商品を海外展開するとき、写真で気をつけたい6つのポイント
- 笙子 太田
- 1月31日
- 読了時間: 3分
—文化・宗教・表現の違いを理解することが“伝わるビジュアル戦略”の第一歩—
グローバル市場に商品を届けるとき、最初に相手の目に触れるのは「写真」です。SNSやECサイトでは、言葉よりも早く、ビジュアルが“第一印象”を決めます。しかし、文化的背景や宗教観、法規制、色彩感覚の違いを理解せずに撮影した写真は、「魅力が伝わらない」どころか「誤解を生む」リスクさえあります。
ここでは、海外展開時に押さえておきたい6つの写真ポイントをご紹介します。
① 文化的背景と宗教的配慮を理解する
たとえば、イスラム圏では豚肉やアルコールを含む表現がNG。インドでは牛肉を神聖視する文化があり、食材写真でも避けるのが基本です。また、色にも意味があります。中国では「赤=繁栄・幸運」ですが、欧州では「攻撃的」と受け取られることもあります。撮影前に、ターゲット国の文化や宗教上の禁忌をリサーチすることが大切です。
② 食文化の違いを尊重する
「美味しそう」の基準は国によって異なります。日本では“上品で控えめな盛り付け”が好まれますが、欧米では“ボリューム感とリアクション(美味しそうに食べる人)”が伝わりやすい傾向があります。たとえば、寿司を海外で撮る場合は、手元・笑顔・共有のシーンを入れると「楽しそう」「食べてみたい」という印象を与えます。
③ 写真の適法性を確認する
国によっては食品表示や広告写真の規制が厳しく、「実際の内容量と異なる表現」や「効果を誇張する演出」は法律違反になる場合があります。また、人物を入れる場合は肖像権・使用許諾の確認も必須です。撮影後にトラブルを防ぐためにも、法的チェックは早い段階で行いましょう。
④ サイズ感・スケールの違いを意識する
日本の商品パッケージは“コンパクトで可愛い”印象が多いですが、海外では「小さすぎて高く見えない」と感じられることがあります。写真では、手のひらやテーブルと一緒に写してサイズを直感的に伝えることが効果的です。特にECでは「どのくらいの量か」が伝わる写真が購買率を左右します。
⑤ 実物と一致する色合いに仕上げる
海外では「写真と違う色だった」という理由で返品やクレームが発生することも。撮影時には、**カラーマネジメント(色校正)**を徹底し、自然光・人工光のバランスを調整して「実際に近い色味」を再現することが重要です。特に食品では、赤み・温度感・光沢が購買意欲に直結します。
⑥ 言語とパッケージ表示を現地化する
パッケージに英語を入れるだけでは不十分です。文化的なニュアンスを踏まえたローカライズ翻訳が必要です。また、写真内に表示される文字(例:ラベル、背景のメニュー、看板など)も現地語表記に統一することで信頼感が高まります。視覚情報の中で「違和感」をなくすことが、海外のお客様の心をつかむポイントです。
まとめ:写真は“翻訳できない言語”
写真は言葉以上に文化を映し出します。海外展開を成功させるには、「自分の美意識を押し付ける」のではなく、「相手の文化を尊重しながら、自社の魅力を翻訳する」姿勢が大切です。
世界の目線で撮ることが、世界に伝わる写真をつくる。
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