フード撮影は「料理人との会話」で決まる 〜良い料理写真は撮影前に決まっている 〜
- 笙子 太田
- 5月2日
- 読了時間: 4分
こんにちは。
料理撮影・食品撮影を専門にしているフードカメラマン、太田笙子です。
フード撮影の仕事をしていると、
「写真って、やっぱり技術が全てですよね?」と聞かれることがあります。
確かに、技術は大切です。
でも現場に立ち続けてきた経験から言うと、
良い料理写真を生み出す上で技術よりもずっと重要なことがある。
それが、料理人との会話です。
■ 良い写真は、撮影前に半分決まっている
撮影が始まる前に料理人と話す時間があります。
この時間を大切にするかどうかで、仕上がりの写真は大きく変わります。
「この料理のコンセプトは何ですか?」
「一番見せたいポイントはどこですか?」
「お客様にどんな印象を持ってほしいですか?」
こういった質問をしながら、写真の方向性を一緒に整えていきます。
料理人との対話を経ずに撮った写真と、そうでない写真は、
見た目のクオリティは似ていても、何かが違う。
その「何か」が、見る人の心を動かすかどうかを分けると、私は思っています。
■ 料理人のこだわりは、写真のヒントになる
実際に料理人の方と話していると、撮影の方向性を決定づけるような言葉がよく出てきます。
「このソース、半日かけて作るんです」
「この食感をどうしても伝えたくて」
「見た目よりも、香りが命の料理なんですよね」
たとえば「香りが特徴」と教えてもらえれば、
蒸気や湯気を活かすか、盛り付けの動きを入れるかなど、
視覚で香りを連想させるための構図や演出を考えます。
「時間をかけたソース」なら、テクスチャーを引き立てるライティングを選ぶ。
料理人の言葉は、そのまま撮影の設計図になるんです。
■ フードカメラマンは「聴く仕事」でもある
これは余談に聞こえるかもしれませんが、
フードカメラマンの仕事の中でかなりの時間を占めているのは、
実はカメラを構えている時間よりも「話を聞いている時間」です。
料理人が作り上げてきたもの、その背景にある思い、季節感やコンセプト・・・
それらを丁寧に受け取ることで、初めて写真に乗せるものが見えてくる。
技術はあくまでそれを表現するための手段で、
何を表現するかを決めるのは「聴く」ことから始まります。
■ なぜ今、料理写真の質が問われているのか
少し視点を広げると、飲食店にとって料理写真の重要性はここ数年で一段と増しています。
Toast社が2024年7月に実施した消費者調査(対象:850名)によると、
飲食店のSNSを見て来店を決めるかどうかを検討する人のうち、
84%が「料理や飲み物の写真を見たい」と回答しています。
また、restroworks.comが2025年に公表したデータでは、
ビジュアルが来店先の決定に「大きく影響する」と答えた人が65%に上るとされています。
(出典:Toast "How Are Diners Using Social Media?" 2024年7月 / restroworks.com "Restaurant Social Media Statistics 2025")
写真一枚が、来店のきっかけになる時代です。
だからこそ、「なんとなく綺麗な写真」ではなく、
「その料理の本質を伝える写真」を撮ることが求められています。
■ 料理写真は、共同作品だと思っている
最終的に、良い料理写真はカメラマンだけでは作れません。
料理人のこだわり、お店のブランド、食材や季節の個性・・・
それらが重なり合うことで、初めて写真に「語る力」が生まれます。
私はフードカメラマンとして、その橋渡し役だと思っています。
シャッターを切るのは私ですが、写真に込められたものは、
料理人との会話の中で生まれています。
これからフード撮影を検討されている飲食店オーナーの方や、
食品メーカー・EC事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
撮影の前に、じっくりお話しするところから始めます。
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【著者プロフィール】 太田笙子(おおた しょうこ)/フードカメラマン
料理・食品・商品撮影を専門とするフォトグラファー。
飲食店、食品メーカー、ECサイト向けに、ビジュアルブランディングを意識した撮影を提供。
「料理の本質を伝える写真」をコンセプトに、B2Bクライアントとのコミュニケーションを重視した撮影スタイルで活動中。



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