国別|おせち写真の色設計― アメリカ・台湾・中国で“正解”は違う ―
- 笙子 太田
- 2月4日
- 読了時間: 3分
「海外向けだから、英語にした」「海外向けだから、白背景で撮った」
でも実際には、それだけでは“海外向け写真”にはなりません。
フードカメラマンとしてインバウンド・海外展開向けの撮影をしていると、強く感じるのはこの点です。
同じおせち料理でも、国が違えば“美味しそう”の基準はまったく違う。
今回は、特にご相談が多いアメリカ・台湾・中国の3市場について、おせち料理撮影における「色設計」の考え方を整理します。
なぜ「国別の色設計」が必要なのか
おせちは
・高価格
・意味のある料理
・季節
・文化が強い
だからこそ、海外では「どう見えるか」で価値が決まる料理です。
そしてその“見え方”に最も強く影響するのが、色・明るさ・コントラスト。
1セット撮って、「海外向け」として全部同じ写真を使う。
実はこれが、反応が出ない大きな原因になっているケースも少なくありません。
アメリカ向け
コントラストと「量感」が正義
アメリカ市場で重視されるのは、分かりやすさ・力強さ・満足感。
おせち撮影で意識したいポイントは、
・明暗コントラストをはっきり
・具材の厚み、高さをしっかり見せる
・色は少し強めでもOK
日本向けのように「やさしいトーン」「淡い色」だけでまとめると、アメリカでは
「量が少なそう」「物足りなさそう」
と見えてしまうことがあります。
黒×金、赤×黒といったメリハリのある配色は、むしろプラス。
「これは特別な料理だ」と一瞬で伝わるビジュアルが求められます。
台湾向け
明るさ・清潔感・可愛さ
台湾市場は、おせちと非常に相性が良いエリアです。
理由は、
・縁起文化がある
・彩り豊かな料理に慣れている
・SNSとの相性が良い
台湾向けで意識したいのは、
・全体的に明るめ
・白や淡色をベースに
・赤やピンクをアクセントに使う
暗く重たいトーンにしすぎると、「古い」「重い」印象になってしまうことも。
また台湾では“可愛さ”や“親しみやすさ”も重要な要素。
重厚すぎる高級感より、「きれい」「食べてみたい」と思わせる軽やかさが反応につながります。
中国向け
赤・金・縁起を、はっきり伝える
中国市場では、色の意味がとても明確です。
・赤=幸福、繁栄
・金=成功、富
・黒=格、重厚感
おせち料理は、実は中国文化ととても相性が良い料理でもあります。
ただし注意したいのは、日本的な「控えめ」。
・赤を抑えすぎる
・金を装飾程度にしか使わない
これでは、中国市場では縁起が弱く見えてしまうことがあります。
中国向けでは、
・赤や金を“主役”として使う
・背景や敷物にも意味を持たせる
・「お祝い料理」であることが一目で分かる
そうした設計が、価格への納得感にも直結します。
「1セット撮って終わり」が危険な理由
海外展開を考えるなら、写真も 「市場別に最適化する前提」で考える必要があります。
・アメリカ向け
・台湾向け
・中国向け
同じおせちでも、色・明るさ・見せ方は変えるべき。
これは手間ではなく、売上と反応を分ける投資です。
私が必ずお伝えしていること
撮影のご相談をいただく際、よくお話しするのがこの言葉です。
「海外向け写真は、翻訳ではなく設計です」
英語にすることでも、海外っぽい背景にすることでもありません。
“誰に見せるか”から、色を決める。
それが、おせち料理を海外で正しく伝える近道だと感じています。
まとめ
国が違えば、おせち写真の“正解”も違います。
・アメリカ:コントラストと量感
・台湾:明るさ・清潔感・可愛さ
・中国:赤・金・縁起の強調
もし海外展開を考えているなら、「1セット撮って終わり」ではなく、市場別に写真を設計するという視点を、ぜひ取り入れてみてください。
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