黒い食材は海外だと“焦げて見える”——文化背景がつくる「美味しさ」のギャップ
- 笙子 太田
- 2025年11月25日
- 読了時間: 4分
フード写真を撮っていると、日本では当たり前に“美味しそう”と感じられる色や質感が、海外のお客様にはまったく違う印象で受け取られることがあります。
その中でも特に大きなギャップが出やすいのが、黒い食材です。
日本では、黒といえば「香ばしさ」「コク」「深み」。
焼き目が強く入ったお肉や、黒い器、黒豆、海苔、イカ墨など、黒い要素はむしろ“旨味の象徴”として扱われることも多いですよね。
しかし海外に向けた写真になると、これが一気に“焦げて見える”“古く見える”“固そうに見える”と受け取られてしまうことがあります。
なぜ黒が“焦げ”に見えてしまうのか?
いくつか理由がありますが、大きいのは以下の3つです。
1. 海外は「鮮やか」「ジューシー」「立体感」が“美味しそう”の基準
アメリカ・ヨーロッパ・アジア圏、どの地域でも共通しているのは、食材の立体感と“瑞々しさ”がしっかり見えることが美味しさの判断基準になっている点です。
黒い食材は光を吸収するため、写真にすると立体感が出にくく、結果的に「古い?」「乾いてる?」という印象につながってしまいます。
また、黒は食べ物において“焦げ”“失敗”の定義として認識される文化も多いため、日本のように「香ばしさの表現」とは結びつきにくいのです。
2. 食文化の違い
日本では焼き魚の“こんがりとした皮”、焼き鳥の“少し焦げた端”、お餅の“焦げ目”などが“美味しさのポイント”として認識されます。
でも、海外では「焦げ=Burnt=Qualityが低い」という認識が強く、レストランでも焦げ目のある料理はクレームにつながることがあります。
写真の段階で黒が多いと、「味が濃すぎそう」「硬そう」「焦げて苦そう」というネガティブな印象につながるのです。
3. “食材の色”で料理を判断する文化
海外の人は、日本人以上に食材の色で鮮度や美味しさを判断する傾向があります。
特にアジア圏では濃い原色への耐性が強いので、黒は「色が濃い=味が強い=重い」と感じられがちです。
海外向けに黒を使う時のポイント
黒い食材を写真で避けたほうが良い、という話ではありません。
ただし「そのまま撮るだけでは伝わらない」というのがポイントです。
私が海外向けのフード撮影で意識しているのは、次のような点です。
● 黒を“テクスチャ”で見せる
黒は光を吸収しますが、逆にハイライトを作って立体感を出すと美味しさが伝わりやすくなります。「ただ暗い」のではなく「ツヤがある黒」を目指すイメージです。
● 黒い主役には“色の相棒”をつける
海外向けでは、黒を中心に置くより、赤・緑・黄色などの鮮やかな差し色と組み合わせる方が圧倒的に伝わりやすいです。
黒だけだと「焦げ」に見えるものも、色を足すだけで「コントラストの効いたモダンな料理」へと印象が変わります。
● 黒を主役にしすぎない
海外向け写真では、「黒い食材のアップ」「真っ黒な皿の上に黒い料理」はほぼNG。黒はアクセントとして使い、“全体の中の一部”に留めると安心です。
文化を知ると、写真が変わる
日本で“美味しそう”と評価されていた写真が、海外では“避けられる写真”になってしまうこともあります。
でもこれらは文化の違いによる“見え方のズレ”であって、正解・不正解ではなく、「翻訳の仕方」の問題なんですよね。
海外向けの写真を撮るときは、日本の感覚を一度リセットして、“どう見えるか”を多角的に考えることが欠かせません。
黒い食材はその代表例で、文化的背景を理解して撮影すると、同じ料理でも驚くほど反応が変わります。
今後インバウンドのお客様を取り込みたい、海外に商品展開したいという企業様にとって、写真の役割は確実に大きくなっています。
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