撮影の2ヶ月前に必要な準備リスト〜発注側が知らないと損する、食品撮影チェックシート〜
- 笙子 太田
- 5月13日
- 読了時間: 6分
こんにちは。
インバウンド・海外展開特化のフードカメラマン、太田笙子です。
「撮影って、何を準備すればいいんですか?」
これは、初めて食品撮影をご依頼いただく企業様から、本当によくいただく質問です。
実際、商品撮影や料理撮影は、
「カメラマンを予約すれば終わり」
ではありません。
むしろ重要なのは、“撮影前の設計”です。
ここが曖昧なまま進むと、
・必要なカットが足りない
・ブランドイメージが統一されない
・追加撮影が発生する
・広告で使いづらい
ということが起こります。
逆に言うと、
事前準備がしっかりしている企業ほど、撮影のクオリティも、売上成果も高い傾向があります。
今日は、実際の現場で感じる
「これを事前に決めておくと本当にスムーズ」
という内容を、保存版チェックリストとしてまとめます。
なぜ“2ヶ月前”なのか?
まず大前提として。
食品撮影は、「撮る日」から逆算して動く仕事ではありません。
実際には、
・デザイン制作
・ECページ制作
・広告運用
・印刷物制作
・SNS投稿準備
などが撮影後に控えています。
つまり、“写真が完成してからが本番”なんです。
そのため、特に秋冬商戦や新商品発売では、
発売日の約2ヶ月前から動き始めるのが理想です。
【保存版】食品撮影・事前準備チェックシート
① 写真を「何に使うか」を決める
これは最重要です。
同じ商品でも、
・EC用
・Instagram用
・Amazon用
・広告バナー用
・ポスター用
・海外向けLP用
で、必要な写真は全く変わります。
例えばECなら、
・白背景
・サイズ感
・断面
・成分イメージ
が必要になることが多いです。
一方Instagramでは、
・世界観
・シズル感
・人の手
・空気感
が重要になります。
ここが曖昧だと、
「綺麗だけど使いづらい写真」
になってしまいます。
また、写真をどこに使うかによって、必要なカット数・構図・サイズがまったく変わります。
・パッケージ(外箱・ラベル) → 印刷解像度・トリミング範囲の指定が必要
・ECサイト(Amazon・自社サイトなど) → 白抜き写真が必要なプラットフォームもある
・SNS(Instagram・X など) → 縦・正方形など比率の指定
・チラシ・カタログ → 印刷入稿に耐えられる解像度
・営業資料・プレゼン → PowerPoint向けの横長構図
「どこでも使えるように撮ってほしい」
という依頼をいただくことがありますが、用途が違えば最適な写真も変わります。
使い道を先に決めると、撮影コストも抑えられます。
② ターゲットを言語化する
これも非常に大切です。
例えば、
「20代女性向け」と「海外富裕層向け」では、
写真の設計が全く違います。
実際、海外向け撮影では、
・色の強さ
・コントラスト
・情報の明確さ
をかなり意識します。
日本では“余白の美”が好まれますが、海外では「主役が明確」である方が伝わりやすい傾向があります。
③ 必要カット数を整理する
ここ、意外と見落とされます。
例えば「10商品撮影」と言っても、
・単品
・真上
・寄り
・断面
・使用シーン
・集合
・縦横比違い
を含めると、実際には50カット以上必要なこともあります。
あとから
「この構図も欲しかった…」
となると、追加撮影の可能性も出てきます。
④ “参考イメージ”を集める
これはかなり重要です。
「明るい雰囲気で」「高級感のある感じで」という言葉は、伝える側と受け取る側でイメージが異なることがあります。
PinterestやInstagramで、
「好きな雰囲気」を共有していただけると、完成イメージのズレが激減します。
ここで大切なのは、
「この写真を真似したい」
ではなく、
“なぜ好きなのか”を言語化すること。
・高級感がある
・温かい
・海外っぽい
・透明感がある
この共有が、かなり大きいです。
