自然光撮影とライティング撮影、現場によって使い分けるメリット・デメリット
- 笙子 太田
- 2024年8月23日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月26日
フード撮影をしていると、「自然光で撮るべきか?」「ライティングを組むべきか?」という選択は、毎回のように出てきます。
どちらかが“絶対に正しい”ということはありません。
むしろ、現場の環境や撮りたい雰囲気、商品そのものの魅力によって、ベストな選択は変わります。
今日は、私自身が現場で感じてきた「自然光撮影」と「ライティング撮影」それぞれのメリットとデメリットを、できるだけわかりやすい言葉でまとめてみます。
■ 自然光での撮影
自然光は、料理をいちばん“やわらかく、ナチュラルに”見せてくれます。
日本人が好むしっとりとした世界観とも相性が良いので、和食や淡い色合いのメニューと組み合わせると、落ち着いた雰囲気が自然と出ます。
メリット
柔らかく自然な表現ができる光が料理にやさしく当たり、素材本来の色がきれいに出ます。
SNSで好まれる雰囲気が作りやすい“生活の延長のような写真”が撮れるため、日常的で親しみやすい印象に。
デメリット
天候に左右される朝はいい光だったのに、午後に急に曇ってしまう…そんなことは日常茶飯事。
光の方向や強さがコントロールしづらい角度を変えたくても、窓の位置によって限界が出てきます。
自然光は“美しい時はとことん美しい”のですが、不安定さが最大の弱点でもあります。
■ ライティングしての撮影
一方で、人工光を使うライティング撮影は、「どの現場でも同じクオリティを再現できる」という強みがあります。
インバウンド向けの写真では、色鮮やかでコントラストが強い表現を求められることが多いため、ライティングのほうが向いている場面もよくあります。
メリット
光を自由に操れるハイライト、影の落とし方、質感の出し方など、料理の魅力を“狙って作れる”。
時間に影響されない夕方でも夜でも、午前中のような明るい写真が撮れる。
質感の再現性が高い肉の照り、スープの奥行き、クリームの立体感など、細かい部分まで表現しやすい。
デメリット
準備に時間がかかるライトの角度・距離・明るさ調整など、セッティングに手間がかかります。
一歩間違えると“人工的な光”に見える適切な調整をしないと、料理が硬く見えたり、雰囲気が浮いてしまうことも。
ライティングは“コントロール性の高さ”が最大の武器であり、世界に向けて発信する場合には欠かせない場面が多いです。
■ どちらが正しい? ではなく「目的」で選ぶ
自然光は“気持ちが伝わる”。
ライティングは“情報が伝わる”。
これは私が長年の現場で感じていることです。
温かみを出したいのか、質感を正確に伝えたいのか、インバウンド向けに鮮やかでインパクトある見せ方をしたいのか…。
目的によって、光の選び方は変えるべきだと思っています。
たとえば、
日本の飲食店→自然光の優しい雰囲気が合う
海外の客層に向けたメニュー写真→鮮やかでコントラストの強いライティングが効果的ということもよくあります。
光は“料理の言語”。相手が日本人か、海外の方かで、伝わり方も変わってきます。
■ まとめ
自然光にもライティングにも、それぞれの美しさと弱点があります。
大事なのは「どちらを使うか」ではなく、「誰にどんな魅力を伝えたいのか」。
目的から逆算して光を選ぶことで、料理の見え方は大きく変わります。
インバウンド向けに強い写真を作りたい方、料理の魅力を最大化したい方は、お気軽にご相談ください。
日本の食を世界へ届けるフードカメラマン 太田笙子






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