パステルカラーの広告撮影で「印象に残る」写真を撮るには?〜イースター・春シーズン撮影のコツを徹底解説〜
- 笙子 太田
- 4月5日
- 読了時間: 7分
パステルカラーって、写真にするとなんかぼんやりしちゃうんですよね」
撮影のご相談をいただくとき、こういう声をよく聞きます。
わかります!すごくわかります!
淡い色は確かに難しい。
でも実は、ポイントを押さえれば、パステルカラーの撮影こそ、見た人の記憶にじんわりと残る広告写真になるんです。
私、太田笙子はフードカメラマンとして、飲食店や食品ブランドの広告撮影を手がけてきました。
イースターシーズンの撮影は毎年ご依頼が増えるテーマのひとつ。
今回は、淡い色合いの装飾が多い春シーズン撮影で、印象のある広告写真をつくるためのポイントをまとめました。
そもそも、なぜパステルカラーは「弱い写真」になりやすいのか
まず、なぜぼんやりした仕上がりになりやすいのかを知っておくと、対策が立てやすくなります。
パステルカラーとは、白をたくさん混ぜた高明度・低彩度の色のこと。
ピンク、ラベンダー、ミントグリーン、バターイエロー・・・
どれも美しい色ですが、彩度が低い分、写真の中で埋もれやすい性質を持っています。
さらに、柔らかい光と組み合わせると、全体がフラットに見えてしまうことも。
これは「失敗」ではなく、パステルカラーが持つ物理的な特性です。
だからこそ、意識的に「立体感」と「コントラスト」を設計する必要があります。
ポイント:パステルカラー撮影のぼんやり問題は、光の設計とトーンの組み合わせで解決できます。
パステルカラー撮影で印象を残す、5つのポイント
① 光は「柔らかく」しながら「方向性」を持たせる
パステルカラーの撮影で最も大切なのが光の使い方です。
淡い色は光の影響を受けやすく、光の質と方向で印象がガラッと変わります。
柔らかい自然光や拡散した人工光は、パステルカラーの繊細さを引き出すのに最適です。
ただし、フラットな正面光だと立体感が消えてしまいます。
サイドから少し角度をつけた光(サイドライト)を使うことで、卵の殻の質感、ケーキのクリームの凹凸、テーブルクロスの布の風合いなど、質感がしっかりと出てきます。
バックライト(被写体の後ろから光を当てる手法)も、パステルカラーには相性が良い方法です。
淡い色が透けるように輝いて、夢のある雰囲気が生まれます。
イースターエッグや薄い花びら、半透明のグラスなどに試してみると、予想以上に美しく撮れることがあります。
② 「淡い色×1点の引き締めカラー」で視線を設計する
パステルカラーだけでまとめると、全体がふんわりしすぎて視線の行き場がなくなります。そこで必要なのが「引き締め色」です。
例えば、ラベンダーとミントのパステルパレットに、深みのあるグリーンのリーフを1本だけ入れる。
淡いピンクのケーキの隣に、濃い色のチョコレートをさりげなく置く。
こうした小さな「濃い色の差し色」が、写真に奥行きとリズムを生み出します。
2025年春夏のファッション・ビジュアルトレンドでも、パステルカラーを「主役として使いながら、メリハリをつける」配色が人気を集めています。広告フォトにも同じ考え方が使えます。
③ テクスチャー(質感)を意識して素材を選ぶ
パステルカラーが「弱く見える」もうひとつの理由は、質感の情報が少ないと視覚的に刺激が足りなくなるためです。
逆に言えば、テクスチャーが豊かな素材を組み合わせると、淡い色のままでも写真が豊かに見えます。
リネンや綿の布(ナチュラルな織り目が出る)
陶器や素焼きのプレート(マットな質感でパステルカラーと相性◎)
ドライフラワーやフレッシュハーブ(繊細な表面が光を複雑に反射する)
卵の殻・花びら・粉糖など(有機的なテクスチャー)
木目調のテーブルや板(温かみと深みをプラス)
質感のある素材は、ソフトな光で撮影したときに特に効果を発揮します。凹凸が影を生み出し、フラットに見えがちな画面に自然な立体感が加わります。
