海外向け寿司写真は“寄り”が刺さる。インバウンド集客のための寿司ビジュアル戦略
- 笙子 太田
- 2025年12月2日
- 読了時間: 5分
海外のお客様向けに寿司を撮るなら、まずは全体の雰囲気を…」そう考えて、カウンター全景や大皿を引きで撮っていないでしょうか。
もちろん、空間やお店の世界観を見せる“引きの写真”も大切です。でも、インバウンドのお客様の心を一瞬でつかむのは、実は『一本の寿司にぐっと寄った“クローズアップの写真”』
だったりします。
私は「日本の食を世界へ届けるフードカメラマン」として、海外向けの寿司・和食撮影に多く関わってきましたが、「寄りの寿司写真」を使ったお店ほど、予約サイトやSNSの反応がはっきり変わります。
今回は「なぜ海外向け寿司写真は“寄り”が刺さるのか?」を、インバウンド写真の視点から整理してみます。
日本人と海外のお客様で「見たいポイント」が違う
日本人向けのメニュー写真は、全体の調和や「お店の空気感」を重視することが多いですよね。一方で、海外の方は
主役にズームした写真
コントラストがはっきりしていて
「何が出てくるのか」が一目でわかるカット
を好む傾向があります。
同じ寿司でも、
日本人:
カウンター越しの板前さん
お盆全体に並んだ寿司の「調和」
海外のお客様:
トロ一貫の脂のツヤ
イクラの粒感
炙り寿司の焦げ目
と、注目しているポイントがそもそも違います。
だからこそ、インバウンド向けの寿司写真では「全体をなんとなく見せる引き」よりも「一本に寄って情報をはっきり見せる」方が刺さりやすいのです。
海外向け寿司写真で“寄り”が効く理由
海外向けに寿司を撮るとき、寄りのカットが強く作用する理由は、大きく3つあります。
1. 「これは何?」の不安を減らす
生魚文化に慣れていない国のお客様にとって、寿司はまだまだ“未知の料理”です。盛り合わせの引き写真だけでは、
どのネタがマグロなのか
火が通っているのか、生なのか
どれくらいの厚み・ボリュームなのか
が直感的にわかりにくいことがあります。
そこで、例えば
トロの断面に寄った一枚
炙りサーモンの表面が香ばしく光っている一枚
イクラの粒がこぼれ落ちそうな一枚
といった寄りカットを見せると、「あ、こういうものが出てくるんだ」と一瞬で理解してもらえます。
“正体がはっきり見える”ことは、海外の方にとって安心感そのものです。
2. 美味しさの「証拠」を見せられる
寄りの寿司写真は、食欲のスイッチを押す細部をしっかり映せます。
ネタの表面のツヤ
脂がほどよく光る筋の入り方
しゃり一粒一粒の立ち具合
わさびの瑞々しさや、海苔のパリッと感
こういった“質感の情報”は、引きの写真だとどうしても薄まってしまいます。
海外のお客様は、写真から「品質」や「フレッシュさ」を読み取ろうとします。寄りの写真は、その判断材料をしっかり提示できる、いわば「美味しさの証拠写真」です。
3. ストーリーとブランドを印象付けやすい
一本の寿司に寄ると、その店らしさが細部に現れます。
シャリの大きさや形
ネタとシャリのバランス
包丁の入れ方
器や塗り盆の色、カウンターの木目
たとえば「赤身を美しく見せることにこだわる寿司店」なら、マグロの寄りカットだけで“真面目で誠実な職人仕事”が伝わります。「創作寿司を売りにするお店」であれば、ソースの線やトッピングの遊び心が象徴になります。
寄りカットは、そうしたブランドストーリーの“象徴カット”になってくれるのです。
どこまで寄る? 海外向け寿司写真のフレーミング
「寄りが大事」と聞くと、つい思い切り寄りすぎてしまうこともあります。
インバウンド向けの寿司写真でおすすめしたいのは、
ネタとシャリの境目が見えるくらい
手前の一貫は大きく、奥にぼかして数貫をうっすら見せる
寿司の奥に、ほんの少しだけカウンターや器の色を入れる
といった“主役くっきり+周辺情報を少しだけ”のバランスです。
これなら
「どんな寿司か」がクリアに伝わる
「どんな店か」の雰囲気も損なわない
という、ちょうど良い寄り具合になります。
撮影テクニックのポイント(ご自身で撮る場合)
私がフード撮影講座でもお伝えしているのですが、寄りの寿司写真を撮るときは、次の3つを意識すると仕上がりがぐっと変わります。
光は“斜め横から”
真上からの光だとツヤが飛んでしまうので、サイド光や逆サイド光で立体感を出します。
背景は色数を絞る
海外向けの場合でも、背景はシンプルに。寿司より目立つ赤や柄を入れすぎない方が、主役の情報が伝わりやすいです。
ピントは“ネタの表面”に
しゃりにピントがいくより、ネタの質感が見える位置に合わせた方が、美味しさがダイレクトに伝わります。
メニュー・SNS・予約サイトでの使い分け
おすすめの使い方は、
メインビジュアル:思い切り寄った寿司のクローズアップ
サブカット:
店内全景
盛り合わせの引きカット
板前さんの手元や表情
という組み合わせです。
海外のお客様は、まず「寄りの一枚」で心をつかまれ、そのあとに「どんな雰囲気のお店か」を引きの写真で確認します。最初の一枚が“ぼんやりした引き写真”だと、その時点で他店のページに移動されてしまうことも少なくありません。
日本の寿司を、世界にもっと美味しそうに届けるために
インバウンド・海外展開に特化したフードカメラマンとして、私はいつも『日本の食の魅力を、海外の“見え方”で翻訳する』
ことを意識して撮影しています。
寿司は、日本の食文化を象徴する存在。だからこそ、「なんとなく雰囲気のいい写真」ではなく、「海外のお客様の心に刺さる写真」を用意しておくことが、これからの集客には欠かせません。
インバウンド比率をもっと高めたい寿司店
海外旅行客向けの予約サイトに本気で取り組みたいお店
海外展開を視野に入れた寿司ブランド・EC
など、「海外向けに寿司写真を整えたい」と感じたタイミングで、ぜひ一度ご相談ください。
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太田笙子(日本の食を世界へ届けるフードカメラマン)が、御社の寿司を「世界に伝わる一枚」に翻訳するお手伝いをします。






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