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フード撮影は「料理の知識」で差がつく〜料理カメラマンに必要な、もうひとつの専門性 〜

  • 執筆者の写真: 笙子 太田
    笙子 太田
  • 4月30日
  • 読了時間: 5分

こんにちは。フードカメラマンの太田笙子です。

 

料理撮影の仕事をしていると、

「写真の技術がいちばん大事なんですよね?」

と聞かれることが少なくありません。


もちろん、それは大前提です。

ただ、現場を重ねるうちにわかってきたことがあって・・・

それが、料理の知識がない人には、おいしい写真は撮れない、ということ。

今日はその話をしようと思います。

 

 

■「なんとなく綺麗」で終わってしまう写真の正体


料理撮影の現場では、常に判断の連続です。

どの角度が食欲をそそるか、

どの部分を主役にするか、

どこを見せてどこを隠すか

・・・これらはカメラの設定だけで解決できる問題ではありません。

 

たとえば刺身とラーメンとステーキ、

それぞれ「おいしそうに見えるポイント」はまったく違います。


刺身なら断面の艶と色、

ラーメンなら麺の持ち上げ方と湯気のタイミング、

ステーキなら焼き色の入り方と断面のレア感。


料理の構造や食べ方を知っている人ほど、そこを自然にフレームに収めることができます。

 

料理の知識がないと、「なんとなく綺麗な写真」は撮れます。

でも、「食べたくなる写真」には届かない。

 

これは私自身が何度も実感してきたことで、若手カメラマンのポートフォリオを見る機会があるときも、この差は如実に出ると感じています。

 

 

■ 盛り付けと撮影は、実は一体のもの

 フード撮影では、シャッターを押す前から勝負は始まっています。

盛り付けの段階で、写真としての「見え方」をイメージできているかどうか。

 

・刺身の向きと並べ方(光の当たり方が変わる)

・麺の持ち上げ量と角度(多すぎても少なすぎても絵にならない)

・ソースのかけ方や流れ方(動きが出るかどうか)

・器の余白の使い方(引きの構図か寄りの構図かで変わる)

 

こういった判断を、料理人やスタイリストと一緒に考えながら進めていくのがフード撮影の現場です。

「あと少しソースを足してください」

「麺を少し手前に崩してみましょう」


こうした言葉が自然に出てくるのは、料理を知っているからこそです。

知らなければ、出てきません。

 

 

■ インバウンドが増えた今、「海外目線」が切実になってきた

最近、飲食店や食品メーカーのクライアントから相談が増えているのが、

海外向けの食品撮影やインバウンド集客を意識したフードフォトです。

 

これには背景があります。

 

2024年の訪日外国人数は3,686万9,900人。

前年比47.1%増で過去最高を更新しました。

(出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2024年12月および年間推計値)」2025年1月発表)。

 

さらに、2024年の訪日外国人旅行消費額は8兆1,395億円(暦年として過去最高)。

そのうち飲食費が全体の約20.8%を占めています。

(出典:観光庁「インバウンド消費動向調査 2024年暦年(速報)」2025年1月発表)。

 

消費額の5分の1以上が食に使われている。

これはただの数字ではなく、飲食店にとってはっきりとしたビジネスチャンスです。

では、そのチャンスをつかむために、写真はどう変わるべきか。

 

 

■「日本人目線」と「海外目線」は、見ているところが違う

同じ料理を撮っても、国内向けと海外向けでは伝えるべきポイントが変わります。

 

欧米豪の旅行者は、

量感・鮮やかな色・食べているシーンのリアリティを重視する傾向があります。


「映える」より「伝わる」写真が重要で、

食事シーンに人が写っているか、

器の素材感が出ているか、温度感があるか・・・


こういった細部が、海外の閲覧者がSNSで写真を見てお店を選ぶかどうかの分かれ目になります。

 

文化的な文脈の理解も欠かせません。

出汁の文化、発酵食品の魅力、日本の季節感。

これらを写真で伝えるには、その背景を知っている必要があります。

知っていれば構図やライティングに反映できる。

知らなければ、表面しか撮れません。

 

フード撮影に必要なのは、料理の知識 × 食文化の理解 × 写真の技術。

三つが揃ってはじめて、見る人に届く写真になる。

 

 

■「説得力のある写真」と「綺麗なだけの写真」の差

私がフードカメラマンとして仕事を続ける中でずっと大切にしてきたのは、

写真を見た人が「食べたい」「行きたい」「買いたい」と思うかどうかです。

それは技術だけでは生まれません。

 

料理を理解していれば、その料理が一番おいしく見える瞬間を知っている。

食文化を理解していれば、その料理が持つ背景を写真に込めることができる。

だからこそ、写真に説得力が生まれます。

 

「なんとなく綺麗だけど心が動かない写真」と「見た瞬間に食べたくなる写真」

この差を生み出しているのは、カメラの性能ではなく

撮る人の知識と解釈だと私は思っています。

 

 

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料理撮影・食品撮影・商品撮影のご依頼や、インバウンド向けのフードフォトについてのご相談は、お気軽にどうぞ。

 




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【著者】

太田笙子(Shoko Ota)

料理撮影・食品撮影・商品撮影を専門とするフードカメラマン。飲食店・カフェ・食品メーカー・EC事業者を中心に、ブランドの世界観に合わせたフードフォトを提供している。インバウンド集客を意識した「海外目線のフードフォト」を得意とし、国内外のクライアントからの依頼を手がける。

ウェブサイト:https://www.foodphoto-shoko.com

 


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