の中央に置くだけなのか。
少し高さを出して、ソースのツヤを見せて、野菜で彩りを添えるのか。
それだけで印象はまったく変わります。
これは飲食店の売上にも直結する考え方です。私はこれまで数多くの料理撮影を行ってきましたが、写真を変えただけで注文率が上がるケースを何度も見てきました。
実際、人間の脳は「美味しそう」という期待を視覚から作り出します。
つまり食べる前から、脳の中ではすでに味が始まっているのです。
盛り付けは「食育」でもある
日本では食育が重視されていますが、実は盛り付けも立派な食育のひとつだと思っています。
例えば、
トマトの赤。
ブロッコリーの緑。
卵焼きの黄色。
色が揃うだけで、食卓は一気に楽しく見えます。
子どもは色への反応が非常に素直です。
海外のフードマーケティングでも、色彩は食欲や感情に強く影響すると考えられています。私がインバウンド向け撮影で各国のビジュアル傾向を研究している中でも、「明るさ」「彩度」「楽しそうな雰囲気」は食への興味を引き出す重要な要素だと感じます。
だからこそ、
栄養だけを考えるのではなく、「食べたくなる見た目」も同じくらい大切なのです。
高級レストランが盛り付けにこだわる理由
面白いことに、ミシュラン掲載店や高級レストランほど盛り付けに時間をかけます。
なぜなら彼らは、
「味だけではなく体験を売っている」
ことを知っているからです。
料理が運ばれてきた瞬間、
「わあ!」
と思う感情。
その感情が食事全体の満足度を高めます。
これは家庭でも同じです。
キャラクター弁当を作る必要はありません。
少し余白を作る。
高さを出す。
お皿を変える。
それだけでも十分です。
子どもにとっては、その小さな演出が「食べてみようかな」というきっかけになります。
好き嫌いは味だけの問題ではない
2025年に発表された研究では、子どもの偏食は遺伝的要因も大きい一方で、家庭での食事体験や食環境も重要な影響を与えることが示されています。
つまり、
無理やり食べさせることよりも、
食卓を楽しい場所にすること。
食べ物を魅力的に見せること。
その積み重ねの方が、長い目で見ると大切なのかもしれません。
私は仕事柄、「売れる料理写真」を日々考えています。
でも最近は思うのです。
料理写真の技術は、実は家庭の食卓にも活かせるのではないかと。
もしお子さんの好き嫌いに悩んでいるなら、一度だけでもお皿や盛り付けを変えてみてください。
味は同じなのに、不思議なくらい反応が変わることがあります。
人は目で食べる。
そしてその力は、大人よりも子どもの方がずっと大きいのかもしれません。
料理撮影や食品撮影の現場で培った経験から見ても、「視覚の力」は想像以上です。
食卓の小さな工夫が、子どもの未来の食体験を変えるきっかけになるかもしれません。
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