ケーキ撮影で絶対に避けたい「温かい場所」と「室温」
- 笙子 太田
- 2024年9月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月25日
ケーキを撮影するとき、ライトや構図、スタイリングよりも先にチェックすべきものがあります。
それは——「温度」です。
私はこれまで1000件以上のフード撮影に携わってきましたが(株式会社Light&Green / フードカメラマン 太田笙子)、ケーキだけは特に “室温” による影響が大きいジャンルです。
意外と知られていませんが、温かい場所で撮影するだけで、どれだけ上質なケーキでも “一瞬で魅力を失ってしまう” ことがあります。
本記事では、海外向けに写真品質が売上を左右する今、なぜ温度管理がそこまで重要なのかを、プロの視点で掘り下げていきます。
(インバウンド写真の重要性については、当社制作資料にも詳しくまとめています
)
◆ なぜ温かい場所はNGなのか?
1|クリームが緩み、造形が崩れる
ケーキの構造は見た目以上にデリケートです。
バタークリームはわずか3〜4℃の差で硬さが変わり、生クリームは温度が上がると「テカり」「だれ」が発生します。
・角が丸くなる
・絞りが垂れる
・断面がにじむ
こうした“微小な劣化”は、写真にすると100倍目立ちます。
特にインバウンド向けでは、海外の方が「鮮明でシャープな質感」を好む傾向が強く、崩れたケーキは致命的です
(文化差の分析は資料でも解説しています
)。
2|色がくすんで美味しさが伝わらない
温まったクリームは光を過剰に反射し、
・白飛び
・黄ばみ
・にごり
が起こりやすくなります。
これは室温が20〜23℃程度でも起きることがあり、
「自然光で撮影しているのに上質に見えない」
という典型的な原因になります。
3|“海外目線”で見たときのマイナスが大きい
海外の方は、写真の購買判断における視覚依存度が日本より高く、
「美しい状態で撮られているか」=信用
という構造があります。
資料内のデータでも、
・構図変更で予約40%UP
・写真改善で売上1.5倍
など、写真が動線の中心であることは明確です
。
ケーキの“ひと目の完成度”が、インバウンド時代の売上に影響する理由はここにあります。
◆ プロが撮影現場でしている温度対策
● 冷房は「寒いくらい」でちょうどいい
ケーキ撮影は基本的に18〜20℃が理想。
特に夏場は、部屋を十分冷やしてからケーキを搬入します。
● セットを先に組み、ケーキ投入は“一瞬”
スタイリング・光・カメラ設定は
ケーキを置く前にすべて完成させる
のが鉄則です。
これはフード撮影講座でも必ずお伝えしています
。
● 冷却ジェル・保冷材を隠して配置
器の裏に薄い保冷剤を忍ばせて撮ることもあります。
長時間の撮影でも表面温度が安定し、形崩れを防げます。
● 複数個のサンプルを準備
室温ダメージや予期せぬ崩れに備えて、
同じケーキを2〜3個
準備していただくことが多いです。
◆ インバウンド撮影だからこそ“温度管理”が命
海外の方は、
・くっきりした輪郭
・ツヤのコントロール
・清潔感
を重視します。
つまり、
温度管理は“インバウンド視点の品質管理”そのもの。
せっかく丁寧に作られたケーキも、温度を誤るだけで“伝わらない写真”になってしまいます。
逆に言えば、温度管理さえ整えば、
ケーキ本来の気品や物語がきれいに届き、
“高価格帯のお客様に刺さるビジュアル”が作れます。
◆ まとめ:ケーキ撮影は温度が9割
ケーキ撮影で最も大切なのは、
・光
・構図
・レンズ
ではありません。
まず温度。
温度が整ってこそ、技術が本領発揮できます。
温かい場所での撮影は、
“美味しそうの寿命”を一気に縮めます。
インバウンド需要が高まる今こそ、
ケーキの美しさを守る温度設計を意識してみてください。
撮影のご相談はこちら
ケーキ・スイーツ撮影、インバウンド向け写真に関するお問い合わせは
こちらからお気軽にどうぞ:






コメント