「こういう雰囲気にはしたくない」という逆のNG例を持っておくのも有効です。
⑤ 撮影小物・器をどうするか決める
ここも写真の印象を左右します。
実は、
料理より器の方が先に目に入ることも多いです。
特に高価格帯の商品では、
・器
・カトラリー
・背景材
で“ブランド価格帯”が決まります。
安っぽい小物を使うだけで、商品の価値まで下がって見えてしまいます。
他にも
・カメラマン側で用意するのか、クライアント側が持参するのか
・ブランドのイメージカラーや世界観に合わせた色のトーンがあるか
事前に確認しておかないと、撮影当日に「なんか違う……」となるポイントのひとつです。
⑥ 食材・商品の予備数を確認する
これは現場的にかなり重要です。
例えば、
・アイス
・冷凍ケーキ
・揚げ物
・ラーメン
・クリーム系
などは、撮影中に状態が変化します。
そのため、
「ギリギリの数量」だと危険です。
現場では、
「思ったより溶ける」「断面が綺麗に出ない」「湯気が消える」
など、かなり色々起こります。
・食品メーカーの場合:撮影用サンプルは「販売品と同等の仕上がりのもの」を用意してください。試作段階のものは色・形・質感が変わることがあるため、できれば完成品に近いものを
・飲食店の場合:調理担当者との連携が必要です。撮影当日にシェフやスタッフが立ち会えるかどうかを事前に確認してください
・複数商品がある場合:撮影カットの優先順位を決めておくと、時間内に収まりやすくなります
⑦ スケジュールに“修正期間”を入れる
ここ、本当に大切です。
撮影後には、
・色調整
・レタッチ
・デザイン反映
・確認修正
が発生します。
写真が納品されてから「上司に確認したら方向性が違うと言われた」というケースは、実は珍しくありません。
にもかかわらず、
「撮影翌日に公開」のようなスケジュールになっているケースもあります。
これだと、かなり危険です。
理想は、
公開日の2〜3週間前に撮影完了が安全ラインです。
・最終的にOKを出す決裁者は誰か
・NG・NGになりそうな表現や禁止事項はあるか(例:競合他社との比較・特定の食材の扱いなど)
・写真の使用許可・肖像権の確認が必要なケースはあるか
撮影前にこれらを確認しておくと、後の修正・撮り直しを防げます。
撮影後の納品についても、事前にすり合わせが必要です。
・ファイル形式:JPEG・PSD・PNG・TIFF など用途によって異なる
・解像度・サイズ指定:印刷用は300dpi以上が基本
・納品方法:クラウドストレージ(Googleドライブなど)か、データ便か
・納期:デザイン会社・印刷会社の入稿締め切りから逆算して設定する
見落としがちですが、事前にきっちり確認して打ち合わせておくとスムーズです。
実は、撮影前の打ち合わせで8割決まる
私はよく、
「カメラマンなのに、シャッターを切っていない時間の方が長い」
とお話ししています。
実際、
・ヒアリング
・構成設計
・小物選定
・導線設計
ここにかなり時間を使っています。
でも、ここを丁寧にやるからこそ、
「売れる写真」になります。
よくある“もったいない依頼”
現場で本当に多いのが、
「商品完成後に、とりあえず撮影を考える」
というケース。
でも実際には、
撮影は“最後の工程”ではなく、販売設計の一部なんです。
だからこそ、早めに相談いただけると、
・撮るべきカット
・媒体ごとの設計
・必要な素材数
まで含めて整理できます。
まとめ|良い写真は、良い準備から生まれる
食品撮影は、
「当日の技術」だけでは決まりません。
むしろ、事前準備でクオリティの大半が決まります。
もしこれから、
・新商品発売
・EC強化
・広告制作
・インバウンド向け展開
を考えているなら、
ぜひ今回のチェックリストを活用してください。
「何から決めればいいかわからない」
そんな段階でも大丈夫です。
撮影前の整理から、一緒に設計します。
フードカメラマン太田笙子


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