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冷凍食品の撮影で「完全解凍」はNG。美しい形を保つプロのコツ

  • 執筆者の写真: 笙子 太田
    笙子 太田
  • 2024年7月17日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年11月26日

フード撮影の現場では、食材の状態が写真の仕上がりを左右します。その中でも特に気をつけたいのが、冷凍食品の“解凍の仕方”です。

一見、「しっかり解凍してから撮影した方が自然に見えるのでは?」と思われがちですが、実際には 完全解凍はNG。むしろ“形が崩れやすくなる危険な状態”なんです。

私もこれまで1000件以上の撮影をしてきましたが、冷凍食品の撮影で仕上がりを大きく左右するのは、ライティングでも構図でもなく、“解凍のタイミング”であることが本当に多くあります。


■ なぜ完全解凍するとダメなのか?

冷凍された食品には、水分がぎゅっと詰まっています。これが完全に解凍されると、水分が一気に流れ出し、以下のような問題が起こります。

  • 形が崩れやすい(とくにスイーツやフィリング入りの食品)

  • カットがきれいに入らない(断面がべちゃっとする)

  • 表面にぬめりやテカりが出る(ライトで不自然に反射する)

  • 盛りつけても立体感が出ない

一度完全に解凍してしまうと、もう“本来の形の美しさ”を取り戻せません。

冷凍ケーキ、冷凍パイ、餃子、小籠包、冷凍肉、冷凍魚などなど、これらはすべて、完全解凍するとフォルムがダメージを受けやすい代表例です。


■ プロが鉄則としている「半解凍で扱う」という方法

プロの現場では、冷凍食品は “中心がわずかに凍っている半解凍” の状態で扱います。この状態だと、

  • 形がしっかりしていて崩れない

  • 包丁を入れても断面がシャープに出る

  • 表面の質感が美しいままキープできる

というメリットがあり、撮影に最適なのです。

特に断面撮影では、この「半解凍かどうか」で出来栄えが本当に変わります。

半解凍でカットし、撮影直前に少しだけ室温で馴染ませる。

これが自然さと美しさを両立させる、最も失敗しないやり方です。


■ 撮影前の準備で失敗が防げる

冷凍食品の撮影では、食品の解凍を待ちながら撮影準備をしていては手遅れです。

麺類やソース系と同じで、「状態の良い一瞬」を逃さないことが重要。

  • ライティング

  • 背景

  • 角度

  • ピント位置

これらは 食品を触る前に すべて決めておきます。

ベストな温度になったら、すぐに撮影に入れる状態にしておくことで、品質の良いカットが撮れます。

■ 冷凍食品こそ“美味しそうに見せる技術”が問われる

海外向け・インバウンド向けの撮影では、鮮明さ・清潔感・色の良さが売上に直結します。

だからこそ「形が崩れない」「断面が美しい」というのは、写真が伝える印象において非常に重要です。

冷凍食品は、実は一番“素材の扱い方”が写真に出やすいジャンルと言ってもいいほど。

手順をひとつ間違えるだけで、写真がぼんやりし、商品の価値が伝わらなくなります。

逆に、解凍の仕方を正しく押さえておけば、“冷凍であることを感じさせないクオリティ”の写真が撮れます。

これは飲食店やメーカーにとって、売上や購買率を左右する大きな要素です。


AKARI FOODPHOTO STUDIO 日本の食を世界へ届けるフードカメラマン 太田笙子


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