④ 「過剰な演出」は逆効果 パステルカラーは"信頼感"で売れる
ここはちょっと意外に思われるかもしれないのですが、パステルカラーの広告撮影で気をつけてほしいのが「やりすぎないこと」です。
ネオンや高彩度の色、過剰に派手な小道具を混ぜると、パステルカラーが持つ本来の魅力
例えば、「安心感」「優しさ」「信頼」
が壊れてしまいます。
広告心理学の観点では、パステルカラーは「ケア・共感・アクセスしやすさ」を無言で伝える色です。
特にウェルネス系、スイーツ、春の限定メニューなど、感情に訴えたい商品ほど、この"静かな力"を活かした撮影が効果を発揮します。
あれもこれも詰め込まず、シンプルに整理された構成で撮ること。
それがパステルカラー撮影の、もっとも重要な哲学だと私は思っています。
⑤ 余白を怖がらない
「撮影のカットに何も映っていないスペースがもったいない」と感じる方は多いのですが、パステルカラーの撮影こそ余白が重要です。
余白は空気感をつくり、淡い色がより繊細に、より印象的に見えるようになります。
特に広告用途では、テキストやロゴを後から乗せるスペースを確保する意味でも、余白の設計は必須です。「画面の3分の1くらいは余白でもいい」くらいの意識で撮ってみてください。最初は物足りなく感じても、文字を入れた完成形を見ると「これで正解だった」となることがほとんどです。
イースター撮影で使えるパステルカラーパレット
実際の撮影でよく使うカラーの組み合わせをご紹介します。
定番の春パレット(安定感重視)
ラベンダー × ソフトホワイト × ミントグリーン。清潔感があり、洋菓子店・カフェメニューと相性抜群。
温かみのある春パレット(親しみやすさ重視)
バターイエロー × ピーチ × クリームホワイト。食欲も刺激しつつ、ぬくもりのある雰囲気に。
洗練された春パレット(高級感重視)
ダスティローズ × グレイッシュラベンダー × ウォームグレー。
シックに見せたい際に。
引き締め色にネイビーやチャコールをアクセントで入れると奥行きが出ます。
2025年春夏トレンドでは、パントン社(世界的な色見本メーカー)が発表したカラーデータをもとに、ソフトパステルと自然素材の色(アーストーン)を組み合わせたパレットが注目されています。
撮影の小道具選びの参考にしてみてください。
撮影前に確認したいチェックリスト
光の「方向」は決まっているか(正面光だけになっていないか)
全体に「引き締め色」が1点入っているか
テクスチャーのある素材が少なくとも1つ含まれているか
余白スペースは十分確保されているか
小道具の数は多すぎないか(3〜5点程度を目安に)
ハイライトが飛びすぎていないか(白飛びするとパステルの微妙なトーンが消える)
後編集でパステルトーンが過剰補正されていないか
「印象に残る」パステル撮影は、設計から始まる
パステルカラーの撮影は、なんとなく「柔らかく撮ればいい」と思われがちですが、実は光・色・質感・構成のすべてを意識的にコントロールしないと、記憶に残らない写真になってしまいます。
逆に言えば、設計さえしっかりできれば、パステルカラーは見る人の感情にゆっくりと、でも確実に届く写真が撮れます。私が広告撮影で大切にしているのも、まさにこの「じんわり残る力」です。
イースターや春シーズン撮影、ぜひ意識して試してみてください。
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太田笙子(おおた しょうこ)|フードカメラマン飲食店・
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季節イベントの撮影企画から、SNS・EC・広告媒体向けフォト制作まで幅広く対応。
公式サイト:foodphoto-shoko.com



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